世界情勢の不安定化やエネルギー価格の高騰などで、止まらない物価上昇。今年の家計負担は、去年より1人当たり約2.2万円増えるとの予測も! そんな今こそ参考にしたいのが、モノが少ない時代を豊かに暮らした“おばあちゃんの知恵”。食材をムダなく使い切る工夫や、水道光熱費を下げるひと手間など、サステナブルでお財布にもやさしい50の習慣を集めました。
湿気&カビ対策の知恵
お金をかけずにニオイもジメジメもオフ
こまめな換気+αのひと手間で、湿気が残る嫌なニオイにサヨナラ。スッキリと心地よい空間に!
(1)靴箱は新聞紙を敷いて湿気をスッキリ
湿気を吸い取るだけでなく、泥や土による汚れ防止にも。1か月に1回は靴をすべて出して新聞紙を取り換えること。湿気が多い場合は、靴と靴の間に新聞紙を筒状に丸めて置くのも効果的。
(2)木炭をまとめて、玄関のニオイを吸着
木炭2~3個、玄関の隅などに置けば、除湿・防臭剤の代わりに。2~3か月で効果はダウンするが、水洗いをして干せば繰り返し使える。インテリア風に飾っても。
(3)帰宅後の靴に新聞紙をイン
新聞紙を丸めてつま先に入れておけば、湿気が原因で起きるニオイの予防に。また靴箱の扉は1週間に1度は開けたままにし、靴箱内にも湿気をためない工夫を。
(4)ゴミ箱の中に乾燥剤をしのばせて
海苔やお菓子などに付いている乾燥剤は、捨てる前にもうひと働き! ゴミ箱の底に2~3個入れておけば、湿気やニオイを取ってカビ予防にもなる。靴箱内に置いてもよし。
(5)入浴後の浴室に冷水を
お風呂上がりに床や壁全体にシャワーで冷水をかけるだけ。何もしないよりカビの発生と湯あかのこびりつきの抑制に。タオルで壁をから拭きできればワンランクアップ。
電気・ガス・水道 公共料金を抑える知恵
酷暑で今年も値上がりしそう!
ガスコンロや洗濯機、冷蔵庫……365日、使うものだからこそ“ちりツモ”なコストカットが効く!
キッチン編
(6)点火前にガスバーナーをキレイにし、鍋の底を拭いておく
ガスバーナーのキャップが汚れて目詰まりを起こすと熱効率が悪くなるので、調理前のチェックを心がけて。鍋やフライパンの底についた水滴を、しっかり拭いてから火にかける習慣も大事。
(7)パスタは半分に折り、フライパンでゆでて
パスタをゆでるときは半分に折ってフライパンを使えば時短。水の使用量も抑えられる。沸騰後、パスタを入れる前にサラダ油を1滴垂らせば、吹きこぼれの防止に。
(8)葉物野菜はフライパンでゆでる
フライパンの底から3~4cmほどの湯を沸かしたところへ葉物野菜を入れ、上下をひっくり返しながらゆでる。湯沸かしの時間が短縮される上にガス&水の使用量を減らせる。
(9)時短&省エネには平底の鍋がベスト
鍋底は広く平らなほど食材が熱に触れる面積が増える=火の通りが早まるので時短かつガスの消費量を減らせる。ちなみに、鍋底からハミ出た炎は無駄になるので調整を。
知っトクColumn
水1L(20℃程度)を沸騰させるとき、炎が鍋底からハミ出ないよう強火から中火にした場合(1日3回)、年間でガス2.38平方メートルの省エネ効果あり。年間のガス代は都市ガスで約457円、LPガスで約2013円の節約に(※1)。
(10)野菜の下ごしらえは電子レンジで
野菜の煮物は電子レンジで、ある程度火を通してから鍋に入れて煮込むのが得策。ガス代を大幅にダウンできることに加え、煮崩れするのを抑えられるメリットも。
(11)煮物は余熱で調理可能
具と調味料を入れて煮立たせたら火を止めてふたをし、新聞紙とバスタオルで鍋をくるめばOK。時間は要するが、余熱だけで味が染み込んだ煮物ができる。この方法で乾麺も余熱でのゆで上げが可能。
(12)炊飯器は「保温」のままにしない
炊飯器の保温は4時間までに。それ以上は電子レンジで温め直すほうが省エネ。炊飯器によっては“高速”や“早炊き”コースを選んで炊飯すれば電気代が若干安くなる。
(13)食器洗いはため洗いを習慣に
食器洗いは水を流しっぱなしにせず、水を張った桶などに洗剤を溶かし、つけ置き洗いを。汚れはヘラやボロ布であらかじめ拭き取るとよい。食器洗浄機の場合はまとめて洗おう。
(14)冷蔵庫にモノを詰め込みすぎない
過密した冷蔵庫内は冷気の循環が悪くエネルギーの無駄に。加えて食品が探しづらいので食品ロスも増える。未開封の缶詰や瓶詰などは入れないこと。反対に冷凍庫は詰めたほうが冷却効率がアップ。
(15)冷蔵庫の設定温度は、1年を通じて“中”でOK
冷蔵庫内の温度設定をチェック! 年間を通じて“中”で十分なので“強”になっていたら、変えること。また、冷蔵庫は電子レンジや窓付近など、気温が高くなりやすい場所を避けて設置しよう。
知っトクColumn
冷蔵庫の設定温度を“強”から“中”にした場合、年間で61.72kWhの省エネ効果が得られ、1年で約1730円の節約になる(※1)。
※1/資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」を参照し、2013年度の環境省の調査をもとに算出
調理がラクになる時短ワザ
暑い夏、キッチンに立つ時間を短くしたいときにお役立ち!
