日本時間6月15日に強豪・オランダと引き分けたサッカー日本代表。格上相手に今大会日本初ゴールを決め、貴重な勝ち点をもたらした中村敬斗。恩師や地元を取材すると、ピッチの外では意外な素顔が垣間見えて─。
プロの素質は小学1年生から
日本時間6月12日に開幕したサッカーワールドカップ(W杯)北中米大会。
日本中の期待を背負うサムライブルーは15日にオランダと対戦。格上相手に2対2の引き分けで勝ち点“1”を手にしたが、その立役者が、中村敬斗だ。
「オランダに先制を許して迎えた後半12分。相手ペナルティーエリア左で中村選手がパスを受けると、ドリブルで中央へ切り込んで、最後は相手ディフェンダーの股の間を抜くシュートでゴール。日本の今大会初得点となりました。ふくらはぎがつるのを防ぐため、ソックスをできるだけ下げてはくスタイルも注目されました」(スポーツ紙記者)
千葉県我孫子市出身の中村。ガンバ大阪でプロのキャリアをスタートさせて海外へ。現在はフランス2部の「スタッド・ランス」というチームで活躍している。
兄の影響で3歳からサッカーに触れてきた中村は、どんな少年だったのか。小学生のときに所属していた「高野山サッカースポーツ少年団」の当時の代表だった松本治さんに聞いた。
「1年生でチームに入ってきたときが一番インパクトがありました。少し前まで幼稚園児なので、どんなにすごくても子どもの運動能力なんてたかが知れています。
ですが、彼の場合は走り方ができあがっていた。しっかり脚の筋肉を使って地面を蹴ることができて、空中で体勢を変えることができる。将来はプロになって、順調にいけば日本代表に入る選手になるだろうと思いました」
'06年のW杯、華麗なドリブルで相手を抜き去り“ファンタジスタ”と称されたブラジル代表のロナウジーニョに魅せられた。ブラジルに憧れ、ある行動に出た姿にも松本さんは驚かされたという。
「小学校低学年のときに単語帳でポルトガル語の勉強をしていました。ロナウジーニョ選手をはじめ、スター選手に憧れる子どもは多いですが、そのために何が必要で何をするか、と考えて行動できる子はなかなかいないです。
特に言語を勉強しようとは、小学生には思いつかない。当時からそういった逸話があって、今の活躍する彼にはなるべくしてなったという感じです」
大人から見て“できすぎた”少年。同世代からはどう見えていたのか。中村の知人はこう話す。
「ウォーミングアップでは決まったことを決まった順番に決まった時間、決まった回数をこなしていくので、機械みたいな人だな、という印象です。足が速くてシュートがうまいのは昔から。同世代の中では飛び抜けていました。
あとは、当時からイケメンでした。チームメイトの親から“本当にカッコいいよね”と言われていましたね」
小学4年生のときにセレクションに合格して、Jリーグ・柏レイソルの下部組織に入団。しかし、チームのスタイルと自分がやりたいプレースタイルが合わず、少年団に出戻る選択をした。
中村が持つ苦手な一面…
小学生ながら“自分”を持っていた中村は、中学生になるとクラブチームの「三菱養和サッカースクール」に入団。高校2年生でガンバ大阪とプロ契約するまでをここで過ごした。中村を指導していた生方修司コーチに話を聞いた。
「ドリブルを磨きたいと思っていたようで、開口一番に“このチームはドリブルができますか?”と聞いてきたのはよく覚えています。自己主張がしっかりしていると思いました。印象に残っているのは中学1年生のときに1試合で13ゴールを決めたこと。
リーグ戦で相手も決して弱いわけではないですが、チームの17得点のうち、13点を彼が決めました。当時からドリブルやシュートのうまさはレベルが高かったです」
ピッチの中では背中でチームを引っ張りながらも、ピッチ外ではおとなしい子だったという。このチームでは、ある能力も培った。
「うちのチームはピッチの中でも外でも楽しもうという方針。ミーティングでは一発芸大会をやったりします。敬斗は“僕はできないです”という感じでしたが、友達に教えてもらいながら一緒にやっていました。
ガンバのファン感謝デーでコントをやっているのを見たときに“うちのおかげだな”と思いましたね(笑)。まじめなだけでなく、バカになって自分の殻を破るというのは大切。バランスよく成長してくれたと思います」(生方コーチ)
順調にステップアップをし、世界が注目するW杯で活躍。地元も盛り上がっており、実家近くで話を聞くと……。
「子どものころからサッカーがうまいと評判でした。数年前、実家近くの焼き肉店では、ほかのお客さんが敬斗くんに気がついて話しかけると、気さくに対応していました」(近隣住民)
「変な女性に引っかからないといい」恩師が抱える恋愛の懸念点
W杯直前に帰省した際は、家族での“決起会”が行われたという。会場となった洋食店「猫のせなか」のスタッフに話を聞くと、
「うちの店にはご両親が何度か来てくれていて。W杯に行く前に“決起会”をやりたいとご連絡をいただきまして、ご家族そろって来店いただきました。
こちらも応援しようと、ケーキのプレートとかも用意しました。本当に仲がよさそうで、ほほえましいご家族でしたね。“我孫子の星”なのでこれからも頑張ってほしいです」
女性ファンからは“イケメンすぎる”として話題に。'25年6月にはフォトブック『Natural ナチュラル』(双葉社)が発売。6月10日発売の『anan』ではスペシャルエディションの表紙とグラビアに、同じ日本代表の上田綺世と登場している。浮いた話もありそうだが、前出の生方コーチはこう話す。
「初めて会ったときに“イケメンだな”と思いましたね。モテたのかもしれませんが彼の頭の中は全部サッカー。女の子には興味がなかったみたいです。私は、彼女の前で情けないプレーはできないだろうと“彼女ができたら試合に連れてこい”と選手たちに言っていますが、彼が連れてきたことはなかった。
流行りのアイドルにも疎くてチームメイトから“知らないの?”といじられていました。彼女とかアイドルの話になると、しれっとその場からいなくなっていましたね」
イケメンながら女性関係の話がない中村に、前出の松本さんは心配することも。
「浮いた話は聞いたことがない。今年で26歳ですし、そろそろ解放してもいいんじゃないかなとは思います(笑)。いざ、結婚したいと思ったときに、免疫がないことで変な女性に引っかからないといいんですが」
ルックスだけでなくプレーでも魅了する“ファンタジスタ”が日本に歓喜をもたらしてくれるはず。
