スピードスケートで、日本の女子スポーツ選手としては最多となる通算10個の五輪メダルを獲得した高木美帆。政府が高木に国民栄誉賞を授与する方針であることが明らかになった。
国民栄誉賞で“人気取り”か、政府の姿勢に疑問符
複数の政府内関係者によると、今回の授与は高市早苗首相の指示で検討を開始。近く正式に発表される見通しで、授与式は7月28日開催予定で調整しているという。
高木は15歳で2010年の冬季五輪バンクーバー大会に初出場。2018年平昌大会、2022年北京大会、2026年ミラノ・コルティナ大会の4つの五輪に出場している。平昌大会では姉の高木菜那らと滑った団体の金メダルなど3個、北京大会では1000メートルの金など4個のメダルを獲得。今年2月のミラノ・コルティナ大会では銅メダル3個を手に入れ、現役を引退している。
SNSでは高木の受賞に納得の声が上がる一方で、政府の姿勢については疑問の声が噴出。
「国民栄誉賞の受賞の基準や選考過程ははっきりしておらず、最終的には首相が判断するとされています。国民からの好感度が高い人物を表彰することで目を引き、政権への批判を和らげたり支持回復を図ったりする狙いがあるという話も。いわゆる“人気取り”目的であると揶揄されています」(スポーツ紙記者)
「スポーツを政治利用しないで」
また、政府が実際の成果ではなく国民からの好感度を重視していることから、これまでの受賞者にはスポーツ選手が多い。スポーツを利用して不都合な事実から目を逸らさせる「スポーツウォッシング」の効果もあるとされている。
「高市政権といえば報道各社の世論調査で、支持率の低下が明らかになっています。軒並み急落しており、調査によっては2025年10月の内閣発足以来、初めて支持率が5割を下回ったものも。物価高対策などの経済政策を後回しにしているとの批判から、このような結果になったのではと分析されています」(前出・スポーツ紙記者)
支持率が低下中のタイミングでの国民栄誉賞授与発表に、ネット上では「支持率下がると国民栄誉賞授与とか、その場しのぎにスポーツ選手を利用するな」「高木さんの受賞は素晴らしいけど、何で今?という気はする」「スポーツを政治利用しないでほしい」「高木さんが政府の人気取りに利用されるようで可哀相」「支持率のために賞をバラまいているようにすら見える」などの辛辣な声が寄せられている。
また、スポーツ選手以外では、漫画家の鳥山明氏や手塚治虫氏、研究者として山中伸弥教授、将棋の藤井聡太竜王・名人、アニメ界の巨匠・宮崎駿監督などもめざましい実績を持つが、国民栄誉賞の受賞には至っていないことにも不満が集まっている。
国民全員が快く受賞を祝えるよう、制度を見直すべき時が来ているのかもしれない。
