小柳ルミ子さん 写真/白井由香里

歌手として女優として走り続けながら不調知らず、73歳という年齢を一切感じさせない小柳ルミ子さん。そのスーパーボディの秘密は40年にわたって続けてきたストレッチ。隙間時間にできる手軽なメソッドで美しいボディを目指そう!

好きなタイミングで行えるのが長く続けられる秘訣

 自身のSNSに、デビュー55周年ライブの様子を投稿している小柳ルミ子さん。タイトなドレスを身にまとい、華奢なウエストにすらりと伸びた美脚で、パワフルにステージをこなすその近影からは、来月74歳を迎えるとはにわかに信じられない

 そんな彼女の奇跡のプロポーションと健康を支えてきたのが、43年間欠かさず続けてきた「ストレッチ」だ。

「ストレッチ自体は、クラシックバレエを始めた3歳から。それをベースに独自のアレンジを加え、今のスタイルを確立したのが30歳のころです」

 以来、自宅でほぼ毎日、自分の身体と向き合ってきた。

ストレッチはメリットしかありませんが、いちばんはやはり美しいボディラインをつくれることです。私が理想とするのは、バレリーナのような、細いけれどしなやかで強い筋肉を宿した身体。ジムに通ってマシンを使い、大きい筋肉をつけたいわけではないので、自宅をジム代わりに、好きなタイミングで行えるのが長く続けられる秘訣です

 ルミ子さんが、女性たちに知ってほしいと語るのが、間違ったダイエット。

早く結果を出すために、食べないことで体重を落とそうとする方が多いですが、それは絶対にやめてほしい。身体のことを知らずに食事制限だけで痩せようとすると、脂肪ではなく筋肉が落ち、逆に太りやすい体質をつくってしまうんです。私は、ストレッチや筋トレを通じて、食べても太らない、脂肪を燃焼し続ける身体を育ててきました

 長年の積み重ねは、その引き締まったボディが証明しているが、年齢を重ねてきてさらにうれしい効果を実感している。

周りから、『肩がこった』とか『ひざが痛い、腰が痛い』という声をよく聞きますが、私はどこも痛いところがないんです。だから、みなさんにもぜひストレッチの良さを知ってもらえたら

 今回は、ルミ子さんが日々実践しているストレッチの中から、初心者でも取り入れやすい動きを紹介。

難しかったり、面倒だったりすると続かないので、自宅で誰でも簡単にできるものばかりです。私のストレッチは、回数や秒数に決まりはありません。例えば、まずは5回やってみて、まだいけそうなら10回まで増やしてみる。その日の体調に合わせて何回だっていいんです

身体はやればやっただけ応えてくれる

 大切なことは、自分の身体と対話しながら行うこと。

筋肉は脳の指令で動くものですから、『いま、脇腹を縮めているよ』『インナーマッスルを鍛えているよ』と脳で意識をしながら行ってください。やみくもに反動をつけて動かすのはNG。私自身、今でも毎日、自分の身体と対話するように時間をかけてゆっくり行っています

小柳ルミ子著『毎日少しずつ、柔らかい体になる!:健康美を叶える「ルミ子流ストレッチ」』(大和出版) ※画像をクリックすると、Amazonの購入ページにジャンプします。

常に見られる職業とはいえ、43年もの長きにわたって継続できているのはなぜなのか。

「もちろん、やりたくない日もありました。実は、昨年、愛犬を亡くして……。食欲も気力も失い、何も手につかなくなってしまったんです。その影響か、人生で初めてインフルエンザにかかり、仕事も初めて休んで寝込みました。

 ストレッチも2週間ほど休んでいたら今度は人生初のぎっくり腰に! 発症して3日目くらいから、痛みをこらえながら少しずつ再開していったら、病院にも行かず、薬も飲まずに治ってしまったんです。いかにストレッチが自分の身体を支えていたかを痛感しました

 ルミ子さんは、「いくつから始めても遅くはない」と力説する。

身体はやればやっただけ応えてくれます。毎日でなくても、まずは2~3日に一度でもかまいません。私の目標は『昔のドレスを美しく着こなすこと』、そして『いつまでも踊れる身体でいること』。何か一つでも目標を持つと、ハリが出て長続きすると思います

 ベストなタイミングは、入浴中や風呂上がりなど、身体が十分に温まっているとき。逆に、身体が冷えて固まっている朝は、筋肉を痛めるリスクがあるため行わないそう。

やった人とやらなかった人の差は、10年後、20年後に雲泥の差となって表れます。73歳の今も病気知らずで、高いヒールを履いてステージで踊れるのは、日々コツコツと積み重ねてきた結果です。まずは私を信じて、今日から一歩ずつ、始めてみませんか

ルミ子流ストレッチ

 いつまでも自分の足でスムーズに歩き、若々しい美姿勢をキープするために、厳選メソッドで、心身ともに軽やかな毎日を。

両足伸ばし前屈  お尻~太もも、ひざ裏を伸ばして腰痛の予防にも

1 両足を伸ばして姿勢よく座る
床に座って超足をそろえて伸ばし、両手は軽く太ももに置く。腰が丸くならないように背筋を引き上げる。

2 足の付け根から上半身を倒す
反動はつけず、ゆっくり上半身を倒していく。足首は伸びたまま、両ひざも曲がらないように伸びたまま行う。腰が丸くなったり、ひざが曲がったりするのはNG。

ルミ子s アドバイス「ベッタリつけなくていいんです!上半身を倒すときはおへそを太ももに近づける意識で行うと背中が丸まりません」

股関節回し 歩行の要、股関節の可動域アップ!転倒予防にも 

1 壁に左手を添えてまっすぐ立つ
壁が左側にくるように背筋を伸ばして立ち、左手を壁に添える。

2 右足を足の付け根から動かす
右太ももをゆっくりと上げる。このとき、腰を反ったり身体をひねったりしない。

3 上半身がぐらつかないように足を回す
右ひざで大きな円を描くように、ゆっくり足の付け根から時計回りと反時計回りに動かす。反対側も同様に、右手を壁に添えて、左足を回す。

両足曲げ伸ばしリフト 腹筋と背筋を同時に鍛えて、猫背を防ぐ

1 両足をそろえて伸ばして座る
床に座って両足をそろえ、まっすぐに伸ばす。手をお腹の上に乗せて腹筋を意識しながら、両足をゆっくり上に上げる。

2 足をのばしたまま、ひざを曲げ伸ばし
そのままゆっくりとひざを伸ばし、ゆっくりとひざを曲げる。これを繰り返す。

小柳ルミ子さん 写真/白井由香里

ルミ子s アドバイス「体幹のインナーマッスルが強くなります。お尻が痛くなるのでマットやタオルの上で行って」

小柳ルミ子 福岡県出身。1970年に宝塚音楽学校を首席で卒業。近著に40年以上実践してきたストレッチと柔軟法を解説する『毎日少しずつ、柔らかい体になる! 健康美を叶える「ルミ子流ストレッチ」』(大和出版)。

写真/白井由香里 イラスト/伊東ぢゅん子