プロ野球(NPB)の活性化や次世代のための環境づくりを目指し、現在の12球団から16球団に拡張すべきという王貞治氏の構想が大きな話題を呼んでいる。
全国各地にプロ野球のネットワークが拡大することは多くの野球ファンが望むところであり、実現に向けて期待の声が上がる一方で、リーグのレベル低下や経営面での課題を危惧する意見も目立つ。そうした中、巨人OBで野球解説者の江川卓氏が7月9日に自身のYouTubeチャンネルを更新。この球界改革案について持論を展開した。
6月17日に行われた超党派の「野球の未来を考える議員連盟」の総会にて、ソフトバンクの王貞治球団会長と日本ハムの栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサーが球団数拡大への必要性を熱弁した。
「栗山氏は『地域全体の活性化や子どもたちに夢を与えるための最後のチャンス』だと危機感をあらわにし、王氏はそれぞれの土地のファンが自分たちのチームを欲している現状を強調しつつ、『一気には難しくともまずは検討を始めるべき。夢を見ましょうよ』と訴えています」(スポーツ紙デスク)
かつて自民党の「日本再生ビジョン」でも16球団構想は盛り込まれているが、競技レベルや地域人口の確保が壁となり足踏みを続けていた。
体力ある企業がどれほどあるのか
「この構想に対しては、ファンの間でも賛否が分かれています。ネット上では『一軍でプレーできる枠が広がれば、埋もれていた若手や新戦力が育つチャンスになる』『まだ本拠地がない地方に球団ができれば地域全体が盛り上がるし、子どもの野球人口も増えるはず』と肯定的な意見がある一方で、『これ以上増やしたら試合の質が落ちるだけ』『今の日本に球団を抱える体力のある企業がどれほどあるのか』といった冷ややかな見方も……。
移動にかかるコストや、3万人規模を収容できる専用球場の確保といったインフラ面での莫大な初期投資に加え、沖縄や四国といった候補地が日常的な観戦を支えられるほどの人口を有しているかなど、現実的な問題点も山積みです」(スポーツライター)
こうした議論が交わされる中、江川氏が動画内で「16球団構想」について言及。王氏と「考え方は同じ」だと賛同したうえで、独自の発想で斬り込んだ。
「江川氏は、各県を代表して戦う『高校野球』を日本が持っている“宝”だと捉えており、プロ野球も地域を代表するチームが戦うのが理想とのこと。そのベースを作るためにも、高校野球では『9人中5人は地元の選手にするべき』との持論を展開しています。
また、親会社のあり方についても、かつて球界を支えた鉄道や新聞、映画会社の時代から完全に変わったとしたうえで、現代の成長産業である『アニメ』や『AI』といった時代に即した企業の参入に期待を寄せていました。ロボットが監督のチームなど、未来を見据えた柔軟な考え方を持っているのが印象的でしたね」(週刊誌記者)
引退間近の選手だけが在籍するチーム
また、江川氏はこれら16球団構想の枠組みとは別個のアイデアとして、「40、50歳の引退間近の選手だけが在籍する万年最下位のチーム」の創設を提言している。
「これは90代のラグビー選手を見たことで着想を得たそうで、『ずっと最下位の8位で、たまに勝って7位になるだけで大盛り上がりとなる』『高齢化社会における新たな希望の星となる』と語っています。ベテラン限定チームという提案は一見奇抜に聞こえますが、六大学野球でも東大は勝っただけで話題になりますし、興行としてのプロ野球に新しい価値観をもたらすユニークな視点ですね」(前同)
まずはクリアすべき課題やメリット・デメリットを一つずつ整理し、今後のプロ野球をどう発展させるか具体的な検討が焦点となりそうだ。
