高嶋ちさ子、高橋英樹ら有名人が実践する「脳スッキリ習慣」

 厚生労働省研究班によると、2040年には認知症の高齢者が約584万人、軽度認知障害の高齢者が612万人になると推計されている。65歳以上の約3人に1人は認知機能が低下するというのだ。脳神経外科専門医の田澤俊明先生によると「脳を鍛えることで、老化のスピードを緩やかにすることは可能」とのこと。

高嶋ちさ子は写真を毎日1枚撮る

 ではどうやって脳を鍛えればいいのか。私たちがお手本にしたい有名人の取り組みを紹介しよう。

高嶋ちさ子

 写真を毎日1枚撮って、後で振り返って記憶を刺激

 楽譜を読み、楽器を演奏する人はボケにくいともいわれている。まだ50代で、頭のキレを感じさせるトーク力を持つ高嶋ちさ子。そんな彼女の口から「ボケ防止」という言葉が飛び出した。これは、テレビ朝日系『ザワつく!金曜日』で、毎日、写真を撮る理由を明かしたときのこと。

 共演者らが「食べ物屋で動画を撮るのは好きじゃない」と言ったのに対して「この年になったら、写真は毎日1枚撮ったほうがいい。振り返ったときに“去年のあの日、誰に会ったかな”とか絶対思い出せないでしょ。でも、写真で見たら“あっ、この人と、ここの店に行ってた”って思い出すから」と説明。

 田澤先生も「画像を見ることで過去の思い出がよみがえり、大脳皮質が活性化されてよい刺激になるのでいい策では」と太鼓判。

松平健は筋肉刺激で脳を活性化

松平健

 健康の秘訣はウォーキング。筋肉刺激で脳を活性化

 昨年には大阪万博でマツケンサンバⅡを熱唱して、世界の人を幸せにした上様こと、松平健。あの軽快なダンスは、毎日のウォーキングの賜物だそうだ。

『マツケンサンバのハッピーまちがいさがし』の出版会見で、自身の脳活について聞かれると「私はウォーキングですね。ウォーキングでセリフや、歌を覚えたり。時間がないときでも20分くらい、普段は1時間前後ですね。なんか集中できる」と、ウォーキングが日課となっていることを明かしている。

 ウォーキングが身体にいいことは知られているが、実は脳の働きにも大きく影響する。

「筋肉を動かすことによって刺激が感覚神経から脳幹、小脳、大脳新皮質へと伝わり、脳を活性化するのです。できればただ歩くだけでなく、もうひとつ別なことも同時に行ってください。何かを覚える、計算をしてみる、あるいは世界の国名を思い出してみるというように、脳に負荷をかけると、さらに脳を鍛えられます」と田澤先生。

南美希子は元気におしゃべり

 1日8000歩以上歩き、元気におしゃべりを楽しむ。

 骨粗しょう症だった母親が転倒・骨折をきっかけに寝たきりとなり、その後認知症を発症。さらに祖母も認知症だったことから、南美希子は認知症予防を強く意識するようになったという。医師である弟からのアドバイスもあり、現在は1日8000歩以上を目標に歩くことを習慣に。毎日変わる吉方位を調べ、そこに向かって歩くことを楽しみながら実践しているそう。 

 また、「頭をクリアに保つには、元気でおしゃべりすることがいちばん」「人と接するときは相手の良いところを見つけ、積極的に褒める」ことも心がけているとのこと。

「人と会話したり、相手の長所を探したりする行為は、脳をフル回転させ、脳の活性化につながります。日々の中で、自分で楽しみを見つける姿勢がいいですね」(田澤先生)

高橋英樹は気になったことはメモ

高橋英樹

 気になったことはメモをする。文字にして記憶に残すことが大事。

 レベルの高いクイズ番組で、歴史の問題など幅広い知識で次々と解答していく高橋英樹。衰えを知らない様子には、驚かされるばかりだが、いったいどんな脳トレをしているのだろう。

 今から5年ほど前、70代後半だったころ、健康飲料メーカーのトークセッションに参加して「私は記憶力維持のために1日のことを思い出しながら、文字に残すようにしています」と語っている。新聞を読み、気になったことはメモをしながら記憶に定着させていたという。

「まず、書くということ自体が指先を使い、脳も刺激できるので良いアクションだと思います」(田澤先生)

 つい最近のブログでは、「強い抗酸化作用を持つアメーラトマトを使ったサラダ」や、レタスやトマト、ブロッコリー、キュウリ、ブロッコリースプラウト、ゆで卵などがたっぷり盛りつけられた「大皿サラダ」を紹介。健康的な朝食を披露している。

中尾ミエは華やかにして気分を上げる

 口紅をつけたり、着るものを華やかにして気分を上げる。

 生まれ年の干支に、一巡して還る、節目となる還暦。何だか本格的にシニア人生が始まったようで寂しい気持ちになる人もいるかもしれないが、そんなときに背中を押してくれるのが中尾ミエの素敵なことば。

 雑誌『ハルメク』の記事中で、60代、70代の人生について、こう語っている。

「時間は待ってくれないわけだから、今という貴重な時間を自分らしく、人に何を言われても好き勝手に生きないと、もったいないなと思います」

 そして、「公園に行くときも口紅をつけたり、着るものもどんどん華やかにしていい」と語る。

 外見が変わると気持ちが変わる。もうどうでもいいやと思ったときに、脳も老け込み、衰えだす。

 田澤先生によると「服の組み合わせを考えたりすることも脳活につながります。また、身だしなみを整えれば、人に会いたくなってくるでしょう。社会参加は認知症予防の重要な要素のひとつです」

毒蝮三太夫は3つの「ベル」で頭の働きを維持

毒蝮三太夫

「食べる」「しゃべる」、「調べる」の3つの「ベル」で頭の働きを維持。

 毒蝮三太夫がYouTubeチャンネル「マムちゃんねる」で、認知症予防について語っている。毒蝮は、90歳だが、いまだ記憶力がすごいとか。人名も地名もすらすら出てくるそうだ。

 そんな脳をどうやって維持し続けているかについて、「“食べる”は、生きる喜びや活力に直結している。“しゃべる”は、人との関わりがないと、できない。“調べる”は、辞書を引くくらいはしてほしい。人生はまだまだこれからなんだよ。いくつになってもまだまだこれから。昨日よりもましな自分を目指そうじゃない」。毒蝮は、ボケてなんかいられないようだ。

「自分に言い聞かせることも大切。普段から心がけていれば、脳はいくつになっても鍛えられるという見本ですね」(田澤先生)

教えてくれたのは田澤俊明先生

新都心たざわクリニック理事長。日本脳神経外科専門医。著書に『大丈夫!何とかなります 物忘れ 認知症は改善できる カラダとアタマが冴える、健脳生活のコツ』(主婦の友社)など。

<取材・文/水口陽子>