2026年5月27日の“ドラクエの日”に公開された『ドラゴンクエスト』40周年記念特設ページ 。1986年5月27日に発売された、ファミリーコンピューター用ゲームソフト『ドラゴンクエスト』から40年が経ったことを記念して開設されたサイトだ。
ところが一夜明けた28日、スクウェア・エニックス・ホールディングスの株価は150円も下落。40周年サイトで発表された最新作『ドラクエ12』に関する“お知らせ”が影響したのは間違いないところ。
HP上の動画に登場したのは同社エグゼクティブプロデューサー・齊藤陽介氏と、ドラクエ“生みの親”であるゲームデザイナー・堀井雄二氏。ドラクエの“トップ”から伝えられたのは、2021年より開発を進めていたドラクエXIIを、ここにきて開発体制を変更してリスタートさせたというもの。
当初のサブタイトル「選ばれし運命の炎」も、「夢の彼方へ」に変更されてデザインも一新。つまり5年間かけて開発していたゲームを“作り直している”というのだ。初代ドラクエからプレーしてきたベテランゲームライターによると、
「当初は、ダークな世界観と重めな大人なストーリーを予定していた12。ところが今回の発表で、堀井さんが笑顔で語ったのは“明るくワクワクするような世界”。一転して真逆の世界観とした新作に、肩透かしを食らったユーザーも多いことでしょう。またリスタートとなると年内発売も難しくなり、株価が下がったのも頷けます。
クリエイターとしてものづくりに妥協しない堀井さんだけに、より良いストーリーを練り上げたのでしょうが、この方向転換には、“ゆうてい(堀井氏の愛称)”と長年パーティーを組んできた賢者たちへの想いも込めていると思います」
12のタイトル発表があった2021年、誰もが知るドラクエのゲーム音楽を手掛けたすぎやまこういちさんが9月30日に他界。そして2024年3月1日、同じくドラクエのキャラクターデザインを務めた漫画家・鳥山明さんも急逝。堀井氏とともに初代から携わってきた、ドラクエにはなくてはならない存在だ。
お二人の遺作に相応しいものを
「両巨匠を失ったことで、当初に計画していた世界観やストーリーを表現できない事態が発生したとも考えられます。そして何より、初代ドラクエといえば“勇者ロトの子孫”である主人公が悪しき竜王の退治の旅に出る、誰もがワクワクした正統派の冒険ストーリーです。
すぎやまさんや鳥山さんと作ってきたドラクエの原点回帰の意味でも、ゲームとしてダークな世界よりも“明るくワクワクするような世界”にしたかった。そのためには開発が遅れようとも、“リスタート”する道を選んだのかもしれません」(前出・ライター)
鳥山さんが亡くなった2024年のドラクエの日、12の開発状況についてXにて次のポストをしていた堀井氏。
【心配をかけているドラクエ12ですが、実はさっきまで、その打ち合わせをしていました。まだ詳しくは言えませんが、亡くなったお二人の遺作に相応しいものをと思っています。頑張るぞお!】
スクエニとしては気を揉むリスタートだが、パーティーを大切にしてきた「ゆうてい」にとっては必然の冒険なのだろう。
