阿部慎之助前監督の突然の辞任劇によって一時は“終戦”ムードも漂っていた巨人。しかし、6月1日現在、セ・パ交流戦は3勝3敗と持ち直し、橋上秀樹監督代行が指揮を執るチームは息を吹き返した。スタメン発表のたびにため息をついていたファンが絶賛する、新体制がもたらした変化とは……。
重苦しい空気を一変させた“橋上マジック”
G党が沸き立っているのが、これまでの重苦しい空気を一変させた“橋上マジック”だ。これまで繋がりを欠いて得点力不足に陥っていたが、橋上代行が就任して以降は選手たちの経験値や特徴を活かす配置への組み替えが次々と成功している。
「5月26日のソフトバンク戦は吉川尚輝、27日と28日は坂本勇人、29日の日本ハム戦は丸佳浩、30日は松本剛と、日替わりで3番にベテランや実績のある選手を据えると、全員が打点を挙げる活躍を見せました。
とりわけファンから歓迎されているのが、開幕から1、2番に固定されていたキャベッジの起用法です。阿部前監督はキャンプ中こそ足を絡めて1点をもぎとる野球を標ぼうしていましたが、いざ開幕が始めると足を使えないうえに、出塁率も悪く、リーグの三振王となっていたキャベッジを上位に起用。どれだけブレーキだろうと、呪縛がかかったかのような頑固さを見せていました。
先発投手は立ち上がりが不安定になりがちですが、初回にキャベッジが三振することで相手を勢いづかせたことが先制点を許す展開が多かった理由の一つでしょう。スタメン発表時の注目ポイントも『今日の2番』から『今日の3番』に変わってきていますね」(スポーツ紙記者)
選手データの分析を徹底
前体制がこだわり続けた打順の解体は、選手たちの本来の持ち味を引き出す結果を生んでいる。
「以前はウィラー打撃コーチの肝煎りで浦田俊輔は8番に起用されることが多かったのですが、『1番・泉口友汰』『2番・浦田俊輔』『6番・キャベッジ』と、四球も選べて、盗塁もでき、ランナーを溜めてから長打を狙える“適材適所”の打順に組み替えられたことで、ようやく点から線になった。イライラが解消されたファンからも、『ノーストレス打線』だと歓迎されています」(スポーツ紙デスク)
こうした橋上代行監督の柔軟な采配には、ネット上でも「好き嫌いや思いつきで選手起用していた前監督よりは、選手の能力や状態を見る眼力があるのは間違いない」「打順の組み方がすごい好き」「スタメンを見た時に“ああ、行けそう”って思う」「2番キャベッジがいなくなって初回の攻撃がめちゃくちゃ良い」といった声が飛び交っている。
「ヤクルトでの現役時代に故・野村克也氏に師事して学んだID野球をベースに、選手の相性やモチベーション、データの分析を徹底しています。雰囲気が悪い時にベテランを頼ったり、古巣との対決で松本剛が奮起すると見越して抜擢するなど、その眼力と采配の引き出しの多さは実に見事です。若手とベテランの役割が明確になり、ベンチの雰囲気も明るくなりましたね」(別のスポーツ紙記者)
貧打線を投手陣の奮闘でカバーする試合が多かった巨人。攻撃の形が整ってきたことで、ヤクルト、阪神との“三つ巴”に持っていくことができるだろうか。
