ひざ痛(イメージです)

実に60歳以上の4人に1人が悩んでいる「ひざ痛」。痛いからといって動かさないでいると、ひざ関節が固まってさらに悪化、痛みも長引くという。そうならないためにもセルフケアはとても大事。毎日、無理なく続けられる簡単メソッドを、YouTubeで人気の柔道整復師・高橋陽平さんが紹介。

ひざ痛があると筋力やバランス能力が低下し、転倒などのリスクが高まります。また、痛みでひざをかばうため、ほかの関節に過剰に負担がかかり、腰痛や股関節痛、足裏痛など、ひざ以外の痛みが生じることもあります

「ひざ痛」大きな原因は

 そう話すのはYouTubeでひざ痛のセルフケアを発信している、柔道整復師の高橋陽平さん。

ひざ痛があると、歩く、階段の上り下りをする、しゃがむ、といった日常生活の動作がしづらくなります。その結果、身体の活動量が落ちてしまい、筋力やバランス能力がさらに低下するという悪循環に陥ってしまうんです」(高橋さん、以下同)

 ひざ痛が一度生じてしまうと、治るまでに時間がかかることが多い。

「ひざは、しっかり伸びたり曲がったりする必要がある関節です。でも、痛みがあるからと、ひざをあまり動かさなくなると、しだいにひざの関節が固まって動きが悪くなります。その結果、少し歩いたりするだけでもひざに負担がかかるようになって、痛みが治まりにくくなってしまうんです」

 なぜ、ひざ痛になってしまうのか。その大きな原因のひとつに、太ももの筋力不足があるという。

「太ももの内側に『内側広筋』という筋肉があります。内側広筋はひざをしっかり伸ばすときに働く筋肉で、特に歩行や立ち上がりの際にひざを安定させる役割があります。

 最近の研究などでは、この内側広筋の筋力低下がひざに余計な負荷をかけ、痛みを生じさせると指摘されています。実際、私が施術してきたひざ痛の患者さんもほぼ全員、内側広筋がやせています」

 つまり、痛みを和らげるには、内側広筋を鍛えることがポイントになる。

ひざ痛を改善するには、ひざがしっかりと伸びたり曲がったりするように、まず可動域を広げることが大切です。ひざの動きを制限しているひざのお皿をゆるめ、さらに太ももの内側をストレッチして、ひざの可動域を改善してから内側広筋の筋力をつけていきましょう

 今回紹介しているひざのセルフケアを実践する際には、次のことに気をつけるといいそうだ。

どの動きも、“イタ気持ちいい”程度を目安に行ってください。マッサージは痛みのあるひざだけでかまいませんが、内転筋のストレッチは左右共に行うと骨盤が整いやすくなります。女性は、長年の疲れがひざに表れやすい傾向があります。セルフケアでひざ痛を予防・改善して、健やかな毎日を過ごしていただきたいですね

痛みをとって可動域を広げるひざ痛セルフケア

 ひざが痛いからといって動かさずにいると、さらに痛みが増してしまう。適度にひざを伸ばして可動域を広げ、ひざまわりの筋力をつけることがひざ痛克服への近道。1~4のケアを順に行って、その効果を実感してください!

1.ひざのお皿をマッサージ

 イスに浅く座り、痛いほうのひざのお皿の真ん中に握りこぶしを置く。そこから、こぶし1つ分外側にずらして手を開く。手のひらで軽くひざのお皿を圧迫しながら、一周30秒で円を描くようにマッサージする。30秒を1セットとして2セット行う。

ポイント ゆっくり30秒かけて、ひざのお皿をマッサージしながら一周させる。

2.ひざの脂肪をマッサージ

 イスに座ったまま、痛いほうのひざを伸ばして力を抜く。ひざのお皿の下にある、プニプニとした脂肪をつまんで揺らす。30秒を1セットとして2セット行う。

ポイント 痛みがある場合は無理をせず、イタ気持ちいい程度に行う。

3.内転筋ストレッチ

 イスに座ったまま、膝を伸ばしてかかとを床につけ、つま先を上に向ける。伸ばしたひざと反対側に身体をひねり、上半身を太ももに近づけるように倒す。30秒を1セットとして2セット行う。逆側も同様に、2セット行う。

ポイント 太ももの裏側の筋肉(内転筋)が伸びていればOK

4.ひざまわりの筋力アップ

 床に座って、痛いほうのひざを伸ばして、ひざ裏に畳んだバスタオルを敷く。足の先にもタオルを置く。ひざ裏でバスタオルをつぶして、3秒キープ。左右それぞれ10回を1セットとして、2セット行う。痛みがある場合は無理をせず、できる範囲で行うこと。

ポイント かかとを足先のタオルに近づけるように、脚全体を伸ばす

高橋陽平さん

痛くない!悪化させない!階段の上り下り

 ひざが痛いとき、日常生活の中で一番つらいのが階段の上り下り。特に階段を下りるときは、体重の7~8倍の負荷がひざにかかるともいわれている。ひざへの負担を軽減させるコツを知っておけば、階段も怖くない!

上がるときのコツ

 お尻から背中にかけての姿勢をまっすぐな状態にして、痛くないほうの足から踏み出す。足全体を床につけてからひざを伸ばし、ひざ痛のある側の足を階段に運ぶ。これを繰り返す。

下りるときのコツ

 お尻から背中にかけての姿勢をまっすぐな状態にして、上半身を軽く前に傾け、手すりがある場合はつかまる。つま先を前に向けたまま痛いほうの足から下ろして、反対側の足も踏み出す。一度足をそろえて、また痛いほうの足から下ろす。これを繰り返す。

高橋陽平さん 柔道整復師。リハフィットスタジオ代表。2012年柔道整復師免許取得後、都内の整形外科勤務や柔道整復師養成学校での教員を経て、整骨院の開院・経営を経験。2024年にリハフィットスタジオを開設し、現在はYouTubeなどを通じてセルフケアの普及に努める。YouTubeチャンネル【膝痛を自分で治す】https://www.youtube.com/channel/UCX25mJxuVElcP-84aOKQmLQ