(16)豆腐の水きり、油揚げの油抜きは電子レンジで
豆腐1丁は2枚重ねのキッチンペーパーで包み、電子レンジ(500W)3~4分で水きり完了。油揚げや厚揚げは、水で軽く濡らしたキッチンペーパーで包み、約30秒で油抜きを。
(17)乾物は砂糖を入れた水で戻すと時短に
切り干し大根や干ししいたけ、ひじきなどの乾物は、水で戻すときに砂糖ひとつまみを加えることで、水分が早く内部までいき届く。また、乾物は冷蔵保存でおいしさ長持ち。
(18)冷凍玉ねぎで飴色玉ねぎが簡単に
粗めにみじん切りした玉ねぎを冷凍し、凍ったまま油をひいたフライパンで約10分炒めるだけ。生の玉ねぎより短い時間で飴色になり、できあがったものは冷凍保存が可能。
(19)落としぶたはアルミホイルを使うとアクがよく取れる
落としぶたは、アルミホイルで代用OK。アクも取ってくれ、ふたを洗う手間もなし。落としぶたとして使う際は、蒸気の抜け口としてアルミホイルに切れ込みを入れるのをお忘れなく。
公共料金を抑える知恵 洗濯編
(20)洗濯機は容量8割がベストの量
洗濯回数は少ないほうが節約につながるが、一度の洗濯物が多すぎると、かえって電気や水のムダに。定格容量の8割を目安に使うのがもっとも効率的となる。乾燥機も同様に8割以下を目安に。
知っトクColumn
洗濯機は定格容量の4割入れて毎日使う場合と、8割にして使う回数を半分にした場合を比べると、電気代が年間約180円、水道代は約4360円、乾燥機は電気代約1300円の節約に(※2)。
(21)重いものから洗濯機に入れる
縦型洗濯機の水流は底のほうが強いので、先にズボンなど丈夫で重いものを入れ、下着など軽いものは最後に。ひどい汚れものがない場合、スピードコースを選ぶのも節電の賢い選択。
(22)脱水時間を短くし、アイロンがけを不要に
シワをつけたくない服は脱水時間を短めにし、脱水後は早めに干すのが鉄則。型崩れも防げる。干すときに霧吹きをして叩けば、より脱水シワが軽減できる。
お風呂編
(23)こまめにシャワーを止めてガス代&水道代を節約
シャワーは出しっぱなしにせず、こまめに止める。1日1分、シャワー(45℃)の時間を短くすると水道代は年間約1140円減。水圧を高めるシャワーヘッドで湯量を抑えるのも手(※2)。
(24)1人なら風呂につかるよりシャワー
シャワーを1分間使うときに必要な水量は約12L。浴槽に水をためるには約200Lが必要なので、1人なら15分間シャワーを浴びても湯船につかるより水道代が安い(※2)。
(25)レジャーシートをのせてお湯を保温
浴槽のお湯を保温するには、100円均一の保温シートやアルミのレジャーシートが活躍。水面を覆うサイズに切ってお湯の上にのせて風呂ぶたにすれば、湯温をキープできる。
(26)リレー形式で続けて入浴を
毎日追いだきをすると(2時間放置して4・5℃湯温が低下した200Lの湯を追いだき)、年間で都市ガスで約7330円、LPガスで約3万2320円かかる。そのため、追いだきをせずに家族が数珠つなぎ式に入浴すると、ガス代の節約に(※1)。
※1/資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」を参照し、2013年度の環境省の調査をもとに算出
※2/資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」参照
暮らしにやさしいエコ掃除の知恵
身の回りにあるものを賢く使って、お部屋ピカピカ!
