コンビニの陳列棚(写真はイメージです)

 何かと便利なコンビニだが、「割高」というイメージから、利用を控えている人も多いのでは。だが実は、ちょっとした工夫でお得に活用できる場面も少なくない。コンビニ研究家・田矢信二さんに、賢い使い方を聞いた。

購買データから無料引換券やクーポンが

 日々の買い物で少しでも出費を抑えたい─。そんな中、意外と活用しきれていないのがコンビニだ。

「コンビニは便利さゆえに何となく使っている人も多いですが、使い方次第で節約につながるサービスや仕組みがあります。知らないままだともったいないですね」

 そう話すのは、コンビニ研究家で、本部社員として10年以上にわたりコンビニの現場を経験してきた田矢信二さん。

「カギになるのは、アプリの活用です」(田矢さん、以下同)

 近年、各コンビニは公式アプリの機能強化に力を入れている。アプリをダウンロードしておくだけでも、クーポンやキャンペーン情報をチェックしやすくなるが、より効果的なのは決済サービスと連携させること。電子マネーやQRコード決済を組み合わせれば、ポイント還元に加え、利用履歴に応じたクーポンや無料引換券が届きやすくなるという。

「例えば、お酒をよく買う人にはお酒のクーポンが届くなど、買い物の傾向に応じて内容が変わることがあります」

 普段よく利用するコンビニのアプリは、まず入れておいて損はない。また、見落としがちなのがレシートだ。買い物後、そのまま捨ててしまう人も多いが、レシートに割引クーポンや無料引換券がついていることも少なくない。

「アプリにしろ、レシートにしろ、チェックしないのはもったいないです。小さな金額でも積み重なると年間では大きな差になります。あなどれませんよ」

 例えば月1000円節約できれば、年間では1万2000円。日々の小さな積み重ねが、家計を助けてくれる。さらに、クーポンが出やすいタイミングを知っておくと、よりお得だ。狙いは季節の変わり目や新商品発売のタイミング。メーカーが販促を強化するため、割引や無料引換券が出やすくなる。

「コンビニごとに強みが異なる点も知っておきたいです。ローソンはスイーツやサンドイッチ、ファミリーマートは揚げ物系、セブン‐イレブンは飲料のクーポンなどが出やすい傾向にあると思っています。自分の使い方に合った店を見つけたいですね」

セブン-イレブンの「金の3種きのこクリームもっちり生パスタ」(494円)。撮影/編集部

 節約術と並んで注目したいのが、商品そのものの進化である。

年々上がり続ける冷凍食品のクオリティー

「コンビニ商品のクオリティーは全体的にかなり上がっていますが、特に冷凍食品の進化はすごいですね。味だけでなく、種類の豊富さや満足感も年々上がっていると感じます」

 以前は手軽さが魅力だった冷凍食品だが、今ではそのおいしさが専門店に引けを取らないほどの商品も増えている。

「価格設定も頑張っている。光熱費や調理時間まで考えると、かなり優秀といえます。手作りするとムダも出ますが、それもなく、洗い物も少ない。忙しい日や疲れている日、自炊が面倒な日にも頼れます。

 コストだけでなく、時間や手間を大きく減らせる点でも価値は高い。最近はパスタや麺類だけでなく、ワンプレートメニューやスイーツまでラインナップが充実し、選ぶ楽しさも増しています」

 コンビニの進化は食品だけにとどまらない。衣料品や生活雑貨、宅配サービスなど、その役割は年々広がっている。

 象徴的なのが、ファミリーマートののコンビニエンスウェア。高品質でありながら手に取りやすい価格帯で人気を集め、コンビニで衣料品を買うことへのイメージを大きく変えた。また、ローソンで展開される無印良品の商品も好評で、必要な日用品を身近な場所で買える便利さが支持されている。

 食品以外でも、コンビニの価値はどんどん広がっている。かつては急に必要なものを買う場所だったコンビニは、いまや日常生活を支えるインフラに。田矢さんが特に注目しているのが、セブン―イレブンの宅配サービス7NOWだ。

