梅雨の不調は入浴剤でオフ!(※画像はイメージです)

「梅雨の時季は、疲れやすい、身体が重い、やる気が出ない、といった不調に悩まされる人が多いですよね。そんな“梅雨だる”の解消に有効なのが、入浴剤を活用したバスタイムです」と話すのは、入浴研究の第一人者である医学博士の早坂信哉先生。

 そもそも、なぜ梅雨は不調が起きやすいのか。

“梅雨だる”の原因は自律神経の疲労

「春から夏に移り変わる梅雨の時季は、気圧や気温、湿度が大きく変化します。人間の身体はこうした環境の変化にさらされると、体温や血圧を一定に保とうとして自律神経が過剰に働いてしまいます。すると自律神経の司令塔である脳の視床下部に負担がかかり、疲労感やだるさ、やる気の低下などを引き起こすのです」(早坂先生、以下同)

 低気圧になると、自律神経のリズム自体も崩れやすくなる。

「本来、自律神経は、日中は活動のために交感神経が優位になり、日暮れとともに休息に備えて副交感神経が優位になる、という一定のリズムで働いています。ところが低気圧になると副交感神経が優位になりすぎて血圧が下がり、だるさや疲労感を招きます。さらに幸せホルモン、セロトニンの分泌も抑えられるため、メンタルの不調も生じやすくなるのです」

入浴効果を高めてくれる入浴剤

 対策に有効なのが、入浴剤を活用したバスタイム。

「入浴にはさまざまな健康効果がありますが、その中でも血流促進効果は疲労の解消に最適。全身の細胞に酸素や栄養が届けられ、老廃物や疲労物質が排出されやすくなります。これによりだるさや疲労感の軽減が期待できます。また、ストレスホルモンのコルチゾールを減らし、セロトニンの分泌を促し、リラックス効果も期待できます」

梅雨ダルの原因は自律神経の疲労※写真はイメージです

 こうした入浴の健康効果をさらに高めてくれるのが、早坂先生おすすめの入浴剤だ。

「まずは炭酸系入浴剤。血管を拡張して血流改善効果を高めるので、疲労解消に最適です。ラベンダーやウッド系など好きな香りのアロマ入浴剤や、梅雨のジメジメを吹き飛ばして爽快気分を味わえる、メントール成分配合のクール系入浴剤もリラックス効果を高めます」

 さらに皮膚の汚れを落とす重曹系入浴剤も、スッキリとした湯上がり感が楽しめて梅雨時季にも取り入れやすい。

「女性の場合は、ホルモンの乱れによって梅雨の不調が起きているケースもあるので、ホルモン分泌を整えてくれる漢方系入浴剤も試してみてください」

 入浴は、夜であれば副交感神経を優位にする40度のお湯で10分、就寝90分前までに済ませるのが理想的。

「暑い日はぬるめの38度でもOK。炭酸入浴剤を使えば、ぬる湯でも血流改善効果を補えます。湯船につかる時間がないときは、手浴や足浴でも効果は期待できます」

 ただし、朝に入浴する場合は交感神経を優位にしたいので、お湯の温度は少し熱めの42度が目安。

「シャワーの場合は、血流改善こそ期待できませんが、交感神経を優位にする意味では有効です。42度以上で2~3分以上、浴びましょう」

 また、温冷交代浴も交感神経への切り替えに効率的。40度のお湯に3分つかったあと、20~25度の水道水を手足にかける、というサイクルを3回繰り返す。

「夜は、ぬるめの湯船で血流改善、朝は熱めの湯で交感神経のスイッチをオンにするのが、梅雨だる解消のコツです。入浴時はたくさん汗をかくので、入浴の前後にコップ1~2杯の水分補給を忘れずに。食前食後すぐの入浴は消化に負担をかけるため、30分ほど空けるのがおすすめです」

 その日の体調や気分に合わせて、好みの入浴剤を活用してみてほしい。

梅雨におすすめ!入浴剤の使い分け

 早坂先生が解説する入浴剤の使い分け

疲れやすい人には…炭酸系

血管拡張作用のある炭酸ガス入りの入浴剤は、血流改善効果を高めて全身の疲労回復が期待できる。10分以上の入浴が効果的。夏はクール系の炭酸入浴剤も人気

蒸し暑さで元気が出ないなら…クール系

梅雨のジメジメした気分を解消してくれるのがメントール成分やミント、ハーブの香りが配合されたクール系入浴剤。ブルー系なら視覚効果でも涼しい気分を味わえる

湯上がりさっぱり!重曹系

皮膚表面の汚れを落とす重曹系は、さっぱりした湯上がり感を楽しめる。成分表で「炭酸水素ナトリウム」入りのものを選ぼう。食用重曹30gと好きなアロマオイルを垂らしてもOK

女性ホルモンの乱れには漢方系

女性ホルモンの乱れで不調が悪化しているケースも多い。漢方系入浴剤の多くは、女性ホルモンを整える漢方が複数配合されているので、梅雨だるの解消にも◎

気分が低下ぎみなら…アロマ系

好きな香りのアロマ系入浴剤なら、香りそのものの効果とあわせて、“幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンが分泌されやすくなり、気分の改善に効果が期待できる。エプソムソルトに香りがついていることも

時間がない時は…手浴・足浴

夜、入浴する時間がないときはシャワーの前後などに、42度のお湯を張った洗面器に手か足先を10分間つけるだけで疲労回復効果やリラックス効果が得られる。手や足は毛細血管が豊富で部分的に温めるだけで体温が上がりやすく、血流の改善につながる

教えてくれたのは早坂信哉先生

東京都市大学人間科学部長・教授の早坂信哉さん
早坂信哉さん 医学博士。東京都市大学教授。温泉療法専門医として25年以上、入浴や温泉について医学的に研究してきた第一人者。『入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』(アスコム)など著書多数。

<取材・文/井上真規子>