6月10日、東北楽天ゴールデンイーグルスが三木肇監督(49)の休養を発表した。9日時点での成績は21勝36敗1分けと、借金15でパ・リーグ最下位。さらに交流戦でも最下位に落ち込む楽天だけに、実質的な“クビ”と見られている。
三木監督からチームを引き継ぐのは塩川達也ヘッドコーチ(43)。2005年の球団創設時に入団した“生え抜き”で、7年間の現役生活の後はJrチームや2軍のコーチを務め、ついに監督代行ながらトップチームの指揮を任せられた。
しかしながら低迷するチームを立て直すのは容易ではない。ましてや球団に“頭が上がらない監督”であれば尚更のようだ。パ・リーグ球団を取材するスポーツライターによると、
「楽天球団でしばしば耳にするのが三木谷浩史オーナー(61)による“現場介入”です。一般的に編成や戦略においてGM(ゼネラルマネジャー)が決定権を持つのは珍しいことではありませんが、そこを飛び越えてオーナーがあれこれ指示を出すことは稀です。
例えばソフトバンク(ホークス)の孫正義オーナー(68)は、“金は出す、口は出さない”ことで有名ですが、三木谷さんは“金は出す、口も出す”といい、オーナーの“鶴の一声”には監督やコーチも逆らえない。ましてや塩川ヘッドのように、引退後もコーチ職も与えられた“部下”なら尚更ですね」
三木谷氏は「打順」まで指示か
2022年8月には、かつて新球団設立を争ったライバル、“ホリエモン”こと堀江貴文氏(53)からも“現場介入”を暴露されている。自身がオーナーを務める独立リーグ球団のネット中継に出演した堀江氏は、自身を「現場に口を出さない」オーナーとしつつ、
「三木谷さんは、すっごい口出すらしいよ。長いこと楽天球団の社長やってた立花陽三と仲良くってさ。聞いたら大変だったらしいよ。(三木谷さんは)打順まで言うらしいよ、試合中に電話もかけてくるって」
立花陽三氏が球団社長を務めたのが、2012年から2021年の10年間。嘘か誠か、この間に三木谷氏は先発オーダーにまで口出すこともあったという。
そんなオーナーの“懐刀”として、2018年からGM、監督などの職についているのが石井一久氏だ(52)。2人の関係性が如実に出ていたのが、5月28日のセ・パ交流戦、中日ドラゴンズとの試合前でのこと。
バンテリンドームを訪れた三木谷氏は、ベンチ前に集められた全選手、三木監督やコーチを激励。全員が帽子を脱いで直立不動し、試合前の大事なウォームアップの時間を費やして、オーナーの言葉にじっと耳を傾けるのだった。
この時、慣れないセ球団の本拠地に足を運んだオーナーに、ピッタリ寄り添って“アテンド”していたのが石井GM。背広のポケットに手を突っ込んで歩く三木谷氏の隣で、両手を前で組んでついて回るGMの姿は、さながら出世のために上司の機嫌を取り繕う“イエスマン”。
このオーナー激励も虚しく、28日の中日戦を落とした楽天は、以降の交流戦を2勝7敗と不調から脱することなく、三木監督の休養発表となったわけだ。
口だけ出して、自分は責任取らない
しかし、三木谷氏らによる現場介入が事実ならば、チーム低迷の責任は“背広組”にもあるように思える。それでも責任を取らされるのは、現場の指揮を一任されない“雇われ”監督ばかり。ファンも異質な“体質”に違和感を覚えているのか、
《いつも監督がババを引く。 三木谷と石井が口だけ出して、自分は責任取らないんだから良いポジションだ》
《口出しばかりしておいて、結果が出なけりゃ、 全部現場の責任にする、 これじゃ、監督のなり手いなくなる》
《久信みたいに三木谷か石井が監督代行すればいいのにな》
Xでは「口は出すが責任を取らない」球団フロントへの批判が高まっている。そして埼玉西武ライオンズの元GM・渡辺久信氏(60)を例えにして、三木谷氏らが監督代行を務める人事を勧める声も。
2024年5月、借金15を抱えてパ・リーグ最下位に落ち込んだ西武。すると当時の松井稼頭央監督(50)は5月26日をもって休養に入り、以後はグラウンドに戻ることはなかった。残りのシーズンを監督代行として現場に立ったのが、GM職に就いていた“背広組”渡辺氏だった。
全ての責任を背負った渡辺氏
結局はチームを再興できずにシーズンを最下位で終えた渡辺GM兼監督代行だが、最終戦となった楽天との試合後に仙台市内で会見を開き、
「自分はGMも兼任していますし、今いる選手のほとんどの獲得にも携わってきてる。この責任を自分の中でしっかり受け止めて、けじめをつけるべき時だなと思って。球団には退団を申し入れました」
GMの辞任だけでなく、全ての責任をとって球団をも退団する潔さを見せたのだった。翌年にチームを託された西口文也新監督(53)の元、2025年シーズンこそ5位、そして今年は貯金14とパ・リーグ首位を直走っている西武。
当時の西武と似た状況に置かれている楽天。「口は出すが、責任は取らない」では選手にも示しがつかないように思えるが、そんな疑問も問われない体質なのだろうか。