「宅配サービスがどこまで広がっていくのかは非常に興味深い。店舗に行かなくても必要なものがすぐ届く仕組みが今後ますます広がれば、利用シーンはさらに増えていくと思います

 これからのコンビニは、単に物を買う場所だけでなく、時間や手間をお金で買う場所として、ますます価値を高めていく。客に少しでも多く利用してもらうため、各社が仕掛ける便利さやお得さに注目だ。

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セブン-イレブン

ポイントだけじゃないランク特典が超優秀

 PayPayやnanacoなどの決済手段をセブン‐イレブンアプリに連携しておくと、各決済のポイントに加えて、セブンマイルも同時に獲得できる。また、一定金額以上の利用に応じて「ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ」といったランクが決まり、ランクが上がるほどクーポンや景品が当たる抽選権などの特典を受けられる。このほかにも、さまざまな商品の割引クーポンが配信される。

ファミリーマート

日用品などがお得に!家計にうれしい還元

「ファミペイ払いで、1個買うと1個もらえる」「ファミペイで何度でも使えるクーポン」など、ファミマ独自のファミペイ払いや、アプリ提示をするほど、お得なクーポンが出てくる仕組みになっている。飲料系だけでなく、除菌シートやシャンプーなど、日用品系のクーポンが多いのが特徴的。

ローソン

揚げ物クーポンにコーヒー無料ポイント二重取りでお得に活用

 揚げ物系やお菓子系のクーポンに強みがある。アプリにPontaパスを連携すると、毎週160円のコーヒーがもらえる限定クーポンがあるので、月額会費(税込み548円)を払っても元が取れる。さらに、au PAYで支払えば、Pontaポイントと二重取りできるので、ポイントが貯まりやすい。日頃からローソンを利用する機会が多い人ほど、節約効果を実感しやすいだろう。

田矢さんおすすめ高品質&「得」冷凍食品を紹介

セブン-イレブン

セブン-イレブンの「金のボロネーゼもっちり生パスタ」(494円)。撮影/編集部

 もともとカルボナーラやナポリタンなど300円前後の定番商品もあるが、田矢さんおすすめは「セブンプレミアム ゴールドシリーズ」の生パスタの「金のボロネーゼ」や「金の3種きのこクリーム」(各494円)。「もっちりとしたパスタに、濃厚なソースが絡むぜいたくな味わい」(田矢さん)

ファミリーマート

ファミリーマートの「麺屋こころ監修台湾まぜそば」(321円)。撮影/編集部

「麺屋こころ監修台湾まぜそば」(321円)は、専門店に負けないほどの本格的な味。モチモチした太麺に、魚粉のうまみがしっかり感じられる。「店で食べると1000円以上するものが、300円前後で買えるのは本当にお得! 卵黄を入れると、さらに美味しくなります」(田矢さん)

ローソン

ローソンの「焦がしバター香るカヌレ」(462円)。撮影/編集部

「胡麻さけおにぎり」や「わかめごはんおにぎり」(各149円)などのおにぎり、「焦がしバター香るカヌレ」(462円)がおすすめ。「冷凍で長期保存できるおにぎりが140円で買えるのは見逃せない。カップラーメンに付けるとランチになるので普段の食事にも。カヌレは温度感や食感を楽しめて、デザート気分を味わいたいときに。1個145kcalと低カロリーなのが好印象です。どちらも価格以上の満足感があり、ストックしておくと食事や間食に重宝します」(田矢さん)

※金額は税込みです。商品やサービスについては7月2日時点の情報になります

 撮影/編集部 取材・文/池田純子

田矢信二さん
コンビニ研究家(専門家・評論家)。近畿大学商経学部卒業後、セブン-イレブン、ローソンを経て、コンサルタント会社に勤務。コンビニの商品や売り場全般に詳しく、消費者目線で買い物し、試食する毎日。本部社員として働いた現場経験を生かし、コンビニに関する講演、セミナーをはじめ、テレビ、ラジオ番組などにも出演。主な著書に『セブン-イレブンで働くとどうして「売れる人」になれるんですか?』『ローソン流アルバイトが「商売人」に育つ勉強会』(共にトランスワールドジャパン)がある。