元ロッテの里崎智也氏が5月30日に自身のYouTubeチャンネルにて公開した動画が注目を浴びている。5月に電撃辞任した阿部慎之助前監督のもと、今季は積極的な若手起用で育成を推し進めていた巨人。だが、期待の星が直面する厳しい現実を突きつけるデータが明らかになり……。
育成出身選手を格付け
動画のタイトルは〈【育成能力チェック】巨人は過去150名の育成選手を獲得!メルセデスや山口など育成から化ける選手はどのくらいいるのか? 各球団の育成能力を里崎指数で評価します〉で、里崎氏は独自の基準をもとに、育成出身選手を格付けしている。
2005年に育成制度がスタートして以降の全選手をチェックしたところ、巨人が獲得した育成選手は150人。その中で、「一軍で大活躍した」に該当するAランクに到達したのは、2005年入団の山口鉄也、2006年の松本哲也、2017年のC・C・メルセデスの3人のみ。
特に育成ドラフトから支配下登録に上がれる確率は27.8%で、Aランクへの到達率はわずか1.6%にとどまる。比較対象となったロッテは、支配下登録率が33.33%でAランク到達率は6%で、戦力化率はロッテの約4分の1という低い水準であることがデータから判明したのだ。
「巨人は豊富な資金力を活かして三軍制を敷き、育成選手の獲得に積極的。それでも4分の1が支配下登録にこぎつけています。一軍経験がない選手は4人しかいないことからチャンスは与えられています。しかし、一軍の壁に阻まれて、1.6%しか戦力になれていない現状には、里崎氏も『育成ってやっぱ、現実厳しいな』と数字の重みを受け止めていました」(スポーツ紙記者)
Aランクが3人いるとはいえ、松本や山口が活躍したのはかなり昔。近年になるほど、「一軍で多少活躍した」Bランクの選手すらほとんど生まれていないのが実情だ。
主力へと這い上がる必須条件
「今季の巨人は平山功太や宇都宮葵星、ルシアーノ、ティマが一軍で活躍し、かつてないほど育成選手への期待が高まっています。とりわけ、平山は2023年秋のドラフト会議で育成7位指名からはい上がり、4月5日に支配下選手契約をつかんだ苦労人。
1番打者に固定され、出場8試合連続安打と状態を上げていたところ、太もも裏の肉離れで離脱してしまった。また、俊足を武器に開幕直前に支配下登録を勝ち取っていた宇都宮も、4月下旬に左膝の後十字じん帯を損傷して離脱しています。年間を通して一軍の激しい戦いに耐えうる体づくりをすることが、育成から真の主力へと這い上がるための必須条件ということなのでしょう」(スポーツ紙デスク)
ネット上でも、巨人の育成選手については「巨人は数試合だけ使って結果が出ないとすぐに二軍へ落とすことが多いから、ワンチャンスをものにできるかどうかなんだよね」「最近の育成枠は獲得数が多すぎて、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる状態になっている気がする」「平山や宇都宮、ティマなど楽しみな素材は揃っている」「怪我での離脱だけは本当にもったいない」といった声が聞かれる。
「150人獲得して3人しかAランクがいないのは、コストを考えると非効率的。そもそも育成の選手が一軍で活躍したらしたで、編成やスカウトが下手だったことになってしまう。それでも球団が育成選手を獲得するのは『思わぬ伸び方』に期待してのこと。里崎氏が動画で語っていたように、後は選手個人の努力と球団がどう育成するのかしだいでしょう」(同前)
巨人が優勝争いに加わるには、新しいスター選手の誕生が不可欠。それが「育成出身」であれば、なおさらファンは大盛り上がりとなりそうだが……。
