左から相川亮二、藤川球児、小久保裕紀、新庄剛志らセパ監督

 5月26日、18歳長女への暴行容疑で逮捕された阿部慎之助前監督(47)の辞任に伴い、読売ジャイアンツ監督代行を任された橋上秀樹オフェンスチーフコーチ(60)。初陣となるセ・パ交流戦、福岡ソフトバンクホークスとの試合を3-8で落とした。

 この日、「いろいろ心配はあった」としつつも泉口友汰選手(27)を1番に据え、トレイ・キャベッジ選手(29)をセンターで初起用するなど、ところどころに“橋上色”を出した巨人だったが、2025年の日本シリーズを制したソフトバンクには及ばなかった。

 とはいえ“及ばなかった”のは巨人だけではない。現在、パ・リーグ最下位の東北楽天ゴールデンイーグルスに1-0で辛勝した中日ドラゴンズをのぞく、交流戦6試合でセ・リーグ球団が5敗を喫する事態に。

 首位争いをする阪神タイガース、東京ヤクルトスワローズも揃って負けてゲーム差は変わらずとも、前年に続いて再び不名誉“記録”を残しかねない。2025年の交流戦で優勝したホークスをはじめ、上位6チームにパ球団、下位6チームにセ球団と見事にセパで“Aクラス、Bクラス”に格付けされた。

 2005年に正式開催して以降、パ球団が15回優勝しているのに対してセ球団は5回。通算勝利数にしてもパ・リーグが1369勝、セ・リーグは1217勝とパが大きく勝ち越し。見事にセ・パの実力差を露呈させているのが交流戦だ。

新庄監督のセは「強くない」発言

 そんな現状を知ってか、シーズン開幕前には北海道日本ハムファイターズ・新庄剛志監督(54)から飛び出したのが、「(セ・リーグは)強くない」発言。中日の戦力分析をする中で「(セの)他のチームのレベルが下がった」から上位を狙えるとしたのだ。

 5月初旬にも「(セの試合を)見ながら、いけるんじゃないかなっていう気はしています」と、交流戦での“勝ち星の荒稼ぎ”に自信をのぞかせてはやはり批判を浴びたが、開催1日目にして「予感」は正しかったとも思えてしまう。

 かつてオールドファンは、特にパ・リーグチームのファンから称された「人気のセ、実力のパ」。現在も「実力」は健在というわけだが、「人気」にも変化が起きている。

日ハム時代の'16年オフの大谷翔平。2日連続で公の場に私服で登場も同じようなシャツを着ていた

 2025年のNPB公式戦の年間入場者数は約2674万人と、過去最高を更新したプロ野球。その内訳はセ・リーグが約1402万人、パ・リーグは約1272万人と差はほとんどなく、むしろ前年比では後者の方が入場者数を増やしている。

 もちろん12球団での人気球団は阪神、巨人が今なおワンツーだが、いずれ「実力のパ、人気もパ」に取って代わっても不思議ではない現状があるのだ。

 では、なぜセ・パで“実力差”がついてしまったのだろうか。パ・リーグ事情に詳しいベテランライターは「長らく議論されたように、パにはあってセにはない“DH、指名打者制”が影響していると思います」

戦術面だけでなく経営面にも影響

 投手が打席に立つ代わりに“攻撃専門”の選手起用が認められる指名打者制。2026年「センバツ高校野球大会」でも投手の負担軽減、選手の出場機会を増やすことを目的に導入され、出場校32チームのうち26チームが利用。中学生の軟式野球、学童野球では2024年から導入されるなど、アマチュア野球では一般的となりつつある。

「プロ野球では1975年にパ・リーグで導入されましたが、私の主観ですが、やはり以降からセ・パに差がで始めたように思います。打線に外国人選手や、守備に不安がある強打者を起用でき、また投手も打線で気を抜くことなく、長いイニングを投げることから野球のレベルが上がる土壌があります。

 一方のセ・リーグ、投手の打席があることで代打、打順の入れ替えといった野球の戦術面を重視する意見も根強かった。そして、レギュラークラスの選手が増えることによる“年俸高騰”を抑えたい球団もあったと聞きます。実のところ、現場だけでなく経営陣の“ストップ”も大きな理由だったと考えられますね」(前出・ライター)

 2027年にはセ・リーグでもついに指名打者制の導入が始まる。いずれ「人気のセパ、実力のセパ」と拮抗すればプロ野球のレベルも上がり、入場者数のさらなる増加にもつながることだろう。