サッカー「FIFAワールドカップ北中米大会」準々決勝で、延長戦の末に3-1でスイスを破ったアルゼンチン。2大会連続の優勝に向けてベスト4進出を決めたが、試合ではスイス選手による“アシスト”が物議を醸してーー。
得点王候補のリオネル・メッシ選手(39)率いる、強豪アルゼンチンを相手に前後半を戦って1-1、延長戦まで持ち込むも2ゴールを許して力尽きたスイス。やはり後半27分にFWブレール・エンボロ選手(29)が退場したことで、11人対10人と数的不利を余儀なくされたことも要因と言えよう。
この試合で2枚のイエローカードをもらってレッドカード、退場処分となったエンボロ。しかし、当初は真逆の展開だった。
ライン際でボールを受けたエンボロがキープを試みると、これにチャージをかけたのがアルゼンチンのMFレアンドロ・パレデス選手(32)。背後から足を掛けて転倒させたことが悪質プレーと見られたのか、主審はパレデスにイエローカードを提示。
右足を押さえて苦痛の表情でピッチを転げ回るエンボロ。ところが、このファウルにアルゼンチンベンチが異議を唱えると、今大会から導入された「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」、つまりビデオ判定に委ねられることに。すると一転して、倒されたエンボロにイエローカードが突きつけられる。
当たってもないのに大袈裟に痛いふり
VARの結果、パレデスが足をかけていないことが判明。つまり審判を欺く反則行為である「シミュレーション」を取られ、それでもエンボロは“被害者”のように顔を覆ってピッチを去ったのだ。するとXでは、
《VARあるのに未だにこんな事やって自業自得》
《演技してバレただけやのに、本人泣くの意味不明》
VARがあるのは周知の事実にもかかわらず、それでも犯した“反則”行為だけに風当たりは強い。さらには、
《サッカーの嫌いなところ。 「シミュレーション」 足引っ掛けられていないのに「引っ掛けられた」アピール》
《もう癖になってんだろうな。 サッカー好きだけど普段から演技で転けるのだけはまじで嫌い》
《ネイマールに代表される嫌いな反則 当たってもないのに大袈裟に飛び上がって痛いふり》
この行為こそ「サッカーの嫌いなところ」とのウンザリ投稿も多々見受けられる。海外サッカーに詳しいスポーツライターによると、
「特に南米では“マリーシア(ずる賢い)”と呼ばれる、戦局を有利にするため、勝つために必要なサッカーテクニックとして見られるプレーで、ブラジルでは小学生くらいの子どでも教え込まれると言います。代表的なのがブラジル代表のネイマール選手(34)で、試合で転ばない日は見たことありません。
ただ、彼ほどのテクニカルな選手であればファウルぎりぎりでしか止められないのも事実で、厳しいタックルやチャージが向けられる中で、いわば頭脳的プレーであり、また自身の身を守るためのテクニックともされています。ですが、やはり“ズルはズル”だけに、試合を長引かせる要因にもなるだけに嫌われるプレーなのは間違いない(苦笑)」
エンボロのインスタには賛否の声が
そのマリーシアの本場であるブラジルは、決勝トーナメント2回戦のベスト16で敗退。エンボロはスイス代表ではあるが、ベスト8以上に勝ち残った南米勢はアルゼンチンのみと、アフリカ勢のモロッコの他、6チームをヨーロッパ勢が占めている。
VARによって“武器”を封じられた南米勢。この結果は偶然なのだろうか。
試合後、エンボロのインスタグラムにはシミュレーションをめぐって《ダイビングフットボーラーは嫌いだね》《誰でも間違いは犯す》などと、世界中のサッカーファンから賛否を含む様々なコメントが飛び交っている。
スポーツの場において、AI技術やロボット審判が当たり前になりつつある。今後はサッカーでも勝敗の行方を大きく分ける一因になりそうだ。
