阪神、ヤクルトと激しい首位争いを展開している巨人。鉄壁の投手陣の足を引っ張る「超極貧打線」がファンはやきもきさせていたが、7月7日の阪神戦ではエース高橋遥人から4点を奪い、劇的な逆転勝利を収めた。その裏には、チームが抱える「3つの問題」を解消し、再生させた橋上監督代行の執念の采配が……。
伝統の一戦で見せた劇的な幕切れに、東京ドームは歓喜の渦に包まれた。7日の阪神戦、巨人は重苦しい空気を吹き飛ばす。1対3で迎えた7回裏には、育成から支配下登録されたばかりの知念大成がプロ初安打を放って満塁にすると、最後は頼れるベテラン・坂本勇人が起死回生の適時二塁打を放ち、4対3と鮮やかな逆転勝利となった。
「直近6試合の平均得点が1.5点と深刻な貧打に喘ぎ、好投するウィットリーや竹丸和幸を見殺しにする展開が続いていただけに、3点取られた段階で早くも負けムードが漂っていました。しかし、その絶望的な状況から開幕10連勝中だった高橋遥斗を攻略し、初めて土をつけたことは、チームにとって1勝以上の価値があったと言えます」(スポーツジャーナリスト)
まさに機能不全に陥っていたチームが「劇的再生」した試合だったが、ファンのフラストレーションは限界寸前だった。
外国人コーチ・選手に批判集中
「最も批判が集まっていたのが、ウィーラー、李承燁(イ・スンヨプ)両打撃コーチの指導体制でした。通訳を介したコミュニケーションの難しさを指摘する声もありましたが、現場では橋上監督代行がスコアラーとのパイプ役を務め、両外国人コーチも積極的に対話を重ねてきました。地道な意識改革がここへきて一気に実を結び始めています」(同前)
また、打線の軸として期待されながらも、確実性を欠いていた助っ人外国人もやり玉に。
「ダルベックとキャベッジは三振の多さがネックとなり、不要論も囁かれていました。しかし、チーム内での本塁打数は群を抜いており、その長打力は魅力。一度休ませて調子を見極めるのか、我慢して使い続けるのかという議論がある中で、これまで並べることがほとんどなかった2人を三番、四番に起用。その結果、ダルベックが四回に先制ホームランという最高の結果を出した。首脳陣の辛抱強さが功を奏した形です」(野球ライター)
そして何より、首位キープの立役者となったのは、打率1割台と低迷していたベテランの底力だ。
「現在の坂本は、チームを精神的に支えるメンターとしての役割も大きく、守備面での貢献度も高い。数字以上の価値があることはわかっていましたが、ここ一番で勝負強さを見せつけたのはさすがの千両役者です。丸佳浩にしても、ベンチに控えているだけで相手投手にプレッシャーを与える『怖い代打』としての存在感は絶大。“ベテランの経験値”がチームに欠かせないことを改めて証明した格好です」(前出・スポーツジャーナリスト)
「ごめん」ファンは手のひら返し
ネット上でも、巨人ファンから《ピッチャーが凄すぎるのに援護がなさすぎて可哀想だったから、今日野手陣が応えてくれて本当に嬉しい》《ベンチが一丸になっているのが伝わってきた》《ダルベック、扇風機なんて言ってごめん》とのコメントが並び、手のひら返しとなっている。
「阪神の藤川球児監督は、ローテーションを動かしてエースの高橋をこの首位攻防戦に送り込んだ。これに対し、橋上監督代行は4選手を異例の同時抹消。代わりに昇格した知念が坂本に繋ぎ、藤川監督の勝負手を粉砕した。『外国人コーチとのコミュニケーション不全』『ダルベックに四番は無理』『坂本らベテランの処遇』といったこれまでの批判をすべて最高の形で反転させたその采配は、まさに神がかっていました」(前出・野球ライター)
“3つのアキレス腱”を完全覚醒させた橋上マジック。7月8日の阪神戦では、才木を攻略できず、再び猛虎と同率首位となってしまったものの、ファンの期待を背負い巨人打線はいよいよ爆発するのかーー。
