4月期ドラマ『夫婦別姓刑事』でのハラスメント報道を巡り、フジテレビに対し「心から、もうフジとは関わりたくない」と衝撃の決別を宣言した俳優・佐藤二朗。秋の超大作映画『踊る大捜査線 N.E.W.』についても「僕のところは全てカットしてほしい」とまで口にしたことで、両者の関係は完全に破綻した。
佐藤二朗、過去のフジテレビドラマ
「佐藤さんは最終的にカットの手間など、多くの関係者に迷惑がかかることを懸念し、《撮り終えたシーンを「カットして」は本広さんは勿論、多くに迷惑をかけます。その部分は心より謝罪し、取り消します。》と訂正しました。でも、《心からフジとは関わりたくない》という言葉はあまりにも衝撃的です」(芸能ジャーナリスト)
現時点で、佐藤が「NO」を突きつけたフジテレビ。その後、フジの反論はないが今後の新規出演が絶望的となった今、業界内やファンの間で最も懸念されているのが、佐藤がこれまで出演してきた「フジテレビの過去の名作ドラマへの影響」だ。
佐藤二朗といえば、コミカルな怪演からシリアスな演技までこなす唯一無二のバイプレイヤー。フジテレビにおいても、長年にわたり数多くのヒット作にスパイスを添えてきた。過去の作品を見てみると、2000年の唐沢寿明出演ドラマ『ラブコンプレックス』を皮切りにその作品数は50近くにも及ぶ。
中でも山下智久と長澤まさみ主演の超人気作『プロポーズ大作戦』、『医龍-Team Medical Dragon-』『全開ガール』などは、今でも再放送やフジテレビの動画配信サービスFODなどで根強い人気を誇る作品だ。
しかし、今回のような役者本人からの完全な決別宣言が出た以上、今後の取り扱いは極めてデリケートな問題なる。再放送や配信はどうなるのか?
前出の芸能ジャーナリストは「最悪のケースを想定しないとならない」と、今度の見通しを2つの視点から指摘する。
フジが“お蔵入り”判断をする可能性も
「ドラマの二次利用は、出演者本人もしくは所属事務所の許諾が必要となるのが通例です。もう関わりたくなという佐藤側が、フジが利益を得る配信プラットフォームでの配信継続や、地上波での再放送に対し、許諾を出さないという可能性もあります。
それとは逆に、フジは橋本愛さんに対するハラスメントを外部弁護士の調査のもと“認定”しています。そのためハラスメント認定した俳優の過去作品を再放送するのは、企業のコンプライアンス上、難しいと判断して自らお蔵入りさせることも考えられます」
事件で逮捕者が出たわけではないため法的な拘束力はないが、かなり拗れてしまっている両者。当面の間、フジ地上波による佐藤二朗作品の再放送はなさそうだが「過去作品は過去作品」という見方も当然ある。別の芸能関係者の話。
「佐藤さんは秋公開の映画『踊る大捜査線』の出演シーンのカットを望みましたが、すでに撮り終えているためスタッフや共演者に迷惑がかかると、発言を撤回しました。ドラマもさまざまな人間が関わってひとつの作品です。佐藤さんのことですから、他の共演者に迷惑をかけたくないと、過去作品にまでは口を出してこないと思いますけどね」
ハラスメント問題の是非、そしてフジテレビの対応のあり方を巡る議論は平行線をたどったまま、エンタメ界の大きな財産が失われようとしている。一度壊れてしまった「テレビ局と表現者」の信頼関係。その代償は、あまりにも大きそうだ。
