俳優業が「ハマった」女性アナTOP5

 続々と最終回を迎えた春ドラマ。前クールで大健闘を見せた作品のひとつが『時すでにおスシ!?』(TBS系)だろう。前評判は決して高くなかったが、“子育てを終えた女性の第二の人生”というテーマを丁寧に描き、世帯視聴率は平均で5・5%を超えた。

 登場人物の一人として個性を発揮していたのが、主役を務めた永作博美の親友で、ヨガインストラクターを演じたフリーアナウンサーの有働由美子。本格的なテレビドラマ出演は、意外にもこれが初。視聴者の反応は賛否両論だったが、話題性は十分だった。

 女性アナウンサーから俳優へと転身を遂げた成功例としては、NHK出身の野際陽子さんが第一人者として挙げられる。その系譜に久々に名を連ねたのが、元TBSアナウンサーの田中みな実だ。女性アナウンサーはなぜ俳優を目指すのか。そして、その演技を視聴者はどう見ているのか─。30代〜60代の男女300人が、忖度なしで演技力をジャッジ! はたしてその評価は?

俳優業が「ハマった」女子アナ5位有働由美子

有働由美子

「ハマった」ランキングで5位、57歳にして連ドラ初デビューを果たした有働由美子。

「何をやっても有働さんにしか見えない」(東京都・男性・58歳)

 など否定的な意見がほとんどのなか、

「演技にも妥協していないように見えた」(兵庫県・女性・37歳)

 と、好意的なコメントも。2024年に『news zero』(日本テレビ系)を降板して以来、テレビで見る機会が減ったように思える有働。丸2年にわたりMCを務めた音楽番組もこの春に終了し、現在のテレビのレギュラー番組は日曜夜の『有働Times』と、平日昼間の15分間の帯番組『有働由美子の健康案内人!』(共にテレビ朝日系)のみ。

 作家で芸能評論家の宝泉薫さんは「露出が減って正念場を迎えた今、新たな活路を求めた結果の役者挑戦、とも見受けられますね」と話す。

「きれいどころの多い女性アナウンサーのなかで、自分は“美人枠”ではないとよく自虐ネタにしています。一方で最近の50代女優たちは美魔女路線を意識しすぎて、自然体で中年女性を演じられる人が案外少ない。有働さんは、そのポジションにスッと入り込めるかも。今後の動向に注目ですね」(宝泉さん)

俳優業が「ハマった」女子アナ4位森香澄

「ハマった」ランキングで4位となったのは、元テレビ東京アナウンサーの森香澄。昨年放送された深夜ドラマ『年下童貞くんに翻弄されてます』(毎日放送系)では、超特急の柏木悠とともにW主演を務めた。

「本人のキャラに合った演技ができていると思う」(宮城県・男性・61歳)「タレント、グラドル、俳優とあれこれやって迷走している感じ」(愛知県・男性・61歳)

 と、賛否が相半ばした。

「演技がすごくうまいわけでもないし、演技に情熱を注いでいるわけでもない。中途半端だからこそ、業界内では便利で使い勝手がいいんですよ」(宝泉さん)

 バラエティー番組、ドラマのちょい役、よくわからないイベントや記者会見などに引っ張りだこで、今や見ない日はないほどの売れっ子に。だが、そこはかとないB級感はぬぐえない……。

「田中みな実の“ジェネリック版”と考えるとしっくりきます。最近では、アナウンサーを目指す女子大生たちの多くが、目標とする人に森の名を挙げるのだとか。局アナは“腰かけ”だと就活の場で宣言しているようなものですが、そこに気づかないのが恐ろしい(笑)。若い女性たちには、彼女の存在はキラキラして見えるのでしょう」(宝泉さん)

俳優業が「ハマった」女子アナ3位高島彩

高島彩

「ハマった」ランキングの3位は、元フジテレビアナウンサーの高島彩。俳優としての目立った活動は、'15年放送の日曜劇場『下町ロケット』(TBS系)の医療ジャーナリスト役ぐらい。しかも2話のみの出演にもかかわらず、3位にランクインとは驚きだ。

