日本の野球ファンが熱視線を注ぐ“逸材”のもとへ、ついに大リーグからも声が。日本時間7月13日、米ペンシルベニア州フィラデルフィアで行われたMLBのドラフトで、スタンフォード大学の佐々木麟太郎がマーリンズから8巡目(全体235位)で指名を受けた。
日米で指名の佐々木麟太郎は「異例のパターン」
2005年4月18日、岩手県北上市で生まれた佐々木は現在21歳。生徒会長も務めた中学生時代は大谷翔平の父・徹さんが監督を務める『金ケ崎シニア』に所属し、2年の夏には4番として東日本選抜大会で優勝を飾った。その後、大谷や菊池雄星らを輩出した名門・花巻東高校に進学すると1年の春からレギュラー入りし、高校通算140本塁打を記録。2024年の秋にスタンフォード大へ進学し、2年間で106試合出場、23本塁打、88打点、打率は2割6分5厘の記録を残している。
「佐々木選手は高校時代からプロ注目の存在でしたが、当時はスタンフォード大で勉学と競技を両立させる決断を下しました。そんな中、今年は6月にMLBの有力ドラフト候補が集まって各球団に能力を示す『ドラフトコンバイン』に参加。打撃練習で飛距離約140メートルの特大アーチを放つなど、その力を存分にアピールして話題になっていました。
昨年10月には、日本プロ野球(NPB)のドラフトでもソフトバンク、DeNAから指名を受け、ソフトバンクが交渉権を獲得しています。1人の選手がNPBのチームから指名を受け、その交渉期間中にメジャーからも指名されるのは、異例のパターンです」(スポーツ紙記者)
7月5日、地元・岩手で取材に応じた際には、MLBのドラフトについて、
「自分自身が今までやってきた結果としてどういう評価を頂けるか率直に楽しみ。一方で緊張したり、不安に思うこともあるので……ちょっといろんな複雑な思いを抱えながら、迎える形になる」
と口にしていた佐々木。自身の置かれた状況に関しては、
「人と違うシチュエーションなので……。ホークスさんからも指名をいただいていますし、複雑な思いもすごいあるなと思いますし。それを含めても自分自身で覚悟して選んだ道ですし、それを受け入れなければいけない。しっかり向き合って考えなければいけない時間だと思う」
と、冷静に語っていた。
“第3の進路”を望む意見
そして結果、見事マーリンズからも指名を受けた佐々木。“進路選択”に大きな注目が集まるが、彼のキャリア構想には考慮すべき点が多くあるようだ。
「スタンフォード大には、キャリアやスポーツ、留学などを理由に休学することができる“休学制度”があり、さらに復学までの期限も厳しく設けられていません。佐々木選手が来年度からMLBやNPBでプレーすることを選択したとしても、引退後に再び同校を卒業することも可能なんです。
ただ、ソフトバンクはポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を基本的に認めていません。もし入団後、海外FA権の取得を待つと最短で9年、佐々木選手は30歳を迎えるシーズンまで待つことになる。ソフトバンクの城島健司CBOはポスティングについて“やらないと言っているわけではない”と語ってはいますが、佐々木選手が20代のうちにメジャーでのプレーを望む場合、慎重な判断が必要になるでしょう」(野球専門誌ライター)
さまざまな可能性を秘めた佐々木の進路選択。日本の野球ファンからは、「ホークスファンやけどメジャーで頑張ってほしい」「ホークスは二の次でいい。メジャーで行けるとこまで行ってほしい」といったアメリカでの活躍を願う声と、「最近のNPBレベル高いしソフトバンクに来てほしいなぁ」「まず日本で通用するか見極めてからでいいのでは?」など、日本プロ野球でのプレーを願う声で議論が起きている。
そして、そのどちらでもない“第3の進路”を望む意見も。
「スタンフォード大に残留し、さらなる活躍を見せることで来年、より良い条件を勝ち取るというものです。ネット上にも、“大学に残って来年、再来年ドラフト高順位の道が最適”“全体235位か。彼の目指すとこからすると、もう一回待つのもアリかと”“来年再来年に成績アップできる余地はありそうだから、今年は我慢しても良さそう”といったコメントが寄せられています。ただ、プロ選手として野球に専念できる環境に身を置いたほうが、大きなレベルアップを見込めるのも事実。21歳という年齢で1年をどう過ごすのか、もし大学残留を選んだ場合は、来年までに相応の成長を示す必要があるでしょう」(前出・野球専門誌ライター)
なお、NPBにおけるドラフト1位指名選手の契約金は、出来高を含め最大1億5000万円程度。これに対し、MLBにおける大学2年生の8巡目の相場は20万~25万ドル、日本円で約3200万~4000万円とされている。
MLBの交渉期限は日本時間7月28日の午前6時、NPB球団との交渉期限は31日まで。佐々木が選ぶ道は、果たして――。
