写真左から小林薫、木村拓哉、江口洋介

現在放送中の『今夜、秘密のキッチンで』(フジテレビ系)では高杉真宙が記憶をなくした幽霊シェフを演じ、『ムショラン三ツ星』(NHK)は小池栄子が元一流シェフで刑務所の管理栄養士役で出演中。名作も多い料理ドラマで、このシェフが魅力的だったと視聴者の印象に残ったのは?

当時のフジの勢いを感じる作品は

 今も昔も料理ドラマは人気が高く、さまざまな俳優がシェフを演じ注目を集めてきた。今クールも『今夜、秘密のキッチンで』(フジテレビ系)で高杉真宙が謎のシェフを、『ムショラン三ツ星』(NHK)では小池栄子が元一流シェフで刑務所の管理栄養士を演じ話題に。

 そこで30代~60代男女500人にアンケート。料理ドラマに登場する魅力的なシェフといえば?

 5位は鍋島勇二郎/江口洋介(『ランチの女王』・フジテレビ系)。

「頼れる兄貴的な存在」(東京都・55歳・男性)
「プロ意識がありカッコいい」(岡山県・51歳・女性)
「ファンになった」(福岡県・63歳・女性)

 との声が集まり、ランクイン。

江口さんのあんちゃんぶりが発揮されたのがこの役。江口さんが作るオムライスがめちゃめちゃおいしそう! つぶれかけた店が盛り返す話で、復活劇も見どころでした

 と言うのは、漫画家でテレビウォッチャーのカトリーヌあやこさん。2002年にフジの月9枠で放送。洋食店「キッチンマカロニ」が舞台で、江口は店の次男で頑固なシェフを演じている。

江口さんは『ひとつ屋根の下』など当時、月9の顔でもありました。鍋島家の4兄弟がまたすごい顔ぶれで、長男が堤真一さん、三男が妻夫木聡さん、四男が山下智久さん、さらに見習いが山田孝之さんと、今となっては全員主役級の俳優ばかり。当時のフジの勢いを感じます」(カトリーヌさん、以下同)

4位は秋山篤蔵/佐藤健(『天皇の料理番』・TBS系)。

「まったく料理ができない状態からあの手さばきは素晴らしい。方言やフランス語もあり大変だったと思う」(埼玉県・50歳・女性)
「手さばきが見事だった」(鹿児島県・63歳・男性)
「ドラマ自体も良く、主人公がとても魅力的でした」(埼玉県・56歳・女性)

 と、称賛の声が多数集まった。

佐藤さんは相当料理を特訓したようです。うまくなりすぎて、修業時代のシーンでは撮り直しになったくらい。兄役の鈴木亮平さんが役作りで激やせしたのも評判になりました

 宮内省大膳職の初代主厨長を務めた秋山徳蔵氏をモデルにしたフィクションで、2015年に日曜劇場で放送。佐藤は一から料理を学び、調理シーンを代役なしで演じている。

「『天皇の料理番』はこれまで3回ドラマ化されていて、初代は堺正章さん、次が高嶋政伸さん、3代目が佐藤さん。あれから10年たったので、そろそろもう一度制作してほしい。篤蔵役におすすめなのが高橋文哉さん。彼は調理師免許を持っているので、腕前を生かせるのでは」

3位は「渋く寡黙な店主がピッタリ」

 3位はマスター/小林薫(『深夜食堂』・MBS、TBS系)。

「小林薫のしみじみ感がすごくよかった」(茨城県・54歳・男性)
「料理が贅沢ではないけど手作りで愛情が込もっていて食べたくなる」(千葉県・66歳・男性)
「渋く寡黙な店主が小林薫にピッタリ」(北海道・46歳・男性)

 と、トップ3に。

メニューは豚汁定食しかないけれど、リクエストすると作ってくれる。甘い卵焼きやたこさんウインナー、猫まんまなど、何を注文するかでその人の人生が浮かび上がる。小林さんは特別な話をするわけでもなく、ただちょっと料理で背中を押してくれる。その距離感がまた絶妙

 シリーズ累計900万部突破の同名漫画を原作に、'09年に放送スタート。今年秋、前作から7年ぶりとなる続編が放送される。

「実際に小林さんが料理をしていて、すごくおいしそうなんですよね。猫まんまにしても、きちんとかつお節を引いて、炊きたてのご飯にふわっとのせて、しょうゆをちょろりとかける。まさに深夜の飯テロ。店の常連になりたいと思ってしまう(笑)」

 1位は同票数で、2人のシェフが並んだ。

 まずは磯野しずか/山口智子(『王様のレストラン』・フジテレビ系)。

「山口智子の魅力が広がった出世作」(東京都・51歳・男性)
「男性に囲まれながら女性シェフが活躍する場面が良かった」(広島県・66歳・男性)
「当時女性シェフを描くドラマは珍しく興味を引かれた。少し気難しく、それでいてさっぱりしたキャラクターが魅力的」(宮城県・56歳・女性)

 と、トップに輝いた。

金髪姿の山口智子(2023年8月)

「山口さんは天才肌のシェフで、松本幸四郎(現・二代目松本白鸚)さん演じるギャルソンが彼女の才能を見いだしてお店を立て直す。個性あふれるキャラクターが繰り広げる群像劇で、三谷さんのすべてが詰まっていた。作中に登場するサーモンの臓物パイがどんな味なのかすごく気になりました」

 三谷幸喜脚本で1995年に放送。つぶれかけたレストラン「ベル・エキップ」が復活していく様子をコミカルに描いた。

「松本さんと山口さんがお互い気になっているようでいて、でもラブまではいかない。恋愛よりも、純粋に料理の生まれる過程やその魅力、復活劇の気持ち良さがある。だからどの世代にも見やすくなっていましたね」

同率1位は映画版もヒットしたあの人!

 もう1人は尾花夏樹/木村拓哉(『グランメゾン東京』・TBS系)。

「木村拓哉のファンではないが、とても魅力的で、カッコいいなあと改めて感じた」(京都府・56歳・女性)
「料理を探求するプロが表現されていて、真実味が感じられた」(京都府・46歳・女性)
「料理の手際と作る段取りが演技でないような優雅さがある」(大阪府・62歳・女性)

 とトップに。

木村さんといえば『ビストロスマップ』で料理上手という印象があった。彼のシェフ姿はファンもうれしかったのでは。料理をする姿って、女子のハートを惹きつけるポイントが高い。イケメンぶりがより際立ちますよね

 2019年に日曜劇場で放送。木村は挫折の過去を持つシェフを好演し、5年後に映画版も公開された。

「木村さんがオーナー役の鈴木京香さんに『俺が必ずあんたに星を取らせてやる』と言って店を成長させていく。復活劇で盛り上がり、カタルシスも感じさせるドラマで、すごく人気を集めました」

料理ドラマ「魅力的だったシェフ役」ランキング

 振り返ると、料理ドラマには名作が多く、魅力的なシェフが登場してきた。

料理ドラマには修業がつきもので、その過程で友情、努力、勝利が描かれ、ドラマとして盛り上がる。何より、料理は人生の記憶を呼び起こします。例えばお母さんのカレーなど、視聴者も自分のことのように感じられ、入り込みやすい。加えてシェフは男性が多いので、イケメンをたくさん使いやすい。そこに面白くなる要素があります

 魅力満載の料理ドラマ。あなたの推しシェフは何位にランクインしましたか?

カトリーヌあやこ 漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など