タイトルは『ほんのモキチ』。
NHKが2028年前期の連続テレビ小説の制作・出演者を発表。脚本は宮藤官九郎、主演は若手実力派の河合優実。歌人で精神科医の斎藤茂吉とその妻・輝子の物語が描かれるという。
流行語『ふてほど』タッグ
河合の朝ドラ出演は2回目となる。『アンパンマン』の作者・やなせたかしさんとその妻、小松暢(のぶ)さん夫妻をモデルにした『あんぱん』(25年前期)では、主演の今田美桜の妹役・蘭子を好演し話題になった。
また、宮藤官九郎といえば13年前期に、のん(当時は能年玲奈)主演で平均世帯視聴率20.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を叩き出したオリジナルストーリー『あまちゃん』以来2度目の脚本を務める。
「河合とクドカンのコンビと言えば、ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)以来のタッグです。河合は“昭和の不良娘”役を演じ、その姿が山口百恵さんにそっくりだと話題になりました。ドラマタイトルの“ふてほど”は流行語大賞にも選ばれ、24年を代表する作品です。そんな2人の朝ドラタッグには期待の声しかありません」(テレビ誌記者)
“ふてほどコンビ”の際タッグに注目が集まるが、今回の発表にはふたつの疑問の声が上がっているという。
「ネットニュースでは河合さん出演の発表一色ですが、実は27年後期の作品についてまだ発表されていないんです。さらに、なんで2年後の作品をもう発表するの?という素朴な疑問もあるようですね」(同前)
現在、朝ドラは『風、薫る』(見上愛、上坂樹里ダブルヒロイン)が放送中であり、今年の後期は石橋静河主演の『ブラッサム』。27年前期は脚本・バカリズム、森田望智主演の『巡(まわ)るスワン』が発表されており、今回は27年後期を飛ばして28年前期の発表となった。
大河は週45分、朝ドラは週75分
この異例の展開についてNHKは「順番が前後しますが、決まった方から発表させていただきました」とコメント。
では、なぜこんなに先々の作品と出演者を決め、早々に発表していくのか。前出のテレビ誌記者がそのウラ側を解説する。
「朝ドラは1話15分、月曜から金曜まで5回放送なので1週間合計75分です。大河ドラマは1回45分なので約2倍の長さを毎週放送していることになります。この量を毎朝届けるためには、かなり前倒しで動いており、放送が始まる半年前には撮影がスタートしています」
つまり制作チームにとっては「今から」動かないと間に合わないというスケジュール感だという。もうひとつの大きな理由は、なんといっても出演者のスケジュール確保だ。
「朝ドラの主演級になると、準備期間も含めて約1年間拘束されます。人気の俳優や、引く手数多の脚本家は2〜3年先まで予定が埋まっていることも珍しくありません。今回のようにクドカンさんと河合優実の超売れっ子タッグは、事務所ともかなり前から交渉をしてたのではないでしょうか」
NHKの朝ドラは春からの作品(前期)を「東京のNHK放送センター」、秋からの作品(後期)を「大阪のNHK大阪放送局」が半年ごとに交互に制作する“2班体制”だと言われている。『ほんのモキチ』は東京担当になり、飛ばされた27年後期は大阪担当になる。
「今回は東京の企画やキャスティングが単にスムーズに行ったからではないでしょうか。27年の発表も楽しみですね」(前出)
「NHKの朝ドラは本当に特別な作品だと思う」会見でそう述べた河合優実。歌人・斎藤茂吉の妻であり、かつて“痛快ばあさん”として世間を賑わせた“猛女”斎藤輝子。お目見えは2年先となるが、鬼才・宮藤官九郎の筆で描かれる朝ドラ史上〈最も不仲な夫婦〉の物語に期待したい。
