オランダ訪問で歓迎式典に臨まれた天皇陛下、皇后両陛下(写真/共同通信社)

 天皇、皇后両陛下は、6月13日からオランダを訪問されている。

「現地時間14日には両陛下と、オランダのアレキサンダー国王夫妻の4人でサッカーW杯の日本対オランダをテレビ観戦されました。オランダ王室が公開した写真には、首から代表グッズのタオルをかけて観戦される両陛下と国王ご夫妻の微笑ましいお姿が写っていました」(皇室ジャーナリスト)

両陛下とオランダ王室には“特別な絆”がある

 2日後の16日にはアムステルダム王宮に移動され、翌日から本格的な公務に臨まれた雅子さま。

「午前中には『ダム広場』での歓迎式典に臨まれ、その後、戦没者記念碑に花を手向けられました。第2次大戦中、日本はオランダ領インドネシアで多くのオランダ人を抑留・殺害した歴史があります。こうした過去を受け止め、両陛下は1分半以上にわたって黙祷をささげられました」(皇室担当記者、以下同)

 両陛下とオランダ王室の間には、非常に親密で“特別な絆”がある。

雅子さまは'04年に適応障害を公表されて以降、皇后となるまでの間に海外訪問はわずか3回でした。そのうち'06年のオランダでのご静養は、雅子さまの体調を思いやった当時のベアトリクス女王(現王女)の招待によるもの。'13年のアレキサンダー国王の即位式へのご参列、'14年の国王夫妻来日時の、宮中晩さん会など節目にはいつもオランダ王室との交流がありました

2か国を一度に訪問されるのは24年ぶり

 オランダとの温かい交流に支えられた雅子さまだが、今回の訪問でも、終始お元気そうな様子を見せられている。

アムステルダムに到着された際、雅子さまは生き生きとした満面の笑みを浮かべて車窓から手を振られていました。降車後に運転手を労い握手をされるという普段は見られない一幕も。歓迎式典では、日本人学校の子どもたちに気さくに話しかけ、自ら国王夫妻に通訳をされるなど、“お気遣い”があふれ出る場面が印象的でした」

サッカーのワールドカップの日本対オランダ戦をオランダのウィレム・アレクサンダー国王夫妻とともに観戦された天皇、皇后両陛下(宮内庁Instagramより)

 そんな中、今回の訪問でも新しい“壁”にチャレンジされている。

「オランダのあと、ベルギーを訪問されます。2か国を一度に訪問されるのは'02年のオーストラリア、ニュージーランド以来、実に24年ぶりのことです」

『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さんは、今回の日程について驚きを語る。

令和以降、国賓としての外国訪問は長くても移動を含め8日間でした。今回、2週間の長期にわたるご訪問に挑戦してみようという意欲そのものが、雅子さまの体調が回復してきている証拠ではないでしょうか。ここで自信を持たれれば、令和の皇室外交における新たな“ターニングポイント”になり得ます

 国民からも《皇室外交していると輝いていますね》など、称賛の声があふれている。しかし、今回の訪問の異例さはその長さだけではない。

到着後の数日間を静養に充てられたのは、雅子さまの体調に万全を期すためでしょう。過密日程ではなく、負担を抑えて持続可能な形で臨むという、今の両陛下に適したアプローチといえます。その結果、現地では陛下おひとりでの公務が多くなりましたが、ご病気がありながら“長期の2か国訪問に臨んだ”こと自体に大きな意義があります。次回は、より多くの公務をおふたりでこなされる姿を見たいですね」(前出・皇室担当記者)

 前出のつげさんは国際親善の大切さをこう話す。

「対立が深まる世界情勢の中で、皇室とヨーロッパ王室が平和を説いて友好を深めることは、国や言語を超えた絆を示す重要な役割を果たします。そこに大きな期待が寄せられています」

 両陛下は“令和スタイル”で、より一層の活躍をなさることだろう。
 

つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など