疲れ、冷え、むくみ、不眠…その不調、血流のせいかも!?

 身体がだるく、疲れやすい。肌のくすみ、顔や手足のむくみがひどい。ぐっすり眠れない……。こうした不調の症状を感じながらも、「年のせいだから仕方ない」と思っている人は少なくないはず。

血流低下の弊害

「その原因は、“血流”にあるかもしれません」

 こう語るのは、骨格矯正サロンの院長でカイロプラクターの片岡夕美子さん。

「加齢による血流の低下は避けられません。年齢とともに血管が硬くなり、しなやかさを失うことや、閉経後のホルモンバランスの変化、運動量の減少、冷えなどが血流を滞らせることが原因です。血液がスムーズに流れていないと、体調不良につながります。疲労感、肌荒れ、肩こり、腰痛、不眠、抑うつ状態などの症状は、血流低下のサインの可能性があるのです」(片岡さん、以下同)

 生命維持に不可欠な血液は、酸素や栄養を全身の細胞に届け、老廃物を回収する役割を担っている。この流れが滞れば、体内の細胞に酸素や栄養が十分行き渡らず、老廃物もたまっていくため、身体は悲鳴を上げることに。

「重要なのは、血流が滞っている状態を放置しないことです。そのままにしていると、身体の機能が徐々に低下していき、最後には血管の病気などにつながりかねません。逆にケアをきちんとすれば、血流の低下は回復可能。心身の不調を解消できます。そのカギとなるのが『背骨』。背骨をほぐすだけで、驚くほど血流は改善するのです」

 血流の改善に、背骨がどのように関わっているのだろうか。

「血液は、背骨や骨盤、胸骨などの内部にある骨髄で主につくられています。背骨には脊髄が通っていることもあって、背骨やその周りの筋肉が、しなやかに動くかどうかで血のめぐりは大きく変わってくるのです」

実年齢より上に見られる人は背骨がカチコチ

 そして、背骨の状態は見た目にも影響してくる。

「私のサロンに『実年齢より上に見られる』と悩んで来られる方は、ほぼ100%、背骨が固まってカチコチです。血流が悪くなれば肌の調子も悪くなりますし、姿勢も悪くなって、老けた印象を与えます」

 片岡さんは、背骨にアプローチして血流アップを図るストレッチを考案。これまで延べ4万人以上の身体と向き合い、成果を上げてきた。上記で紹介しているのは、その一部。「魔法の背骨ほぐし」と銘打つ、自宅で手軽にできるセルフケアメソッドだ。

「器具はいらず、お金もかかりません。必要なのは半畳分のスペースだけ。場所を問わず、1~2分のわずかな時間で取り組むことができます」

血流が滞りやすい人の特徴

肩こり・首こりがひどい

肩や首周りは多くの血管が集まる部位。重い頭を支えるため常に緊張を強いられ、血流が滞りやすい。スマホやパソコン作業で長時間同じ姿勢でいるのも、血流低下の要因となる。

手足がいつも冷たい

血流が悪くなると、心臓から送られる血液が手足の末端まで十分行き渡らなくなる。血液は体内の熱を運ぶ役割もあるので、滞ることで体温が保たれず、手足の冷えにつながる。

顔や手足がむくんでいる

血液やリンパ液の流れが悪くなると、体内の余分な水分や老廃物が血管を通じて排出されず、皮下にたまっていく。結果、顔や手足にむくみが生じやすくなる。

背骨周りの筋肉を優しくゆっくりほぐす

 家事をしながら、テレビを見ながらというように、日頃の行動の中に組み込んで行う「ながら」トレーニングであれば、必然的に習慣化し、楽しく続けられると片岡さん。

「ストレッチというと、痛いのを我慢してぐいぐい強く筋肉を伸ばすイメージを持っている方もいるかもしれません。でもそれは逆効果です。反対に筋肉が縮こまってしまいます。優しくゆっくりほぐしてあげると、筋肉はこわばらず、しっかりと伸びてくれます。また、呼吸をセットにするのもポイント。『吸って、吐いて』の、規則正しい呼吸のリズムによって、自然と血液の流れがよくなっていくのです」

血流改善で心も元気に人生が豊かになる

 その効果は歴然。疲れがとれて身体が軽くなったり、肌の色つやが変わってきたり、顔や手足のむくみが取れるのを実感できるという。

「人間の身体は、素晴らしい回復力を持っています。不調を感じている人は、背骨をほぐして血流を促してみてください。そうすれば身体だけでなく、心も元気になって前向きになり、行動も変わっていきます。

 結果、人生そのものが豊かになっていくはず。年のせいにして何もしないのはもったいないです。1日2~3分でもいいので、ぜひ挑戦してみてください」

滞った血流を改善! 魔法の背骨ほぐし

 背骨にアプローチして、血流をアップさせるストレッチを3つご紹介。効果の高い、おすすめのストレッチを片岡さんに選んでもらいました。やりやすいものを組み合わせて、1日5分を目安に行いましょう。効果は必ず表れるので、2週間は続けてみて。

