オールバックにピンクのスーツ、「やる気!元気!いわき!」のかけ声で、鮮烈な印象を残した元衆議院議員にして小泉チルドレンの井脇ノブ子さん。情熱のまま、天真爛漫に歩んできたという80年。
井脇ノブ子さんの現在地
「(体重が)88キロから50キロに減り、ちょうどよくなったよ。7年前に演説中に倒れ、胆石や胆のうを取った。今は選挙をしていたときに資金援助をして支えてくれた元秘書の自宅マンションに一緒に住まわせてもらいながら、彼女の介護もしてるんだ。恩返しだよ」(井脇さん、以下同)
ブカブカになったスーツ姿に一瞬たじろぐが、教育に人生を懸けた話になると、目に光が宿る。
「私には、子どもが5万人いるんだよ! 20代で『少年の船』を設立して小中学生と諸外国に行き、リーダーとなる国際人を育てた。全寮制の高校も創ったし、モンゴルやネパール、インドから留学生を預かって日本の母となった。
その子たちは今や、『おまえら、そんなに偉くなったんか?』と驚くような大物になって、世界で活躍している。教育にお金を使ったから、今は国民年金だけ。でも子どもたちが食料などを送ってくれるから困らない」
正真正銘のビッグマミーである。そんな井脇さんの原点は、思わぬことで次兄が殺人の冤罪で逮捕されたという経験。生家はどん底の生活を強いられ、一家で過酷な差別も受けた。
PTAの会費が支払えず修学旅行に行けなかった小学生のとき、初めて両親の前で泣いたという。その悔しさが、政治家を志すきっかけとなった。海を遊び場とも、道場ともした井脇さんは「芸は身を助く」の言葉どおり、水泳の腕を買われて高校へ進学。奨学金を得たが、学費・生活費は自分で稼いだという。
婚約した恋人もいたが、28歳のとき自立した教育者として生きることを選び、離別する。以来、髪を切り、背広にズボンで通し、初志を貫いた。
「59歳で議員になってからは教育基本法の改正に心血を注いだよ。ひと言で言うなら『感謝と思いやり』を子どもたちに伝えること。小泉首相(当時)に『頑張りすぎると死ぬよ』と言われても、がむしゃらに取り組んだ。教育家として子どもと本気で向き合ってきた経験を生かしてね」
どこまでも「現場の先生」なのだ。女性初の総理大臣が誕生したが、
「高市さんはよう頑張っとる! 孤独もあるのだろうが、一人で決めずに周りの声に耳を貸すことも大切だと思うね」
とズバリ。今後の夢を尋ねると、自作の歌『やる気、元気、イワキ』を歌ってくれた。
「♪~心にこぶしを握って歩く やる気、元気、イワキ~ イワキと人は呼ぶ~いつか見てろよ、空睨む~♪(一部抜粋)」
次に狙うは『紅白』出場、はたまたレコード大賞新人賞か。今後も井脇さんの活動から目が離せない。
取材・文/三尋木志保
