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 9月19日から23日までのシルバーウイーク、4日間にわたる嵐の宮城コンサートが終了した。

 当初こそ、4日間で20万人以上の来県で交通機関の混雑、ホテル不足、また一般観光客への影響などが問題視されていた宮城コンサート。ところがふたを開けてみれば、『ひとめぼれスタジアム宮城』を中心とした県内は、重い空気を吹き飛ばす“嵐”旋風が巻き起こっていた。

 東北地方最大の玄関口となる仙台駅は異様な雰囲気。メンバーがCMキャラクターを務める企業広告の垂れ幕がドーンとお出迎え。

 さっそく撮影スポットとなった。構内の牛タン専門店や、お土産売り場は女性客ばかり。BlastTシャツを着て、Blastトートバッグを抱える彼女らは当然、嵐ファンだ。

 スタジアムまでは、仙台駅や最寄りの利府駅などからシャトルバスが出ている。時間ごとに定員制で出発便が区切られており、長い列こそできているもののバス到着後はスムーズに乗ることができる。利府駅では路線バスも臨時運行していて、ストレスなく移動することができたようだ。

 山間に立つスタジアム、ならびに総合運動公園だが、すぐ近隣には住宅街も広がっている。騒音問題も気になるが……。

「いえ、歌もよく聞こえるし庭でバーベキューをしたりと楽しませてもらっています。大歓迎ですよ。ただ観客が駐車場を探しているんでしょうが、たびたび車が走り回るのが迷惑ですね」(近隣住民)

 住宅街では警備員が配置され、住民パスをつけていない車の侵入を防いでいる。駐車違反で1日5件ほどの取り締まりがあったようだ。スタジアム外だけでも400~500人の警備員が期間中の治安維持に努めていたのだという。

 さて公園内に開かれた通称『嵐ランド』の“目玉”、復興応援市場はどうか。スタジアム横の広場には40軒以上の露店が出店、ほぼ飲食がメーンである。やはり名物の仙台牛や牛タン料理が人気で、1時間待ちもザラだった。

「牛串焼きはおかげさまで今日も午後一番で完売です。ええ、コンサート中はずっとこの調子でした」(店員)

 ほかに山形いも煮や気仙沼ホルモン、蒸し牡蠣など、東北名物が人気。中には九州ラーメン、富士宮焼きそば、さらにはトルコ料理のケバブなどなど、東北色のない出店も多かった。

 それにしても最寄りのコンビニまで徒歩10分、周囲に飲食施設もほとんどないため露店で買う前提なのだろう。アンテナショップブースには、仙台の観光PRキャラ『むすび丸』のグッズ販売も。

「嵐さまさまです。演出映像に『むすび丸』が映っていると、ファンの方にも好評です。でも、もうちょっとジャニーズさんに売り込みたかったですね(笑い)」(販売担当者)

 屋外イベントの問題点といえば、女性トイレ。仮設トイレを100個ほど設けてはいても、やはり長~い列に30分は並ぶ。晴天に恵まれて日差しが強かったせいか、建物やテントなど日陰の場所取りも熾烈だった。そしてようやくコンサートが開始。

「5万2000人、みんな幸せにしてやるゼ!」

 黄色い歓声に包まれたスタジアム周辺には、いわゆる“音漏れ”参戦者がざっと1000人。でも、熱心なファンばかりではなく、小さい子どもを連れた親子も目立つ。

「お昼に屋台で食べて、せっかくなのでコンサートの雰囲気を味わおうかと。でも、子どもたちは嵐よりも芝生遊びに夢中です(笑い)」(母親)

 なるほど近所からの“臨時”参戦者だ。家族のちょっとした連休のお出かけにも、嵐ランドは重宝されたようだ。