オランダ戦の日本代表(代表撮影:雑誌協会)

 7月20日、史上最多48か国が参加し熱戦が繰り広げられた北中米ワールドカップは、アルゼンチンとの激戦を制したスペインの4大会ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。 悲願のベスト8以上を目指した日本代表は、6月30日、決勝トーナメント1回戦で強豪ブラジルに屈しラウンド32で敗退。しかし、大会直後に発表されたFIFAランキングで日本は前回の18位から17位へと順位を一つ上げ、アジア最上位の位置をキープした。

日本代表の健闘を称えたサポーターたち

サッカー日本代表の森保一監督(JMPA代表撮影)

 試合直後からSNS上では、激闘を繰り広げた代表チームへの称賛と感謝の声が相次いだ。

《感動をありがとう、サムライブルー!》
《日本強くなったなぁ、凄いよ》
《4年後こそ最高の景色を!》

 選手たちの健闘を称えるとともに、次なる挑戦へ期待を寄せるサポーターの熱量がうかがえる。

 こうしたピッチ上やSNSの盛り上がりの裏側で、選手たちの背中を押そうとするサポーターたちが全国各地の神社で見られたようだ。なかでも、サッカー界と深いつながりを持つ「八咫烏(ヤタガラス)」にゆかりのある神社に参拝客が集まった。

「八咫烏」とは神武天皇を案内し勝利へと導いたとされる「導きの神」であり、日本サッカー協会(JFA)のシンボルとして公式エンブレムにも採用されている。

 そのうちのひとつ、川越熊野神社(埼玉県川越市)でも、W杯の開催に伴い、参拝客の動きに実際の変化が見られたそうだ。

絵馬や短冊でも日本チームを応援

「普段からサッカー協会公認のお守をはじめ、八咫烏関連の授与品はそれなりに頒布しておりますが、W杯が近づくにつれより多くお分けするようになりました。授与品の頒布だけでなく、絵馬や短冊でも日本チームを応援したりW杯関連の内容が目立ったりするようになりました。また10文字の中から好きな言葉を選ぶ『八咫烏特別御朱印』でも『勝』を選ぶ方が増えました」(川越熊野神社関係者、以下同)

 また、同神社では、「八咫烏さまからのひとこと」という企画を行っているそう。手をかざすとセンサーが反応し、モニター越しに八咫烏からの“お告げ”が示されるという、テクノロジーを掛け合わせた施策について聞いてみると、

「特に小さいお子様や今まで神社にあまり関心がなかった方でも楽しい体験を経ることで、少しずつ神社参拝に対するハードルが下がり、川越熊野神社だけでなく他の神社や寺院など宗教施設や日本の伝統文化などに興味、関心を持つきっかけになっていただいているものと自負しております」と話す。

 参拝客との新たな接点づくりに対して手応えを感じているようだ。日本代表を勝利へ導く八咫烏は、図らずも神社の新しい歩みをも“導いて”いるのかもしれない。

 激戦のW杯は閉幕したものの、サポーターと神社をつなぐ熱気はすでに次回大会を見据えている。最後に、神社としての今後の展開について聞いてみた。

「皆さまとともに川越熊野神社としても積極的に日本代表を応援していきたいと考えています。具体的な計画は検討中ですが、『八咫烏が日本代表を導く』応援企画と銘打ってW杯を盛り上げたいと存じます」

 心強い「必勝祈願」の後押しを受けながら、サポーターと日本代表一体となって歩む新しい4年間が、またスタートする。