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 9月4日から13日まで大阪で上演されていた蜷川幸雄氏演出の舞台『靑い種子は太陽のなかにある』。亀梨和也が初めて蜷川作品の主演を務め、ヒロインには来年の朝ドラ女優・高畑充希が抜擢。

「この作品は演劇界の“レジェンド”とも言われる故・寺山修司さんが、自らの劇団『天井棧敷』を旗揚げするより前の1963年、28歳のときに書いたもの。’13年に台本が発見されたことで、蜷川さんが演出を引き受けることになりました。舞台は、1960年代の高度経済成長に躍る日本。安保闘争直後の権力に批判的な空気も描いており、当時から“問題作”“幻の音楽劇”とも呼ばれていました」(スポーツ紙記者)

 大阪公演に先立って東京公演が、8月10日から30日まで渋谷の『オーチャードホール』で行われていたのだが、この会場に観劇に訪れていた芸能人たちが、とにかく豪華だったのだ。

「初日には前田美波里さんや江川卓さん、大竹しのぶさん、市村正親さんがいらっしゃっていましたね。翌日には松任谷由実さんや溝端淳平さん、休演日を挟んでその次の日には米倉涼子さんが見に来られていました。みなさん終演後には楽屋に挨拶に来られるので、毎日てんやわんやでしたよ」(舞台関係者)

 ほかにも足を運んだ俳優たちは、蜷川氏と年齢の近いベテランから若手の注目株まで、実に幅広い。

「’63年の初演のときに主演を務めた藤木孝さんをはじめ、唐十郎さんや岸部一徳さん、水谷豊さんと伊藤蘭さん夫妻、宮沢りえさん、中谷美紀さん、松本潤さん、有村架純さんと多彩でした」(前出・舞台関係者)

 ちょっと意外なこんな人たちの姿も。

「“キム兄”こと木村祐一さんや歌舞伎役者の尾上菊之助さん、B’zの稲葉浩志さんにフェンシングの太田雄貴選手、脚本家の北川悦吏子さんもいらっしゃっていたんですよ」(前出・舞台関係者)

 これだけ大きな注目が集まった理由は、何だったのか。

「主演した亀梨クンやヒロインの高畑さんが目当てで、みなさん集まったのかというと、どうやらそうではないみたい」(芸能プロ関係者)

 では、やはり“巨匠・ニナガワ”の舞台だからということで、著名人たちがこぞって見に来たということ!?

「いえいえ。蜷川さんの舞台が毎回そうかというと、そんなこともないですよ。全日程を通して、ほとんどタレントさんが観劇に来ない作品もあります」(前出・芸能プロ関係者)

 ならば、今回は特別ということなのだろうか。

「今年は寺山さんの生誕80年にあたります。そして、蜷川さんも今年で80歳。くしくもふたりの天才のアニバーサリーイヤーに上演される舞台ということで、関心が非常に高かった。初演から約半世紀ぶりの再演ということも、期待を後押ししました」(前出・芸能プロ関係者)

 さらに、もう1人の“天才”の力も大きいという。

「壮大な音楽劇ということで、楽曲を松任谷正隆さんが手がけているんですよ。彼が蜷川さんと初タッグを組むということも、レア感が増した要因なのではないでしょうか」(前出・芸能プロ関係者)