「佳子です、おはようございます。握手してもいいですか」
「皆さんがいつも頑張って、お勉強していることがよくわかりました」
佳子さまが「横浜訓盲学院」を私的訪問
秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは7月3日、横浜市中区にある私立の盲特別支援学校「横浜訓盲学院」を私的に訪問した。この学院では、視覚障害と、それ以外の障害もある幼児や児童、生徒を対象とした教育などを行っている。
佳子さまは、高等部の生徒たちが点字を学んだり、音楽を楽しむ授業を見学した。佳子さま自らもタンバリンを持ち、合奏に参加するなど交流を深め、冒頭のような言葉を述べていた。
天皇陛下は7月6日、東京・上野の日本芸術院会館を訪れ、芸術分野で優れた業績を上げた芸術家などに贈る日本芸術院賞の授賞式に出席した。今回は、歌舞伎を題材に描いた映画『国宝』の監督、李相日さんら11組12人が受賞し、陛下は拍手で祝福していた。
午後からは天皇、皇后両陛下が皇居・宮殿に受賞者らを招いた茶会が催された。秋篠宮ご夫妻や両陛下の長女、愛子さま、それに佳子さまも出席し、受賞者たちと懇談していた。陛下は、「今後とも、それぞれの分野の発展のために、力を尽くされますよう願っております」と受賞者らをねぎらっていた。
皇族数の確保策を盛り込んだ皇室典範改正案は、7月10日の衆院本会議で採決され、自民党や日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、参院に送付された。そして、7月17日、改正案は参院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立した。
改正案は、1. 女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ、2. 旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える─ことを可能とする内容である。2. では、旧11宮家の15歳以上の男系男子で、配偶者と子がいない場合、養子縁組を可能とした。養子本人は皇位継承資格を持たないが、養子に生まれた男子は皇位継承資格を持つことも明確にしている。
報道によると、与野党協議を経て、衆参両院の議長、副議長が取りまとめた「立法府の総意」に基づき政府が法制化した。改正案は、衆院本会議に先立つ衆院議院運営委員会で審議が行われた。木原稔官房長官が「皇族数が減少している現状に鑑み、皇族数の確保のための措置を講じるものだ」などと趣旨を説明したという。
《(略)政府は与党の主張に沿って、皇族確保策を皇位継承の安定化の話にすり替えるかのように、旧宮家の男系男子による皇位継承に道を開いた。唐突な決定であり、由々しき事態を招く。養子の子に皇位継承資格を与えるかどうかは、天皇制の核心にかかわる。(略)仮に養子制度が実現した場合、どんな事態が生じるか。政府内では、旧宮家の男性がいずれかの皇族の養子となった後、一般の女性と結婚するといった流れが想定されている。
だが、一般人として生まれ育った旧宮家の男性が、一般女性と結婚し、生まれた男子が皇位継承資格を持つと言われても、多くの国民は納得できるだろうか。
秋篠宮さまの長男の悠仁さまに男子が生まれない場合には、今の天皇家の皇統は途絶える。そうなれば、戦後、象徴天皇として常に国民に寄り添い、国民から敬愛を受けてきた現在の天皇家の系統から、皇統は約600年前の室町時代に分かれた旧宮家の系統に移ることになる。日本の歴史にとって重大な転機といえる》
「皇族として親しまれていることが過去のどの時代よりも重要」
7月1日付の読売新聞朝刊は、社説《「旧宮家」へ皇統が移る恐れも 女性・女系を排さず議論し直せ》の中で、このように主張している。
秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまが生まれる前年の'05年11月、皇位継承のあり方を検討してきた小泉純一郎首相(当時)の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」の報告書にあるように、《皇族として親しまれていることが過去のどの時代よりも重要な意味を持つ》、今の象徴天皇制において、名前も顔も知らない旧宮家の男系男子を突然、皇族として迎えることに、国民の理解と支持を得ることはやはり難しいと思う。
今年6月、天皇、皇后両陛下はオランダ、ベルギーを公式訪問した。その前に行われた記者会見で、「皇室の縮小が見込まれ、国会では皇族数確保の議論が進められてきました。(略)これまでの議論の受け止めについてもお聞かせください」などと、記者から尋ねられた陛下は、次のように述べている。
「皇室のあり方や活動の基本は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にすることだと考えており、こうした皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」
このように陛下は、私たち国民が納得できる法改正になることを望み、そして大変、心配していた。
今回の法律の改正は、陛下や、次の天皇となる皇位継承順位第1位の秋篠宮さまたちが理解し、支持できる内容だったのだろうか。私は、当事者である天皇陛下や秋篠宮さまたちに、ぜひとも問うてみたい気がする。
'24年11月に行われた誕生日会見で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案について質問された秋篠宮さまは、次のように答えた。
「(略)基本的にこれは皇室のシステム、制度に関わることでありますので、これについて私が何かお話しするということは控えることにいたします。
ただ一方で該当する皇族は生身の人間なわけで、その人たちがそれによってどういう状況になるのか、そのことについて私は、少なくとも、(略)宮内庁の然るべき人たちは、その人たちがどういう考えを持っているかということを理解して、もしくは知っておく必要があるのではないかと思っております」
「宮内庁の然るべき人たち」の部分を、今回の法改正を推進した高市早苗首相をはじめとする、「政府・与党の然るべき人たち」と置き換えてみると、当事者の一人である秋篠宮さまの考えや本音が、よりはっきりと理解できる。
天皇陛下や秋篠宮さま、愛子さま、佳子さまたち、皇室を担う当事者たちの声を高市首相らは十分に聴いたうえで、今回の皇室典範の改正を進めてきたのだろうか。私は大いに疑問を感じている。やる気になれば、首相らが水面下で把握することは可能だったはずである。
今年11月の秋篠宮さまの誕生日会見や来年2月、陛下の誕生日会見などで、率直な感想を国民は知ることができるだろう。その日を心待ちにしている。
<文/江森敬治>
