ナフサ高騰により包装色を削減したカルビー(公式サイトより)と不二家

 中東情勢の影響によるナフサ不足。それを象徴するのが、白黒パッケージとなったカルビー商品だろう。

カルビーに続き不二家もコスト負担を減らす狙い

公開された白黒のパッケージ(公式サイトより)

 6月1日の午後、東京都内のスーパーに白黒包装の『かっぱえびせん』が並んだ。赤色から銀色へと変わった袋には「石油原料節約パッケージ」と記され、カッパのキャラクターなども省略された簡素なデザインに。

 不安定な中東情勢を受けて、インクの調達不安からいち早く包装色削減に踏み切ったカルビー。

 一方で佐藤啓官房副長官は会見にて、印刷用インクなどの材料について「必要な量は確保されている」と述べ、市場での物資不足を否定した。

 農林水産省はナフサ不足を訴えるカルビー側へ即座にヒアリングを実施。この動きには、物資不足で世間の不安を煽りたくない政府の警戒心が透けて見える。

「朝日新聞は、官邸幹部が“売名行為だろう”と強い言葉でインク不足を否定したと報じました。パッケージの白黒化で、カルビーは節約だけでなく、物珍しさで客の興味を引くこともできます。実際SNS上では、白黒パッケージを探し求める人や購入報告を上げる人が続出しました。

 これは今後のリスクを減らして売上アップも狙うカルビーのマーケティングの上手さですが、そこを官邸幹部は“売名行為”と受け止めたようです」(政治部記者)

 決定的な物資不足には現状陥っていないものの、カルビー以外にも複数の企業が今後の調達に不安を抱えている。

 不二家は6月2日に、菓子の「カントリーマアム」や「ホームパイ」など、約10商品の包装色を7月上旬頃から順次減らすと発表。インクの価格高騰のため、コスト負担を減らす狙いだ。

「売名行為だ」と批判した官邸幹部に批判

パッケージ変更後の不二家の人気商品『カントリーマアム』(公式ニュースリリースより)

 中華料理店「日高屋」は、テイクアウト商品の容器の在庫が残り3週間ほどになることから、容器の色を白から黒に変えることを検討。回収されたリサイクルプラスチックを使用できる黒容器のほうが調達しやすいためだという。

 カルビーを筆頭とする各企業の動きに、ネット上では

《カルビーを「売名行為だ」と批判した官邸幹部、謝罪した方がいいんじゃない?》

《少なくとも「必要量は足りている」とする政府のプロパガンダと、現場の状況とは乖離しているという事実が視覚化されたね》

《一種の企業努力でしかない。商品名やブランド、企業名を覚えてもらうのは企業として当然のこと》

《「売名行為」発言が事実なら、政府が一企業の営業行為に口を出したってことだよね》

 などの声が。

「この事態に、官邸ではカルビー“売名行為”発言の犯人探しが始まったようです。デイリー新潮の報道によると、内閣官房副長官補が有力視されているとのこと。ただ、多くの官邸幹部らがカルビーへの不満を口にしていたようなので、1人の発言ではないかもしれませんね。またXでは、カルビーのライバル会社『湖池屋』が岸田文雄元首相の親戚であることも話題になっています」(前出・政治部記者)

 企業が官邸幹部が言うところの「売名行為」をしなくて済むよう、政府には物資調達の安定化に注力してもらいたいものだ。