効果アップの5つのポイント

・ぐいぐい反動をつけず、優しく筋肉をほぐすように
・ゆっくり時間をかけて身体を動かす
・呼吸を止めず、「吸って、吐いて」のリズムに合わせる
・家事など日課に組み込む、「ながら」トレーニングで習慣化
・努力不要、楽しみながら取り組むことを第一に

壁立て伏せ

肩や首周りの血流をアップさせ、肩こりを解消。家事の合間やトイレに立ったときなど、隙間時間にやるだけで身体が軽くなり、疲れがとれる。姿勢がよくなる効果も。

STEP1

壁立て伏せ:1.壁を正面に、少し離れた位置にリラックスして立つ。両腕を目の高さくらいに上げて、肩幅よりやや開いて手を壁につく。

壁を正面に、少し離れた位置にリラックスして立つ。両腕を目の高さくらいに上げて、肩幅よりやや開いて手を壁につく。

STEP2

壁立て伏せ:2~3.肩甲骨を背骨に寄せるように意識しながら、上体をゆっくり壁に近づける。呼吸は止めず、首に力が入らないように。腕で壁を押して、上体を起こす。寄せていた肩甲骨をできるだけ開く。背中は真っすぐ伸ばす。1~3を1セットとして、20~30回行う。

肩甲骨を背骨に寄せるように意識しながら、上体をゆっくり壁に近づける。呼吸は止めず、首に力が入らないように。腕で壁を押して、上体を起こす。寄せていた肩甲骨をできるだけ開く。背中は真っすぐ伸ばす。1~3を1セットとして、20~30回行う。

腰ゆらし

腰を左右にゆらすだけで腰周りの筋肉がゆるみ、血流改善につながる。ぎっくり腰の予防や腰痛の緩和に効果的。腰に痛みがあるときは、痛くない範囲で。

STEP1

腰ゆらし:1.立った状態で、上半身は動かさずに腰だけを左右にゆっくりゆらす。ひざは曲げず、「どこかに寄りかかる」ようなイメージで、お腹の筋肉を動かす。

立った状態で、上半身は動かさずに腰だけを左右にゆっくりゆらす。ひざは曲げず、「どこかに寄りかかる」ようなイメージで、お腹の筋肉を動かす。

STEP2

腰ゆらし:2.慣れてきたら、骨盤を前に突き出すように腰をゆらす。股関節の前側をストレッチするように、インナーマッスルを意識して。

慣れてきたら、骨盤を前に突き出すように腰をゆらす。股関節の前側をストレッチするように、インナーマッスルを意識して。

STEP3

腰ゆらし:3.お尻を後方に、お腹を少し引っ込めた状態で腰をゆらす。重心は後ろに。2、3の動きを加えることで、腰周りの柔軟性を高める。

お尻を後方に、お腹を少し引っ込めた状態で腰をゆらす。重心は後ろに。2、3の動きを加えることで、腰周りの柔軟性を高める。

ひじパタパタ

巻き肩や猫背を解消するとともに、呼吸が深くなって血液循環が活発になる。立ったまま場所を選ばずいつでも行えるため、ちょっとした時間にも取り組みやすい。

STEP1

ひじパタパタ:1.背すじを伸ばして立ち、腰に両手を当てる。胸を開きながら、肩を大きく後ろにぐるんと1回まわす。

背すじを伸ばして立ち、腰に両手を当てる。胸を開きながら、肩を大きく後ろにぐるんと1回まわす。

ひじパタパタ:2~3.腕をお尻にまわし、胸を開き、背中側で両ひじをくっつけるように近づける。呼吸は止めないように。近づけていた両ひじをゆるめる。2と3を10回繰り返す。慣れたら最大30回まで増やす。

2~3.腕をお尻にまわし、胸を開き、背中側で両ひじをくっつけるように近づける。呼吸は止めないように。近づけていた両ひじをゆるめる。2と3を10回繰り返す。慣れたら最大30回まで増やす。

教えてくれたのは片岡夕美子さん

Life&Energy代表。20年以上、延べ4万人以上に施術してきた美と健康の専門家。18歳でカイロプラクティックの道へ進み、独自のメソッドを開発。25歳で独立し、「サニタス東京中目黒」(東京・中目黒/パリ)をオープン。

『体調は血流が9割「魔法の背骨ほぐし」で疲れ・冷え・老化が改善!』KADOKAWA/税込み1650円

初著書 好評発売中!『体調は血流が9割「魔法の背骨ほぐし」で疲れ・冷え・老化が改善!』KADOKAWA/税込み1650円

取材・文/百瀬康司 イラスト/イトガマユミ