《ANAで予約していたのに、空港で「座席の余りがありません」と言われ、搭乗できませんでした》
ANA(全日空)利用客の“搭乗拒否トラブル”がXで話題となっている。事前に航空券を購入していたにも関わらず、空港で搭乗を拒否されたというケースが発生しているという。
ANAで座席トラブルが発生
ANAは2026年5月19日より、国内線の運賃体系や予約制度を一新。新たに導入された運賃ラインアップは「シンプル」「スタンダード」「フレックス」の3種類。
今回、トラブルに遭った人々が予約していたのは「シンプル」プラン。低価格である代わりに、予約変更やアップグレードができない仕様で、24時間前から座席指定が可能になる。
この新システムが利用者と現場に混乱を招いているようで、《座席指定とオンラインチェックインができない》《予約がアプリに反映されない》など不満の声が噴出。ANAは10日、問い合わせの増加により電話が繋がりにくくなっており、メールの返信には最大2か月かかると発表し、対応の遅れにも批判が集まった。
さらに11日には、《この度は国内線サービスのリニューアルに伴い、お客様には多大なるご不便とご心配をおかけしていますことを深くお詫び申し上げます》《一刻も早い状況改善に向けて全力で取り組んでまいります》とコメントを出す事態となった。
Xでは、座席のオーバーブッキングが発生していることに驚く声も上がっていたが、オーバーセールス自体は他の航空会社でも行われていることであり、ANAも公式ホームページで明言している。
《ご予約をお持ちでもさまざまなご都合により空港にいらっしゃれないお客様もおられます。空席となってしまうと想定される座席を、実際にご利用を希望されるお客様に提供しようと、一部の便で座席定数よりも多くのご予約を承っています》
また、ANAにはオーバーセールスによって座席が不足した場合に対応する「フレックストラベラー制度」がある。
《ご予約をお持ちのお客様の数が座席数を上回り、座席が不足した場合、当該便を予約済みのお客様の中から、ANAが提示する協力金額および代替交通手段に同意され、自主的に便の変更等についてご了承いただける方を募り、ご協力いただいたお客様に対して、協力金のお支払いおよび代替交通手段の提供を行う制度です》
ANAが明かした“搭乗優先順位”
このような制度があるにも関わらず、なぜ搭乗を拒否される事態が発生したのか。ANAに問い合わせたところ、以下の回答があった。
「前提として、まずはフレックストラベラー制度を活用し、便の変更にご協力いただけるお客様を募らせていただいております。その際、お客様には協力金をお支払いさせていただいております。
こうした対応を行った上でも、万が一、便の変更をお願いする必要がある場合には、会社の定める搭乗優先順位に基づき、お客様へのご協力をお願いすることがございます。ご承諾いただいたお客様には協力金をお支払いしております。なお、金額については原則、以下の通りです。(フレックストラベラー制度と同等)
・振替便および代替交通手段の出発が当日中の場合、10,000円もしくは10,000マイルもしくは10,000 SKYコイン
・振替便および代替交通手段の出発が翌日以降になる場合、20,000円もしくは20,000マイルもしくは20,000 SKYコイン」
実は、5月19日の国内線サービスのリニューアルに伴い、「旅客手荷物運送約款」も改訂されていた。改訂後の約款には「(D)(オーバーセールス等による搭乗制限)」の項目が追加されるとともに、座席が不足した際の対応について《搭乗を取りやめる者が十分でない場合は、会社の定める搭乗優先順位に基づき、会社は旅客の搭乗をお断りする場合があります》と記載されている。
では、“会社の定める搭乗優先順位”とは、どのような基準で決定されているのか。
「予約を取得した日時、予約した座席クラス、マイレージステータス、航空券の種類等といった様々な情報と、各便の状況を踏まえて、決定させていただいております」
新たに“搭乗お断り”の可能性が明文化された「旅客手荷物運送約款」。改訂は十分に周知されていたのだろうか。
「約款改訂については、公式HPでの掲載、ならびに運賃リニューアルに関するプレスリリース内でお知らせをさせていただいております」
利用者の間で大きな混乱が生じている以上、事前周知が十分であったのかには疑問が残る。
今回の炎上を機に《もうANAには乗らない》という声も上がっている。ANAは《「安心と信頼」はANAグループとお客様との約束》と経営理念を掲げているが、失った「安心と信頼」を回復できるのだろうか。
