日ハム・新庄剛志監督

 7月20日に京セラドームで行われた、オリックスバファローズと北海道日本ハムファイターズの一戦。オリックスが3-0で勝利した試合で勝敗を決めたのが、1回裏のオリックス応援団による怒涛の“口撃”だったーー。

 1番打者の山中稜真選手(25)が打席に入ると、本来は選手個人の応援歌で迎えられるはずが、ライトスタンドから鳴り響いたのは得点チャンス時のテーマ「バファエール」。京セラドームは初回からボルテージ最高潮の応援に包まれた

 するとオリックスファンによるいきなりの大応援に動揺したのか、ワンアウト後の2番・渡部遼人選手(26)の打球を、日ハム遊撃手の水野達稀選手(25)が一塁への送球エラー。すると先発の有原航平投手(33)も後続にヒットを許して三塁一塁の場面で、今度が進藤勇也捕手(24)が捕逸エラー。

 味方の2失策も絡んで初回から2失点の有原は、3回にも1失点を許して6回で降板。結局、日ハム打線の援護もなく3-0で完敗を喫したのだ。試合後には「初回にあのイージーミスはガクッてなる」と投手を庇いつつ、敗戦理由を挙げた新庄剛志監督(54)。

 しかし、初回の2つのエラーを引き起こしたのは、他ならぬ監督自身との見向きもある。オリックス応援団が投じた異例の「バファエール」は、前日の試合を1-5で落とした後の新庄監督による発言への“意趣返し”とも取れるからだ。

「闘志を燃やせ」とか選手に響かない

「オリックスファンの方、今(チームが)調子があんまりよくなくて、“闘志を燃やせ誰々”“気合を入れろ誰々”。あれ、逆に気合入らないです、選手は、本当に。あれは変えてもらいたい。前から言ってますけど、“闘志を燃やせ”とか選手に響かないから。

 悔しいのは分かりますけど。なんか、もうちょっと言葉変えてほしいな~と、ベンチに座りながら聞いてました。昔はあったんですよね、ファイターズも。今は言っていないですけど」

 プロ野球の応援ではよく聞かれる、選手への「気合いを入れろ」といった叱咤激励。この応援方法に苦言を呈し、日ハムではなく、相手チームのオリックス応援団やファンに対して「変えてもらいたい」と変更要請したのだ。

《今回の新庄監督の発言は絶対に余計、他球団様のあの応援に口出しするな》
《周りを気にせず…と言ったけどやっぱ新庄のあの発言だけは許せねえ 二度と口出してくんなよ余計なお世話じゃ》
《新庄監督のオリックス応援団へのコメントは、他球団の応援文化に踏み込む発言として看過できません》

 Xでは当然ながらオリックスファンのみならず、野球ファンから過干渉と問題視される始末。たびたび物議を醸している新庄発言だが、さすがに自チームならいざ知らず、他チーム応援団への要請は「余計なお世話」と受け取られたよう。

 なるほど、初回に鳴り響いた「バファエール」は新庄監督への“アンサー”であり、わざわざポジティブな応援をしてみせたのだろう。要請を受け入れたのか、それとも“当てつけ”だったのか、いずれにしても日ハムナインは新庄発言が招いた雰囲気に呑まれてしまったわけだ。

応援団を焚き付けた発言の意図

「新庄監督には悪気は毛頭なく、批判や誹謗中傷につながりかねないネガティブな応援を排除する、プロ野球界の健全化を図った発言だったのでしょうが、他チーム応援団への介入は行き過ぎた発言でした。ただ策士で知られる新庄監督だけに、バファローズを焚き付けた理由は別のところにあるかも」

 とはパ・リーグを取材するスポーツライター。7月21日から、首位独走体制に入りつつある福岡ソフトバンクホークスとの3連戦を迎えるオリックス。

ホークスに対して2勝12敗とからっきしのファイターズ。現在3位から逆転優勝をねらうにはパ球団による“包囲網”が不可欠だけに、あえてバファローズ応援団を刺激することで“気合いを入れ直させる”、ホークスとのゲーム差を少しでも詰めてほしい算段があったようにも思えます。

 “優勝”を豪語して臨んでいる今シーズン、自身のクビもかかっているだけになりふり構ってはいられない新庄監督。自由奔放に見えて実は緻密に計算された新庄節なのかもしれません」

 ちなみにソフトバンクから“出戻り”移籍した有原だが、シーズン序盤の4月にタイムリーエラーをした清宮幸太郎選手(27)に「気合入れていけ、おまえ」と叱責したとされる。新庄監督は否定する「気合い入れろ」は、野球界ではまだまだ常識なのだろう。