《超絶大傑作にしてシリーズ最高傑作》《冗談抜きでシリーズで一番泣けました》
とSNSでも話題の『トイ・ストーリー5』。
7月3日から日本で公開されたところ、公開3日で観客動員164万人、興行収入24億円を突破。『アナと雪の女王2』の初日3日間を抜き、実写を含む洋画作品のオープニング史上歴代1位という記録を叩き出した。
1作目の『トイ・ストーリー』('96年日本公開)といえば、全世界初のフル3DCGアニメーションだ。
「今ではデジタル描画は当たり前ですが、ピクサー・アニメーション・スタジオ(以下ピクサー)があのタイミングで出てこなければ、3DCGアニメーション映画の登場は10年遅れたでしょう」
と語るのは映画ライター、よしひろまさみちさん。
今年で日本公開から30年になるシリーズ。こんなにも長年愛される理由を、
「ピクサーの映画業界デビュータイトルであり、看板作品でもあるだけに、シリーズを通して第1弾を手がけたクリエイターがメインで関わっています。過去の作品のすべてを伏線として扱えるだけでなく、キャラ変がなくストーリーラインも齟齬がありません」
とよしひろさんは分析する。
また、時の流れがリアルに描かれているところもこの作品の魅力だという。
「ウッディの塗装が薄くなっているなど細かいところがきちんと描かれ、アニメーションなのにキャラクターの成長や経年が感じられる希有なシリーズだと思います」(よしひろさん、以下同)
アナログなおもちゃは必要ないのか
子どもだけでなく、大人にもなぜ人気なのか?
「30年の間に、ディズニーパークなどでの商品戦略も成功し、キャラクター個々の支持も普遍的なものになりました。親子で安心して見られるうえに、親世代も共感できる作品に成長したからでしょう」
最新作ではおもちゃの持ち主であるボニーがタブレットの「リリーパッド」を手にすることで日常が一変。タブレットによって時間や人間関係が支配される中、従来のアナログなおもちゃは必要ないのか、便利なことは本当に幸せなのか。簡単に人とデジタルでつながれる時代に、真の意味での友達とは何かを問うている。
「『4』も傑作だと思っていますが、これまで『3』が完璧なエンディングで、『4』は蛇足といわれていました。しかし、その『4』すら伏線のひとつだったと感じさせる、無駄のないストーリーです。デジタルvsアナログがメインかと思いきや、そうではない落としどころが。
おもちゃの願いは『子どもが笑顔になる』こと、というシリーズで貫かれたテーマを、現代社会の問題とあわせてわかりやすく描かれているのも、見どころですね」
シリーズを通して「おもちゃが持つ持ち主への愛情」「おもちゃと人間の絆」。ブレないからこそ、愛され続けるようだ。
