現在、公開中のディズニー&ピクサー最新作『トイ・ストーリー5』。世界中から愛される超人気シリーズの最新作をめぐり、いま映画業界を揺るがす“大事件”が発生し、ネット上が騒然となっている。本編映像がX上に丸ごと流出したのだ。
しかも、映画館での“コソコソ盗撮”のような粗い映像ではない。1時間42分にも及ぶ本編すべてが、クリアな高画質の状態で堂々と投稿されていたという。
動画は流出から約7時間半で、瞬く間に約150万回も再生。著作権者の申し立てによって現在は削除されているものの、同じアカウントで映画『Michael/マイケル』の本編も同様に流出させていたことが判明した。
「かつて、映画を10分程度に短く編集した“ファスト映画”をめぐる裁判では、東京地裁が約5億円という巨額の損害賠償を命じています。今回のケースに、原告側が主張した1視聴あたり“400円”という計算を当てはめると、わずか7時間半で約“6億円”規模の甚大な被害が出たことになります」(スポーツ紙記者)
大胆不敵な“全編流出”という暴挙に出た投稿者には、一体どんな代償が待ち受けているのか。
本編の一部でも無断投稿は大問題に
アディーレ法律事務所の大垣優希弁護士に話を聞くと、
「映画は著作権法で厳重に保護されています。権利者の許可なくSNSへ投稿する行為は、著作権法違反となるおそれが極めて高い。たとえ本編の一部だけであっても、無断投稿は大きな問題になります」
と、その違法性を指摘。さらに、
「特に悪質なケースと判断されれば、10年以下の拘禁刑、または1000万円以下の罰金、あるいはその両方が科される可能性があります。映画の本編をそのままネット上にさらし、不特定多数が見られる状態にする行為は、刑事告訴や警察による捜査の対象になってもおかしくありません」(大垣優希弁護士)
とのことで、軽い気持ちでの投稿が人生を破滅させかねない。
一方、ネット上では《タイムラインに流れてきた動画を、ただ見てしまっただけでもアウトなの?》と、不穏な空気に落ち着かない声も上がっている。
これについて、大垣弁護士は、
「単にストリーミングで視聴するだけ(画面上で再生するだけ)であれば、通常は違法にはなりません。しかし、違法にアップロードされた動画だと知りながら自分の端末にダウンロードした場合は、複製権侵害として違法になる可能性があります」
との警告を鳴らす。さらに、誰もが日常的に行っている“機能”にも罠が潜んでいるとも。
2年以下の拘禁刑、200万円以下の罰金
「“リポスト”しただけなら、直ちに違法とまでは言えません。ですが、それが違法動画だとわかっていながら、積極的に拡散したり“みんなも見て!”と視聴を呼びかけたりすれば、法的責任を追及される可能性があります。また、上映中の映画についての違法動画を、違法にアップロードされたものだと知りながら端末に保存した場合、たとえ自分だけで楽しむ私的利用目的であっても、2年以下の拘禁刑、または200万円以下の罰金の対象になる可能性があります」
映画ファンであれば、好きな作品の動画が流れてきたら、つい“気になって”再生ボタンや保存ボタンを押したくなってしまうかもしれない。しかし、大垣弁護士は、
「違法に投稿された動画だと、少しでも怪しいと思う場合は、ダウンロードや画面録画、録音は絶対に避けるべきです。ちょっとした好奇心での保存が、取り返しのつかない思わぬトラブルにつながることもあります」
と、警鐘を鳴らす。
SNSの普及で、どんな情報も一瞬で世界中に拡散できる便利な時代になった。しかし、その手軽さの裏には、想像以上に重い法的責任という“落とし穴”が潜んでいる。話題だからと飛びつき、安易に再生や拡散、保存をしてしまう前に、まずは一呼吸置いて、冷静に立ち止まる必要がありそうだ。
