なんとなくだるい、食欲がない、紫外線も気になる─。そんな夏の健康対策におすすめなのが「抹茶」。アイスにしても、炭酸で割ってもおいしく、カテキンやテアニンなどの栄養もたっぷりだ。今こそ始めたい“夏抹茶”の習慣。効果を引き出す飲み方や選び方を知っておこう。
おすすめの時間帯は2回
抹茶の代表的な健康成分は“カテキン”だ。生活習慣病などのリスクになる活性酸素を除去する抗酸化作用があるほか、虫歯や歯周病、口臭を予防するなど口の中の健康効果にも注目が集まっている。
「見逃せないのが肥満予防の効果です。体内の脂肪吸収を抑える作用があるので、ダイエット効果も期待大。そして、アルツハイマー型認知症の原因物質とされる“アミロイドベータ”が脳に蓄積されるのを抑制することから、認知機能の低下を予防するという最新研究もあります」
そう話すのは日本茶シニア・インストラクターの松島章恵さん。抹茶にはカテキン以外にも多彩な健康成分が含まれているという。
「抹茶は太陽の光を遮って栽培しているので、うまみ成分の“テアニン”がたっぷり含まれており、ストレスを軽減し、リラックス効果が期待できます。また摘み取った生葉を蒸して揉まずに乾燥させ微粉末にしているため、茶葉の栄養成分を丸ごと摂取できます。
不溶性の食物繊維も豊富で腸内環境を改善します。さらにビタミンCやビタミンE、ビタミンAのもとになるβカロテンなどが含まれているので、免疫の維持や肌の健康にも関与しています」(松島さん、以下同)
最新の研究では、注意力や判断力への好影響、アレルギー性鼻炎を抑える可能性なども報告されている。
いいことずくめの抹茶だが、その有効成分を十分にとるには、どんなふうに飲むのがよいのだろうか。
「一日のうち、おすすめの時間帯は2回。1つは朝食か昼食のあと。食後に飲むことで、虫歯や歯周病を予防し、血糖値上昇を緩やかにします。もう1つは午後のティータイム。疲れが出てくる時間帯に飲むと、テアニン効果で、よりリラックスできます」
反対に気をつけたほうがよいタイミングは?
「カフェインが含まれているので、空腹時と夜は避けましょう。空腹時に飲むと、吸収速度が速く刺激が過剰になります。またカフェインは摂取後30分~1時間ほどで覚醒効果が表れ、代謝には4~5時間以上かかります。夕方以降は控えたほうが、睡眠への影響を避けやすいでしょう」
一日1~2杯程度が適量
気になるのは、一日に飲んでもOKの量だ。
「一日のカフェイン摂取量の上限は、成人1人あたり200~300mgといわれています。抹茶は1杯で約60mg含まれているので、他にコーヒーなども飲むなら、トータルのカフェイン量を考えると、一日1~2杯程度が適量でしょう」
抹茶はどこで買えばよいのだろうか。選び方のポイントは?
「抹茶の大敵は紫外線などの光、酸素、湿気、高温です。ですから、まず品質管理をきちんとしている店を選ぶこと。サンプルを確認できるなら、緑が鮮やかで香りのいいものを選ぶとよいでしょう。ラテやスムージー用なら、スーパーのアルミパックのものでもOKです。
ただし原材料に着色料などが含まれているものは、抹茶本来の香味を感じにくいかもしれません。原材料100%のものがおすすめです」
買ってきたら、開封してもしなくても冷蔵庫で保管が原則。
「使うときは常温に戻してから、開封しましょう。冷たいまま開封すると、その温度差で湿気を呼んで、劣化しやすくなります」
栄養豊富な抹茶は、夏こそ積極的に飲んでほしいと松島さんはすすめる。
「抹茶の栄養素は、夏バテやだるさ対策、日焼け予防、食中毒対策もサポートしてくれます。暑いときは、シェーカーや水筒で作った抹茶に、氷を2~3個入れると、アイス抹茶としておいしく飲めます。また濃いめに点てた抹茶を炭酸水、レモン、はちみつで割ると、さっぱりしておすすめ。食欲がないときは、バナナやラズベリーと合わせてスムージーにすると栄養ドリンクになります」
家族や友人をお茶に誘ったり、自分のために手間暇かけて楽しむのもいい。この夏は自分のスタイルで抹茶習慣を取り入れたい!
茶碗や茶筅がなくてもOK!
抹茶茶碗や茶筅がない場合はマグカップとスプーンでも代用可。最初に少量の水でよく練るとダマになりにくい。また抹茶シェーカーや小さめの水筒に、水150~200ml、抹茶の順に入れて30~50回振っても、おいしく飲める。
夏抹茶の4つのメリット
1.夏バテ予防
ビタミン類が豊富に含まれているので、食欲がないときも手軽な栄養補給としておすすめ。塩とレモン水を加えるとスポーツドリンク代わりに。
2.紫外線から肌を守る
抗酸化力の高いカテキンとビタミンACEが、夏の強い紫外線から肌を守る。紫外線を浴びすぎると発生する活性酸素を除去する働きがある。
3.だるさ対策
抹茶のカフェインが夏のだるさを抑えて、集中しやすくするほか、テアニンのリラックス効果があるため、その作用はカフェインのみを摂取したときに比べて穏やか。
4.食中毒効果
夏場の弁当や屋外でのバーベキューなどの場面で、抹茶を一緒に摂取すると、カテキンの殺菌能力で食中毒にかかるリスクを低くできる。
取材・文/池田純子
松島章恵さん 日本茶シニア・インストラクター、 管理栄養士、 日本茶アドバイザー専任講師(茶の健康科学分野)。国内外での日本茶セミナーやお茶の健康・食育に関する講座講師を多数務め、日本茶を楽しむライフスタイルの魅力を発信している