「『下町ロケット』で見せた芯のある女性の演技がよかった」(京都府・男性・62歳)

「上品な雰囲気がよい」(愛知県・男性・66歳)

 など、やはりオジサマ人気は今も健在。

「20年も前ですが、『好きな女性アナウンサーランキング』で5年連続1位となり、殿堂入りしただけのことはある。これほどの人気と実力を兼ね備えた方は、そうそう出てきません」(宝泉さん)

 高島の父親は、『くいしん坊!万才』の2代目リポーターでもあった俳優の竜崎勝さん。高島が5歳のときに死別しており、父親の記憶はほとんどないと語っている。天性の演技力は父親譲りなのかもしれない。「ゆずの北川悠仁さんと結婚し、出産されてからは仕事も吟味している印象。再び彼女の演技を見ることは難しいかもしれませんね」(宝泉さん)

俳優業が「ハマった」女子アナ2位八木亜希子

元フジテレビの八木亜希子アナ

「ハマった」ランキングの第2位は、同じく元フジテレビアナウンサーの八木亜希子。出演作は意外に多く、三谷幸喜が脚本・監督を務めた映画『みんなのいえ』('01年)では日本アカデミー賞新人俳優賞も受賞している。

「自然な立ち居振る舞いもいい」(新潟県・男性・57歳)

 と、こちらもオジサマたちから多くの支持を集めた。

「女優を始めたばかりのころは、ぎこちない演技だった印象です。10年くらいたってからようやく八木さんらしさが出てきた。コツコツと努力を積み重ねてきた結果ですよね」(宝泉さん)

 テレビがもっとも元気だった'90年代に、有賀さつきさん、河野景子とともに「花の三人娘」と呼ばれ、女子アナブームの火付け役にもなった。還暦を過ぎた今では、母親役を演じることも多い。

「女性タレントのスター性や演技力を見抜く明石家さんまさんのお気に入りであることからも、八木さんが女優として十分に通用する魅力を備えているのは間違いない。彼女ならではの品の良さや柔らかな空気感を、これからも演技に生かしてほしいですね」(宝泉さん)

俳優業が「ハマった」女子アナ1位田中みな実

田中みな実

「ハマった」ランキングで132票を集めて圧倒的な1位となったのは、田中みな実。

 2014年にTBSを退社後は、フリーアナウンサーが多く在籍する事務所に所属。バラエティー番組のMCなどを務めていたが、6年目に、

「新しいことに挑戦したい」

 と、戸田恵梨香や有村架純らが所属する芸能事務所に移籍。フリーアナでは珍しく、本格的に俳優を目指すことを宣言した。

「露出が増えすぎて食傷ぎみ」(東京都・男性・55歳)

 とアンチもいるものの、

「病んだ演技がすごくいい」(京都府・女性・40歳)

「意地の悪い、ツンとした女性の役が似合う」(大阪府・女性・62歳)

 と、俳優転身から6年目にして女性ファンも着実に増えてきているよう。

「女優業に対する覚悟がほかの女性アナウンサーとは明らかに違います。新しい事務所ではバラエティーの仕事をすべてやめるように言われ、不安に思いつつも従ったという逸話は有名。若いころは“あざとい”と言われていましたが、それも周りがつくったキャラクターをまじめに貫いた結果でしょうね」(宝泉さん)

 昨年は地上波の連ドラ2本に出演。今年9月公開の映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』では、物語のカギを握る重要な役どころを演じている。

「アナウンサーから役者への転身としては、野際陽子さん以来の成功例になりつつある。今後、“いかにも田中みな実”の役柄から脱却することができれば、女優としてさらに大きく飛躍するでしょう」(宝泉さん)

 群雄割拠のフリーアナ市場。年齢を重ねるほど仕事の幅が狭まる女性アナウンサーにとって、長くキャリアを築ける俳優業が魅力的な選択肢であることは間違いない。

 しかし“華麗なる転身”への道は、思ったほど甘くはないようだ─。

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