「一瞬、心臓が止まるかと思った」
そう興奮気味に語るのは、往年のBOOWYファンである都内在住の50代男性だ。
6月25日、BOOWYの地元である群馬県の『上毛新聞』に突如として掲載された全面広告。《ライブハウス武道館へようこそ!》の文字とともに、彼らのシルエットが掲載され、「ついに再結成か!?」「公式からの最高のサプライズ」と、オールドファンたちがザワついた。
ボーカルの氷室京介(65)、ギターの布袋寅泰(64)、ベースの松井恒松(65)、そしてドラムの高橋まこと(72)からなるBOOWYという伝説のバンドが、今も確かに存在することを証明したこの紙面に、多くのファンが驚いた。
「7月2日18時30分に《【BOOWY】『“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986 NAKED』2026 REMASTER on stream》と題したタイトルの動画をプレミア公開することが発表されました。
1986年に行われたライブの全19曲を最新の音源で届けるということなのでしょう。ただ、《全曲試聴のラストにはBOOWYに関する新情報が解禁》ともされているので、“再結成”という可能性もわずかながら残されている状況です。どんな発表が待っているのか、ファンは待ち遠しい限りですね」(音楽ライター)
と、「ない」とされてきた“再結成”に、一縷の望みが残されている状態だ。
そんな中、新聞広告掲載の直後からフリマアプリ『メルカリ』には、この上毛新聞が大量に出品する事態が起こっている。ユニバーサルミュージックの公式HPやYouTubeでもインフォメーションしているが、新聞広告という形では上毛新聞のみ。そこに価値を見出した転売ヤーたちがこぞって出品しているというわけだ。
「地方紙という入手困難さも手伝ってか、価格は1500円から2000円前後ですね。通常の新聞1部の価格を考えればかなり強気な転売価格と言えます。転売ヤーたちは“BOOWYファンなら喉から手が出るほど欲しいはず”と踏んだのでしょう」(前出)
BOOWYファン“大人の余裕”
しかし、よく見ると驚くほど「売れてない」状態が続いている。もちろんSOLDもあるが、大半の出品は「いいね」すらつかないままだ。なぜなのか。
「そもそもBOOWY世代はそこまで“収集癖”がないのでは」
と分析するのはトレンドウォッチャーの話。
「今の20代、30代の推し活層は、アクリルスタンドやトレーディングカード、限定グッズなどをコンプリートすることに喜びを感じていますが、現在の50代を中心としたBOOWY世代は、少々タイプが違います。
彼らが通ってきたのは音楽を耳と記憶に焼き付け、ライブの空間を共有することに価値を置いた時代。カセットテープやレコード、あるいは当時のツアーTシャツなど思い出の品は大切にしますが、後から他人が転売した、ただの新聞紙に何千円も出してコレクションしたいという、そこまでの物欲はない世代が多いと思います」
また前出の音楽ライターもこう苦笑する。
「ファンにとってBOOWYは青春そのものであり、神格化された存在。それを転売ヤーから買うという行為自体が、どこか美学に反するというか、ダサいと感じてしまうのではないでしょうか。1500円が惜しいのではない、そんなものでファンとしての愛を証明する必要はないという、大人の余裕だと思いますよ(笑)」
転売ヤーたちの思惑をよそに、静かに、そして熱く燃え続けるBOOWYファン。
それは粋なプライドなのかもしれない。
