ワールドカップに挑む日本代表の選手たち(サッカー日本代表公式Xより)

ついに開幕、サッカーW杯の裏側を教えて!

「公式球はセンサー搭載、賞金も過去最高。視聴者数も史上最大級となる予想」(サッカーライター 安 洋一郎さん)

 2026年6月11日に開幕した北中米ワールドカップ。アメリカ、カナダ、メキシコの3か国による共同開催で、出場国や地域も48チームに拡大されるなど、これまでにない大会として注目を集めている。

 世界中が熱狂するワールドカップ。試合には注目していても、大会の裏側までは知らないという人も多いのではないだろうか。そこでサッカーライターの安洋一郎さんに、ワールドカップにまつわる素朴な疑問を聞いた。

なぜ4年に1回なの?

 ワールドカップは1930年に始まり、第2次世界大戦による中断を除き、4年ごとに開催されてきた。

「なぜ毎年ではないのか」と思うかもしれないが、その理由のひとつが予選だ。

「世界では200以上の国と地域が出場権を争っており、予選だけでも長い時間がかかります。また、オリンピックとの兼ね合いもあり、4年周期が現実的。

 さらに代表選手たちは普段、それぞれのクラブチームでプレーしているため、代表戦の日程を確保するにも調整が必要。世界規模の大会だからこそ、4年という準備期間が欠かせないということです」

※写真はイメージです

優勝してもトロフィーは返却

 優勝チームが掲げる黄金のトロフィーにも意外な事実がある。

「表彰式で選手たちが手にするのは本物ですが、その後はFIFAが回収し、優勝国には金メッキ仕様のレプリカが贈られるので、永久に保有できるわけではありません」

 これは過去の盗難事件が背景にある。

「旧トロフィーである“ジュール・リメ杯”は1983年に盗まれ、現在も行方不明のまま。その経験から、FIFAは厳重な管理体制を敷いています」

 ちなみに試合後に見られるユニフォーム交換も公式ルールではない。

「お互いの健闘をたたえ合う文化として定着したもので、スター選手同士が事前に交換を約束しているケースもあります。複数枚交換することも可能ですが、追加支給のルールなどはチームによって異なります」

2026年大会はココが変わる!

 今大会からは大会方式そのものも大きく変わる。

「これまで32チームだった出場枠は48チームへ拡大。12グループ制となり、各組上位2チームに加え、成績上位8チームも決勝トーナメントへ進出できます。これまで本大会出場が難しかった国や地域にもチャンスが広がる一方で、番狂わせが増える可能性もあります。サッカーファンにとっては新たな見どころになりそうです」

 また、大会を開催する国は立候補によって決まる。

「候補国はスタジアムや交通網、宿泊施設などの整備計画をFIFAに提出し、視察や審査を経て開催地が選ばれます。近年は複数国による共同開催も増えており、2026年大会もその流れのひとつですね」

ボールも賞金もスケールアップ

 選手たちが蹴る公式球も年々進化している。

「近年の公式球には内部センサーが搭載され、ボールの位置情報や接触データを取得できるものも登場しています。デザインにも開催国の文化や象徴が取り入れられるのが恒例で、今大会の公式球にも北中米3か国をイメージした要素が反映されています」

 そして気になるのが賞金額だ。

「今大会の賞金総額は約8億7100万ドルになる見込み。優勝国には5000万ドル、準優勝には3300万ドルが支払われる予定です。ただし、この賞金がそのまま選手個人に渡るわけではなく、各国サッカー協会に支給された後、選手へのボーナスや育成費、運営費などに充てられるのが一般的です」

 観戦するときはプレーだけでなく、そんな舞台裏にも注目してみると、さらに楽しめるだろう。

※写真はイメージです
世界中で人気! ワールドカップの視聴者数は?

FIFAによると、前回大会のカタールワールドカップではテレビ、配信、SNSなどを含めた総エンゲージメントが50億人に達した。また、決勝のアルゼンチン対フランス戦は、世界で約14億~15億人が視聴したとされ、スポーツイベントとして史上最大級の視聴者数を記録した。