中日ドラゴンズ・井上一樹監督

 決勝トーナメント1回戦のブラジル戦で敗退したことで、国内でのサッカー「FIFAワールドカップ北中米大会」熱も落ち着きつつある。日本中が日本代表「サムライブルー」に一喜一憂していた6月、プロ野球セ・パリーグの順位に“異変”が起きていたーー。

 7月2日時点でセ・リーグ首位を走るのは読売ジャイアンツで、0.5ゲーム差で追うのが阪神タイガースと東京ヤクルトスワローズ。シーズンを折り返した現状、優勝は首位争いを繰り広げる3チームに絞られたと言えよう。

 一方で開幕前はAクラス入りが予想されながらも、ほぼ最下位が定位置となっている中日ドラゴンズ。借金19に膨れ上がった6月14日、誰もが井上一樹監督(54)の休養入りと思ったが、球団幹部が表明したのはまさかの“涙の続投”。

 この翌日からグループステージ・オランダ戦が始まり、世間はW杯ムードに包まれたのだが、ここから中日は約半月間で5位に1.5ゲーム差まで肉薄していたのだ。

中日が調子を上げたわけではない

 セ・パ交流戦後に「風向きは変わる」と井上監督が予感していた通り、最下位脱出も見えてきた中日。しかしながら借金は18と減っておらず、決してチーム状態が上向きになっているとは言い難い。

 横浜DeNAベイズターズが勝手に落ちてきた末の1.5ゲーム差なのだ。6月も7勝13敗と負け越した中日に対して、4勝15敗と中日以上の借金を作ってしまったDeNA。6月27日には広島東洋カープに抜かれてリーグ5位に転落。

 4位のカープは6月を9勝9敗1分と5割で乗り切るも、やはり借金を減らすことなくDeNAとは1.5ゲーム差。つまり下位3チームが3ゲーム差の中で最下位を争い、セ・リーグは見事に「3強3弱」になっているわけだ。

5月20日の中日対阪神戦、ネットでも井上一樹監督の“めっちゃ笑顔”が話題になっていた

「決して上位も“3強”とは言えませんが」と嘆くのは、セ・リーグ球団を取材する野球ライター。

下位がそれぞれ借金12〜18を抱えているにもかかわらず、首位の巨人は貯金7、阪神とヤクルトもそれぞれ6と数字に見合っていません。阪神をはじめとする巨人以外の5チームが、交流戦でパ球団にことごとく貯金を喰われた結果です

 パ・リーグ上位3チームの貯金は、福岡ソフトバンクホークスが16、埼玉西武ライオンズと北海道日本ハムファイターズは12。下位もまた借金18の最下位・東北楽天ゴールデンイーグルス以外は、4位の千葉ロッテマリーンズ、5位のオリックスバファローズともに勝率5割をキープする異様な順位になっている。

パにとって“セ・リーグ銀行”状態

「とにかくセが弱すぎて、交流戦はパにとっての“ボーナスステージ”状態でした。日ハム・新庄剛志監督(54)が交流戦を前に“行ける予感”と発言をしてセファンを怒らせていましたが、その予感は現実となり、ぐうの音も出ません。

 かつてDeNA前身の横浜大洋ホエールズが、他のセ球団から“横浜大洋銀行さん”などと揶揄される時代もありましたが、今やパにとって“セ・リーグ銀行さん”と呼ばれかねない実力差。セの首脳陣、フロントも現状を打破してもらいたいですね」(前出・ライター)

 ブラジル戦が行われた6月30日、やはり広島戦を落とした後に「絶対に下を向かずに戦っていきます」と、ファンに謝罪しつつも前を向いたDeNA・南場智子オーナー(64)。

 片や7月1日、「今月7月だよ。月変わったよ。いい月になるっしょ」などと、相変わらずもポジティブな予感をコーチミーティングで伝えたという中日・井上監督。

 セ・リーグの2球団がシーズン後半で見せるのは、最下位争いか、それとも上位への巻き返しか。どちらの姿を見せるのだろうかーー。