『富士そば』代々木八幡店

 東京を中心に首都圏で100店舗以上を展開し、サラリーマンや学生の胃袋を支え続ける『名代 富士そば』。1966年の創業以来、駅前などで24時間営業しているお馴染みのチェーン店だが、SNS上で“激レアメニュー”が話題を呼んでいる。

『富士そば』の激レアメニュー

 キッカケとなったのは、お笑いコンビ・ニューヨークの屋敷裕政が7月10日にポストした、とある投稿。

《さっき代々木八幡の富士そばで食べた冷たいそばと小ちゃいカツ丼が美味すぎて動揺している》

 日々おいしいものを食べ慣れているはずの人気芸人が「美味すぎて動揺」とまでつぶやくとは、いったいどれほどの味なのか。屋敷の興奮はこれだけにとどまらず、7月12日に配信された自身のYouTubeチャンネルでも、その感動を熱弁した。

「蕎麦がうますぎたの。冷たい水でシッカリ締めとる感じもあって、ビックリしたよ」

 そのおいしさの秘密にも言及。芸人仲間から「富士そばの中でも10店舗くらいしかない、乱切り麺の蕎麦だったの」と教えられたという。

 屋敷が感動した“正体”は、限られた店舗でしか食べられない激レアな『乱切り蕎麦』だったのだ。

『富士そば』の激レアメニュー『乱切り蕎麦』

 富士そばの公式ホームページによると、現在この乱切り麺を提供しているのは、代々木八幡店、池袋店、学芸大学駅前店、川口店、川越店、浦和仲町店、大宮東口店、藤沢店、大船店などの15店舗のみ。

 屋敷の絶賛ぶりに別の芸人も反応。7月13日、お笑いコンビ・麒麟の川島明がXを更新。

《屋敷が絶賛してた富士そば代々木八幡店のもりそばとカツ丼(小)のセットを。噂の乱切り蕎麦は綺麗なバックドロップが打てそうなほどコシが強かった。カツ丼は大盛りにしとけばよかった》

 川島らしい独特な表現で、屋敷と同じメニューを絶賛。この投稿には、富士そばの公式Xアカウントも、《ご来店いただきありがとうございます。乱切りそばは、通常の麺とはひと味違う“コシの強い食感”をお楽しみいただけます♪》と反応し、お笑いファンの間でも大バズりな状態に。

 SNS上では、実際に店舗へ足を運んだファンから「ビックリするほどうまい!」「麺の食感がたまらない」といったリアルな食レポ報告が相次いだ。

 実際に、7月中旬の平日の夕方過ぎ。代々木八幡店でこの乱切り麺をペロリと平らげて出てきた20代の女性に話を聞いてみると、

「普通のお蕎麦よりも歯ごたえが本当にしっかりしていて、コシが全然違いました!」

 と笑顔を見せた。

広報が明かした“おいしさの秘密”

 ここまで人を虜にする乱切り麺とは、いったい何が違うのか。

 富士そばを展開するダイタングループの広報担当者に、そのおいしさの秘密を聞いてみた。

「乱切り麺を使用した『乱切り蕎麦』は、通常のように麺が切られた状態で店舗に配達されるのではなく、麺玉の固まりを『押し出し式製麺機』で店内製麺しています。ご注文を受けて初めて製麺するため、作りたてのおいしさを味わえます。

 また、平麺から細麺まで、太さの異なる数種類の麺ができあがるのが最大の特徴で、従来のストレート麺にはない独自の食感を楽しめます。その強いコシがお客様からご好評をいただいております」

『富士そば』の激レアメニュー『乱切り蕎麦』

 注文が入ってから、その場で麺を押し出して茹でるという、そばチェーン店の域を超えた本格派だと明かす。この乱切り蕎麦が誕生したのは10年ほど前のこと。

「当時、さらなる売上アップのために、現在の会長と運営会社のスタッフで、よりおいしい蕎麦の研究を重ねていました。他店へ足を運んだり、自分たちで何度も試作を繰り返したりした結果、生まれたのがこの『乱切り蕎麦』です」(前出・広報担当者、以下同)

 それほど絶品でファンも多いなら、ぜひ全店舗で提供してほしいところ。なぜ、わずか15店舗という限定メニューなのだろうか。

「機械の都合上、一度に3人前までしか作れないのと、注文してから製麺するための時間がかかるといった特性上、都心や繁華街で、お客様が多く、スピーディーな提供が優先される店舗に導入するのは難しい状況です」

 そばチェーン店ならではの“スピード提供”を維持するため、泣く泣く店舗を絞っているという。気になるのは、今後の店舗拡大の可能性だ。私の街の富士そばにも、やってくる日はあるのだろうか?

「現時点で具体的な拡大計画はございませんが、店舗からの希望や、条件、環境が整えば、新たに導入する可能性は十分にございます」

 手間ひまを惜しまない、富士そばのこだわりが生んだ究極の一杯。もし近くの店舗で見かけたら、迷わずその“異次元のコシ”を体験してみるべきかも!?