10代後半〜20代の7割、30代の6割近くがテレビをほぼ見ないというNHK放送文化研究所の調査結果が今年6月、発表されるなど若者のテレビ離れがますます顕著に。
そんなご時世、昨年の月9『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)の小泉今日子(60)や前クール『時すでにおスシ!?』(TBS系)の永作博美(55)、7月スタート『ラストノート』(フジテレビ系)の内田有紀(50)など、ヒロインがミドル世代のドラマが話題を呼んでいる。
小泉今日子の『続・続・最後から二番目の恋』
現在の主なテレビの視聴者層に合わせて恋愛ドラマもミドル世代に振り切っているのか。漫画家でテレビウォッチャーのカトリーヌあやこさんに聞いた。
「『続・続・最後から二番目の恋』の成功が大きな転機になりました。同作は恋愛要素に終始せず、仕事やこれからの生き方の中に恋愛を自然に織り込み、ミドル世代に刺さる大人の物語として完成していました。
主演の小泉さんや、同作にも出演した内田さんは1990〜2000年代の“ドラマ黄金期”を代表する女優で、当時10代〜20代だった現在のミドル世代視聴者層にとってまさに親しみ深く、懐かしさと共感を覚えるのもポイントです」
さらに『時すでにおスシ!?』には、新しい視点が加わっているという。
「夫と死別し、息子も独立した主人公がひょんなことから寿司修業をする、まさに新しい世界に一歩踏み出すセカンドライフの物語。これまでは“結婚(ゴール)=めでたしめでたし”が恋愛ドラマの定番でしたが、人生100年時代といわれる現代の、“その後の人生をどう生きるか”をテーマにしたミドル世代のリアルなドラマとなっています」(カトリーヌさん)
スマートフォンが普及する以前は、多くの人がリアルタイムで同じドラマを見て、学校や職場でも幅広い年齢層が同じ話題を共有していた。そのため現在のミドル世代には「テレビをリアルタイムで見る習慣」が根づいている。
夏ドラマに『VIVANT』『GTO』
一方、若い世代は動画配信サービスなどで自分の好きな時間に作品を視聴することが一般的。かつての月9のような、キラキラの恋愛ドラマは地上波で絶滅寸前なのか……。
テレビから消えたというより「映画館」へと舞台を移したのでは、とカトリーヌさんは分析する。
「人気アイドルや注目の若手俳優が主演する恋愛映画は、入場特典なども充実。しかも劇場公開が終われば、すぐに配信に移行されるのでファンにとってはタイパも含め、おいしい(笑)。また、純愛ドラマは今や一大ブームのBL(ボーイズラブ)系にも引き継がれていると感じています」
さらに視聴者の「推し」が細分化され、一極集中の国民的スターで視聴率を集める時代ではなくなったことも、地上波で若者向け恋愛ドラマが作られにくい理由のひとつだという。
しかし、7月スタートのドラマには希望も。『GTO』(フジテレビ系)は、生徒役を15~17歳の「リアル高校生世代」に限定したオーディションを実施。異例の2クール連続放送となる『VIVANT』(TBS系)、『silent』の脚本家が手がけた『Tシャツが乾くまで』(TBS系)など期待のラインナップがそろう。
重厚な人間模様を軸にしながら、学園ドラマなどで若い才能を発見できれば、幅広い視聴者層を取り込み、新たなテレビドラマの魅力を生み出す活路が開けるのではないだろうか。
取材・文/住田幸子
