2025年5月28日、伝達式を終えて満面の笑みを見せた大の里

 7月15日、名古屋場所4日目の結びの一番。前頭二枚目・豪ノ山(武隈部屋)の突き押しに土俵際まで追い込まれた横綱・大の里(二所ノ関部屋)は、起死回生のはたき込みを試みながら、大きく宙を舞うように土俵の外へ飛び出した─。

横綱・大の里、巨体をものともしないジャンプ力

とんでもないジャンプ力を見せる大の里(相撲協会公式YouTubeより)

 行司の軍配は大の里に上がったが、物言いがつき審判団の協議の結果「大の里の体が先に飛んでおり、行司軍配差し違いで豪ノ山の勝ちとします」と説明があり、軍配差し違いで豪ノ山の白星が確定。

 横綱・大の里は早くも3敗とし、取組後には「ああいう相撲になってしまったのが一番の要因。残った感覚?いや…もうダメですね」と自身の相撲に納得いかない様子だ。痛恨の3敗目となったが視聴者が驚いたのは土俵際、横綱の“ジャンプ力“だろう。

「はたき込みで土俵外へ大きくジャンプした大の里ですが、192センチ・189キロの巨体がここまで跳ぶのかというくらいの跳躍でした。実際にファンからも《土俵際であんなジャンプをする横綱は見たことがない》《牛若丸のような大ジャンプ!》と驚く声が目立っていました」(相撲ライター、以下同)

 大の里は初日に小結・義ノ富士(伊勢ヶ濱部屋)に完敗。2日目は藤ノ川(伊勢ノ海部屋)を先に押し込んだが、右側に回り込まれて突き落としを食らい金星を配給。3日目こそ隆の勝(湊川部屋)に勝利したが4日目に再び敗戦。

 これで初場所千秋楽の豊昇龍戦から、不戦敗を除いて実に6連敗。横綱が相撲を取っての連敗記録では、師匠・稀勢の里の8連敗、貴乃花の7連敗に次ぐ歴代3位タイの不名誉記録となっている。

大の里の「引く癖」

 ファンが最も懸念しているのは、大の里の「引く癖」だという。

「師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は初日の敗戦後、『はたいちゃ台なし。我慢しなきゃ』と苦言を呈していました。しかし、4日目の豪ノ山戦でも、突き押しを受けた際に引きながら残そうとした結果、体が浮き上がって飛んでしまってます。相撲ファンたちが指摘するように苦しくなると、反射的に引いてしまうパターンが繰り返されていて、この悪癖をなぜ修正しないのかとの声もあがっているくらいです」

 大の里の師匠である二所ノ関親方は、2017年春場所で初優勝を果たした後、左腕の負傷に苦しみ続けた。横綱在位12場所のうち8場所で休場、8連敗という不名誉記録を残して2019年に引退した。

 その弟子、大の里も昨年の九州場所終盤に左肩鎖関節を脱臼して以降、状態が上がらない。初場所は10勝を挙げたものの、春場所は初日から3連敗して4日目から休場し5月場所は初の全休となった。この師弟揃っての成績に《晩年の稀勢の里と化してきてる気がする》という心配の声も多数散見される。

 しかし、まだ4日目。11連勝すれば12勝3敗で優勝争いに絡む可能性が残っている。3日目に隆の勝をねじ伏せたあの相撲をもう一度見せてほしい─。