掃除アイテムの買い足しも不要! 地球に負荷をかけない昔ながらの生活ワザを見直そう。
(27)フローリングの掃除機がけは“弱”でOK
掃除機の吸引モードは場所によって変更を。フローリングや畳は“弱”で十分。また、吸引力の低下を防ぐため、掃除機のフィルターや紙パックはこまめなお手入れや交換を。
(28)カーペットは重曹をまいてゴミをかき出す
掃除機をかける前にひと工夫を。重曹をまき、ブラシを使ってカーペットの中のゴミをかき出す。掃除機がけがスムーズになる上に、重曹が汚れを吸着&ニオイも取ってくれる。
(29)畳掃除は塩をまいて
掃除する場所に少量の塩を振りかけて周りを手で叩き、ゴミを浮き出させる。あとは畳の目にそって掃除機をかけると、目詰まりしたホコリもスッキリ除去できる(※3)。
(30)トイレや洗面所は酢水でスッキリ
酢には除菌や防臭効果あり。掃除用に作った酢水で便座から便器の外側、床まで清潔に保てる。トイレブラシは酢水をかけてから日なたで数時間干せば、雑菌の繁殖を防げる。
《酢水の作り方》
酢を水で5~6倍に薄めるだけ。スプレー容器に入れておけば使いやすい
知っトクColumn
・トイレ便座の設定温度は季節ごとに変更を
便座の設定温度を“中”から“弱”へ下げ、夏は電源を切っておけば年間約740円の節約に。使用時以外は便座のふたを閉めれば、年間約980円の電気代のムダを防げる(※1)。
(31)網戸は雨に打たせてからキレイに
雨の日は網戸掃除のチャンス。屋外に立てかけて雨の力でホコリを洗い落とし、そのまま戻して自然乾燥するだけ。こびりついた汚れはスポンジで両側から挟み洗いするのが簡単。
(32)家具のホコリは柔軟剤入りのぬれぶきんを使う
机やテレビ台などは柔軟剤を数滴入れた水でふきんを濡らして拭くとホコリ防止に。電化製品はよく絞ってから拭くこと(※3)。すでにあるホコリは古いストッキングで取るのがラク。
(33)玄関のたたきは茶殻をまく
使用済みの茶殻は湿ったまま玄関のたたきへ。ホコリをたてずに掃き掃除ができる。掃除しながら茶殻の消臭効果にも期待。湿らせた新聞紙をちぎってまいてもよい。
※1/資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」を参照し、2013年度の環境省の調査をもとに算出
※3/目立たない場所で試してから実践してください
おいしく&節約食材活用の知恵 part1
食材をムダにせず、食費高騰の波を乗り切る!
昔ながらの知恵を借りれば、フードロスを減らせるだけでなく栄養もバッチリ。一石二鳥でうれしい!
(34)米びつに唐辛子で防虫効果
購入時のビニール袋のまま保存すると湿気と熱がこもりやすいので、お米は米びつやふたのある容器へ移して風通しのよい場所へ。赤唐辛子を2、3本入れておくと防虫・防臭に役立つ。
(35)古米ははちみつを入れておいしく!
古くなったお米の香りとうまみを上げるには、はちみつが有効。炊飯器の目盛りどおりに水を入れた後、米2合に対し小さじ1杯のはちみつを加え、30分ほど浸水してから炊く。
(36)水っぽいかぼちゃはお茶で煮る
かぼちゃはお茶で煮るとほっくりした仕上がりに。出がらしの茶葉をお茶用パックに入れて煮てもよい。また、ナスは塩を振り約10分おいてから調理すると油の吸収が抑えられる。
(37)余った野菜は干して保存する
根菜類やきのこ類は、干し野菜にすればひと月ほど保存可能。洗って使いやすいサイズに切り、余分な水分を拭いてから数日の天日干しを。葉物や夏野菜も干すとおいしさアップ。
葉っぱや夏野菜も干すとおいしくなる
大根・かぶの葉
大根やかぶに葉がついていたらチャンス。よく洗って幅2cmほどに刻み、天日干しに。カラカラになるまで干すと味わいが濃くなる
ゴーヤ・ナス
薄切りにして天日干しに。ゴーヤとズッキーニなら2~3日、ナスは3~4日で乾く。調理で余分な水分が出ず、炒めものがラク
トマト
普通のトマトは輪切り、ミニトマトは半分に切って干す。1日だとセミドライトマト、数日干すと濃厚なドライトマトが完成
(38)キャベツは芯をくり抜いて保存
丸ごと買ったキャベツは芯をくり抜き、湿らせたキッチンペーパーを詰める。それからポリ袋に入れて野菜室へ。キッチンペーパーから水分が得られ、みずみずしさが続く。
(39)くず野菜で万能だしを作る
へたや皮、茎、きのこの石づきも活用を。100~200gの野菜くずに水1L、酒小さじ1を加えて弱~中火で30分ほど煮込むと、うまみが凝縮された野菜だしができあがる。
おいしく&節約食材活用の知恵 part2
(40)じゃがいもはりんごと一緒に保存
じゃがいもはビニール袋から出してカゴに入れ、風通しのよい冷暗所で保管。一緒にりんごを1個入れておくと、りんごから出るエチレンガス効果でじゃがいもの発芽が抑えられる。
(41)魚の骨はせんべいに
魚の骨(アジやイワシ、サバなど)は、ひと手間でヘルシーなおやつに。骨を乾燥させたら、塩をひと振りし、電子レンジ(500W)で両面がカリッとするまで加熱するだけで完成!
