バレーボール日本代表の髙橋藍とフルート奏者Cocomi

 今、バレーボール日本代表の快進撃が止まらない。7月12日、ネーションズリーグ予選ラウンドで、女子日本代表が強豪ポーランドを撃破して決勝ラウンド進出を決めると、ファンは大熱狂。主将の石川真佑(まゆ・26)選手を中心に若手が躍動する姿に、胸を熱くした人も多い。

バレーボール×推し活

 さらに、男子代表も同月15日に世界選手権連覇のイタリアを下して決勝進出を決めるなど、まさに日本バレーの人気は最高潮を迎えている。

 この熱気は、もちろんSNSにも波及している。

《男子バレーは強いだけじゃなくて自然と応援したくなるチームなんです!》
《やっぱり日本の女子バレー大好き。みんなで応援しましょう!》

 といった温かい声が溢れる一方で、目立つのが“アイドル顔負け”のこんな投稿だ。

《石川選手のグッズ求む》
《和田(由紀子)選手すごすぎ!グッズ交換してほしい》

 ファン同士で選手グッズの交換や買取を呼びかける声が続出。まるでアイドルファンのコミュニティーさながらの盛り上がりを見せている。

現地観戦でファンとの交流を明かしたCocomi(本人インスタグラムより)

 このフィーバーには、あの有名人も反応していた。

「木村拓哉さんと工藤静香さんの長女でモデルのCocomiさんが、石川真佑選手のグッズをファンからプレゼントされたことをインスタグラムのストーリーズで紹介して話題になりました。

 芸能界のインフルエンサーが“推し”を公言したことで注目度はさらにアップ。グッズ人気に一気に火がついた形です」(スポーツ紙記者)

 一見、最近のトレンドのようにも思えるこの『スポーツ推し活』。だが、専門家は「必ずしも新しい現象ではありません」と語る。推し活文化に詳しい上岡磨奈さんは、自身の体験をこう振り返る。

「私自身、約30年前の学生時代に、クラスでバレー人気がものすごく高まっていました。当時も好きな選手の写真を持ち歩いたり、手作りのネームボードを持って試合会場に駆けつけたり、雑誌の切り抜きを集めたりしていました。選手個人を熱心に応援する文化には、長い歴史があるでしょう」

『スポーツ推し活』の変遷

 では、昔と今で何が変わったのだろうか。

「従来のスポーツファンと『推し活』ファンの境界線は曖昧ですが、2013年前後の『カープ女子』ブームなどは印象的です。近年は、球団やリーグ側も選手個人に焦点を当てたグッズやSNS映えするコンテンツを本格的に展開しているように思えます。

 とはいえ、そもそもユニフォームや背番号をモチーフにした選手個人の応援グッズには日本に限らず長い歴史があるでしょう」

男子バレーのレプリカシャツ(日本バレーボール協会公式サイトより)

 ブームの先にある未来について、上岡さんはこう見据えている。

「『推し活』という言葉や流行が続く限り、競技団体やチーム側もさらに魅力的なグッズ展開などに力を入れていくはず。ただ、スポーツを応援する文化そのものは昔から脈々と受け継がれてきたもの。その延長線上に、今の熱い盛り上がりがあるのだと思います」

 コート上で輝く選手たちを、自分なりの方法で全力で推す。単なる一過性のブームを超え、新たなファン文化として定着した“バレー推し活”の熱狂は、まだまだ冷めそうにない。