映画『Michael/マイケル』看板 撮影/編集部

 伝説の歌手マイケル・ジャクソンの音楽活動の軌跡や人生の舞台裏を描いた映画『Michael/マイケル』が6月12日に公開され、早くも25億円を超えるヒットとなっている。

 初週の週末興収は10.9億円で、邦画を含めた今年公開された実写作品ではNo.1の好スタートを切った。

邦画が苦戦中

 その後の正式な興収は発表されていないものの、興収を発進するSNSアカウントによると6月21日までの興収は推定28.07億円。公開から10日間で30億円間近だけに、50億円突破は確実。100億円超えも期待できるロケットスタートとなっている。

 2024年の興行収入は2069億8300万円。邦画全体の興収は1558億円で、2000年以降で過去最高を記録する一方、洋画の興収は511億8300万円。シェア率は24.7%にとどまった。

 昨年も実写作品の興収ベスト20位内にランクインした洋画は、『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』など6作品のみ。近年は“邦高洋低”の状態が続いていた。

 しかし今年は状況が一変。浜辺美波と目黒蓮がW主演を務めた『ほどなく、お別れです』が46.6億円(推定)の大ヒットとなったものの、現時点で20億円を超えたのは目黒蓮主演の『SAKAMOTO DAYS』(27億円・推定)、木村拓哉主演の人気ドラマシリーズの劇場版『教場 Requiem』(26.5億円・推定)の3作品のみ。

 一方、洋画は『Michael/マイケル』以外も好調で、『プラダを着た悪魔2』が50億円を突破。5月22日に公開された『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が約28億円、『ウィキッド 永遠の約束』が21億円と、20億円超えが早くも4作品

今年はテレビ局制作の映画が軒並み苦戦していることも、“洋高邦低”になっている理由の1つですね。テレビ局主導の実写作品で10億円を超えたのは、『教場 Requiem』と『人はなぜラブレターを書くのか』(推定・10.7億円)の2作品のみですから」(映画ライター、以下同)

配信の定着も洋画ヒットの後押しに

 近年の洋画苦戦は配信の定着により、“推し活”層以外が劇場に足を運ばなくなったことも理由の1つだと言われているが、今年に限っては配信の定着がヒットに結びついているようだ。

2006年に公開された『プラダを着た悪魔』の国内での興収は17億円と、まずまずの数字で終わっています。しかし好きな作品に同作品を上げる有名人は多く、配信でチェックしてファンになった若い世代も増えていた。そんな背景もあったため、20年ぶりの新作公開に足を運ぶ人が殺到したという状況です

2026年に公開された実写作品で10億円を突破したのは6月21日段階で10作品だ(編集部調べ)

 マイケル・ジャクソンも音楽のストリーミングサービスの定着により若い世代を中心に再評価される動きがあったことも、映画のヒットの要因になっている。

ただ7月以降には大ヒットシリーズの『キングダム 』や劇場版『TOKYO MER』の新作。9月には『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』、11月『ゴジラ-0.0』が控えているだけに、下半期で邦画が巻き返してくれるのではないでしょうか

 昨年は『国宝』が邦画実写作品としては初となる200億円突破を果たしただけに、今年も100億円超えの邦画実写作品の誕生に期待したい。