6月17日に東京・永田町の衆議院議員会館にて、昨年12月に野球の普及と振興を目的に設立された超党派「野球の未来を考える議員連盟」の第2回総会がおこなわれた。そこで飛び出した日本プロ野球の球団数拡大(エクスパンション)への言及が波紋を広げている。
王貞治会長と栗山英樹オフィサーが球団数拡大へ言及
発言の主は、ソフトバンクの王貞治球団会長と、日本ハムの栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサーだ。かねてよりプロ野球1軍の16球団化を提唱してきた王は、「それぞれの土地の人は自分たちのチームがほしい。16か20か24とか。一気には難しいのは分かっているが、夢を見ましょうよ。検討だけでもしたらどうかな、と思う」と語った。
また、栗山も「一番盛り上がるのは絶対にエクスパンション。地域全体が大きくなるし、その地域の子供が夢を見られる。それは諦めたくない。ずっと議論は続けていく」と同調した。
「球団拡大構想は過去にも議論されてきました。2014年には自民党の提言『日本再生ビジョン』に16球団構想が盛り込まれ、当時政調会長だった高市早苗首相が旗振り役を務めました。しかし、競技レベルの低下や地域人口の確保が壁となり実現に至っていません」(スポーツライター)
王は「まずは実際に運営するプロ野球12球団が前向きに考えないとなかなか進まない」と、既存球団の意識改革を促した。一方で栗山は「未来のために今、変わらないと。野球界全体として勝負をしないといけない時期。最後のチャンスだと思っている」と危機感をあらわにした。
野球ファンからは前向きな意見も
この球団拡大構想について、ネット上では
《セリーグなら最悪ある程度巨人阪神戦の放映権とかビジター客でカバーできるしセリーグ8球団の14球団制がまずは始めやすいのかな》
《1軍で出られる人が増えたほうがいいでしょ。その結果成長できるかもしれないし、上下リーグにすることでチームとして降格したくない気持ちも芽生えるし》
《王さんが最初に言っていた16はいろいろな事情、クリアしなければならない問題はあるが、実現可能な数字であると思う》
《まずはセパ共に1球団ずつ増やしてほしいな》
と前向きな意見が多数寄せられている。
その一方で、現行の12球団でも戦力差が開いている現状を指摘し、《リーグのレベルの低下、上位と下位の格差で日本の野球が盛り上がるかは疑問》といった声や、《今の日本に球団抱えられるだけの経済力のある企業どれほどあるの?》など、経営面を危惧する後ろ向きな意見も上がっている。
「少子化や他競技の人気拡大もあり、野球界の未来に対する危機感は強まっています。しかし、新球団の参入に伴う莫大な資金や人材と場所の確保など、現実的な課題は山積みです。現場がいくら熱望しても、課題を解決できなければ単なる夢物語で終わってしまいます」(前出・スポーツライター)
王と栗山という球界のレジェンドが鳴らした警鐘をきっかけに、メリットとデメリットを天秤にかけた現実的な議論が進むことを期待したい。