(42)レタスはぬるま湯でシャキッと感を復活させる
レタスは芯を取り、沸騰したお湯と常温の水を同量入れたボウルに2分ほど浸すとシャキシャキ感が戻る。その後に保存する場合は、水けをきってから新聞紙に包んで冷蔵庫へ。
(43)野菜はリポべジで2回楽しむ
野菜は根元などを少し残せば再生可能。小松菜の根元、ニンジンや大根のへたなどは水に浸し、ネギは根元を土に植えれば成長してまた食べられる。水耕か土耕か確認して栽培を。
地球にやさしいワザで台所をスッキリ!
コストゼロ&手間レスで、調理後のキッチン掃除がグッとラクに。
(44)使用後のアルミホイルを排水口へ
排水口のぬめり予防には、アルミホイルを活用。ゴミ受けに、使った後のアルミホイルをふわっと丸めて入れておけば、水との化学反応で細菌の繁殖を抑えるとされる。
(45)パスタのゆで汁で油汚れがスッキリ
パスタのゆで汁はサポニンという成分を含むため、食器などにかけると油汚れが落ちやすくなる。また、野菜などの塩分を含まないゆで汁は、熱いまま雑草にかけて除草に活用してもOK。
(46)魚を切るときは開いた牛乳パックを利用
飲み終えた牛乳パックは、開いて洗って乾かしておけば、使い捨てのまな板としてリユースできる。魚や肉を切った後のまな板へのニオイ移りや雑菌の繁殖といった心配が無用に。
困ったときに役立つ暮らしの知恵
日常の困り事は、昔ながらのライフハックでパパッと解決。身近にあるものを利用するから、急な対応が必要なときも焦らない!
(47)Q.冷蔵庫のニオイが気になる! A.重曹を瓶に入れて冷蔵庫へ
空き瓶に重曹を入れてガーゼでふたをすれば消臭剤に。冷蔵庫だけでなく、靴箱などのニオイ取りにも使える。また、ニオイの原因となる調味料のこびりつきなどは重曹ペースト(重曹と水を2~3:1で混ぜたもの)で掃除を。
(48)Q.ビールを急いで冷やしたい! A.濡れふきんを巻いてから冷蔵庫へ
缶の飲み物を早く冷やしたいときは、濡らしたふきんを巻いて冷蔵庫へ入れるのが正解。扇風機の前で風に当てるのも効果大。冷凍庫に入れると急激に温度が下がって味が落ちたり、缶が破裂することもあるので危険。
(49)Q.靴が臭い! A.10円玉を使ってニオイ取りを
靴の中のニオイ消しには10円玉2、3枚を。銅の抗菌効果で消臭に役立つとされる。また、コーヒー豆のかすも消臭効果あり。電子レンジで水分を飛ばし、お茶用のパックなどに入れておくと使いやすい。生ゴミのニオイ消しにも。
(50)Q.口紅が折れちゃった! A.ドライヤーで温めて冷蔵庫で冷やす
折れた部分をドライヤーで温め、柔らかくなったら元のように整えて冷蔵庫へ。1時間程度で断面がつく。固まったマスカラは、オリーブオイルを数滴入れて振ればなめらかに。お湯を入れた容器にマスカラを浸し、湯煎するのもよい。
※本記事で紹介する「おばあちゃんの知恵」は、昔から伝わる暮らしの工夫や経験則に基づくものです。効果には差があり、住環境や家電・設備、素材によっては適さない場合があります。実践する際は、各製品の取扱説明書や注意事項を確認のうえ、無理のない範囲でお試しください。
出典/省エネポータルサイト(経済産業省 資源エネルギー庁)、家庭部門のCO2排出実態統計調査(環境省)
参考文献/『暮らし上手になる おばあちゃんの知恵袋』(リベラル社)、『おばあちゃんの知恵袋 少ない電力で快適な暮らし』(宝島社)、『日本人が忘れた おばあちゃん100人の知恵』、『母が教えてくれなかった食費節約ワザ』(共に主婦と生活社)
取材・文/河端直子 イラスト/やのあきこ 撮影/山田智絵 デザイン/黒田志麻
