先制点を決めた鎌田大地とアシストをした中村敬斗(「JMPA代表撮影より)

 サッカー日本代表がチュニジアに4-0で快勝したワールドカップ北中米大会グループリーグ第2戦。蒸し暑さが残るメキシコ・モンテレイでの一戦で、中継を見ながら「なぜ鎌田大地だけ長袖なのだろう」と気になった人もいたのではないだろうか。

 湿度約80%という過酷な環境でも長袖ユニフォームを貫いた鎌田。その裏には長年変わらない“譲れないこだわり”があった。

所属クラブに長袖を特注

 会場となったメキシコ・モンテレイは今大会屈指の暑さで知られる開催地だ。

 試合2日前の18日には最高気温41度を記録。試合当日、キックオフ1時間前の21時のスタジアムは気温28・3度と落ち着いたものの、湿度78%と蒸し暑さが残るコンディションだった。

 そんな中継を見ながら、「なぜあの選手だけ長袖なのだろう」と感じた人もいたのではないだろうか。スタメン11人のなかで、鎌田大地だけが長袖ユニフォームを着用していたのだ。

 もっとも、これは今回に限った話ではない。

 鎌田は以前から長袖への強いこだわりを持つことで知られている。2024年に加入したイングランド・プレミアリーグのクリスタルパレスでは、クラブ側に長袖ユニフォームを用意してほしいと依頼。その前に所属したイタリア・セリエAのラツィオ時代には、自身のためだけに長袖ユニフォームが製作されていたことも明かしている

 近年のサッカー界では半袖が主流となり、長袖ユニフォームを用意していないクラブも少なくない。それでも鎌田は一貫して長袖スタイルを貫いてきた。

「真夏でも長袖姿はおなじみです。クラブに専用ユニフォームを用意してもらうほどですから、本人にとってはプレーするうえで欠かせないルーティンのひとつなのでしょう」(スポーツ紙記者)

 本人は過去のインタビューで、「長袖を着ているときにいいプレーが続いたのでゲン担ぎみたいなもの」と説明。また、「身体が大きいタイプではないので、半袖より長袖のほうがスタイル的に合う」とも語っている。

 つまり、機能性というよりも験担ぎと自身の美学。ドイツ、イタリア、イングランドと所属クラブが変わっても、そのこだわりだけは変わらなかった。

 一方、この日の日本代表では、中村敬斗の短めのソックス姿も目を引いた。多くの選手が膝近くまでソックスを上げるなか、中村はふくらはぎが見えるほど下げてプレーしていた。

「海外では珍しくないスタイルですが、日本代表では比較的目立ちますね。見た目の問題ではなく、本人なりにパフォーマンスを引き出すための工夫だといいます」(前出・スポーツ紙記者)

 中村によると、もともと足がつりやすい体質で、ソックスによる圧迫を少しでも軽減するための対策だという。以前所属していたクラブではソックスの裏側を切って対応していたが、現在所属するスタッド・ランスや日本代表では推奨されていないため、ソックスを下げる形で調整しているそうだ

 湿度の高いメキシコの夜。長袖の鎌田と短ソックスの中村は、それぞれの“譲れないこだわり”を身につけながらピッチに立っていた。