堺雅人主演の日曜劇場『VIVANT』(TBS系)が3年ぶりに帰ってきた! 2023年放送の第1シーズンでは、最終回に瞬間視聴率20%超えを記録。同作は気弱な商社マンが“別班”と呼ばれる諜報部隊の一員として巨大な陰謀に立ち向かう完全オリジナル作品で、モンゴルで長期ロケを行うなど、スケールの壮大さでも話題となった。今回の第2シーズンでは、異例の2クール連続放送となる。
堺雅人の“当たり役”ランキング第5位は『新選組!』4位に『真田丸』
待望の続編スタートにちなんで、主人公の乃木憂助を演じる堺の“当たり役”アンケートを実施。全国30代から60代までの男女読者300人が選んだ第1位は、やっぱりあの役……だった!
8票の第5位と31票の4位には、共にNHKの大河ドラマで演じた役がランクイン。『新選組!』('04年)は、堺にとって初の大河出演。香取慎吾演じる近藤勇を冷静に補佐する、山南敬助役を演じた。
「メンバーの中でいちばん穏やかだが、強い意志と頑固な一面も持ち合わせている役柄がハマっていた」(宮城県・女性・56歳)
などの声が寄せられた。
一方、主役の真田信繁(幸村)役を演じた『真田丸』('16年)では、
「普段の穏やかな表情と、戦闘時の鬼気迫る表情の対比が素晴らしいと思った」(神奈川県・男性・59歳)
など、主演にふさわしい確かな演技力を絶賛する意見が多かった。
「どちらも三谷幸喜さん脚本作品で、演じたのは歴史の敗者という2つの共通点があります。でも、決して悲劇的に描かれてはいません」
と話すのは、ドラマウォッチャーでライターの田幸和歌子さん。どちらの登場人物も穏やかさの中に強さが潜み、その二面性が魅力的だった。
「これは私の推測ではありますが、山南役で見せた堺さんの資質を三谷さんが見込んで、真田信繁の人物像を形作っていったのではないでしょうか。堺さんだったからこそ、真田という人物に、より深みが増した部分は確実にあるでしょう」(田幸さん)
第3位は『リーガル・ハイ』
第3位は34票で、'12年と'13年に放送された『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)の主役、古美門研介役。
敏腕弁護士だが、偏屈で“クセ強”。でもなぜか憎めないキャラクターで、新垣結衣演じる、まじめで正義感の強い新米弁護士・黛との凸凹コンビぶりが人気を集めた。
「シリアスもコミカルも演じられる。セリフ回しも素晴らしかった」(埼玉県・女性・50歳)
「堺さんの持つ、柔らかな中にも芯のある雰囲気が、神経質そうだけど明るい役柄に合っていた。早口でまくし立てる演技もハマっていた」(東京都・女性・53歳)
といった声からもわかるように、早口、かつ長ゼリフで対立する相手を鮮やかに論破するシーンも見どころのひとつだった。
「早稲田大学演劇研究会出身の堺さんは、研究会が旗揚げした劇団『東京オレンジ』の看板俳優でした。舞台で培われた演技の技術が大いに発揮された役柄のひとつが古美門でしたね」
と田幸さん。拝金主義で“悪徳弁護士”と呼ばれつつ、実は正義感も持ち合わせているという二面性は、前述した大河ドラマの山南役、真田役とも重なる。
「堺さんの個性と、脚本の設計が見事にかみ合って生まれたのが古美門。堺さんならではの魅力が際立つ役柄だったと思います」(田幸さん)
第2位は『VIVANT』
第2位は、第2シーズンが7月26日にスタートしたばかりの『VIVANT』の主人公・乃木憂助役が50票を獲得。気弱な表の顔と、冷徹な別人格「F」の2つの人格が共存する複雑な役どころを繊細に演じ分けている。
「情けない会社員の姿も、戦闘能力の高い諜報員としての姿も、自然に演じていた」(千葉県・男性・67歳)
など、その演技を絶賛する声が多く集まった。
「またも2つの顔を持つ役柄ですが、これまでと違うのは感情を爆発させるような大きな芝居ではなく、無表情でも伝わるような引き算の演技が存分に発揮された点。50代に入った堺さんの、新たな魅力を感じさせる役柄だと思います」(田幸さん)
同作は、監督を務める福澤克雄氏が当初から“3部作”構想を掲げている。今シーズンでは、乃木の人物像がさらに確固たるものとして描かれるだろう。
第1位は日曜劇場『半沢直樹』
148票を集め、ダブルスコア以上で文句なしの第1位となったのは、'13年と'20年に放送された日曜劇場『半沢直樹』(TBS系)シリーズの主人公・半沢直樹役。銀行員の半沢が巨大な権力や理不尽な上司に立ち向かい、果敢に戦う姿が多くの人たちの共感を得た。第1シーズン最終回の視聴率は驚異の42・2%を記録。名ゼリフ「倍返しだ!」は流行語にもなった。
「まっすぐで、力強さを感じる演技が魅力的だった」(神奈川県・女性・53歳)
「つい見入ってしまう独特な雰囲気、説得力がある」(福島県・男性・51歳)
と、男女問わず多くの票を集めた。
「理不尽な現代社会で働く人たちの“代理復讐”を果たしてくれた、爽快な勧善懲悪ドラマでした。社会現象にまでなったことで、堺さんイコール半沢、という強烈な印象を植えつけた役柄となりました」(田幸さん)
今回のアンケートでも「『VIVANT』を見ているのに、半沢に見えるときがある」(東京都・女性・51歳)
などの意見がちらほら。
「堺さんのようにいろんな表現ができる役者さんにとっては、ひとつの役のイメージがあまりに強くなりすぎてしまったことは必ずしもプラスの面ばかりではないはず。『VIVANT』では無言の演技で視聴者の想像をかき立てるなど、新しい一面も見せてくれています。今後の展開が楽しみです」(田幸さん)
ちなみに、堺雅人出演作品のほとんどを視聴してきた田幸さんのイチオシは、'08年のNHK大河ドラマ『篤姫』の徳川家定役。宮﨑あおい演じる篤姫に深い愛情を注ぎ、静かに支え続ける夫役が印象的だった。
「暗愚の仮面をかぶっているけれど、実は聡明という役どころにすごく心を打たれました。二面性を巧みに表現する、ブレイク前夜の堺さんを堪能できる一本です」
今回紹介した作品は、いずれも動画配信サービスで視聴できる。『VIVANT』第2シーズンとあわせ、その演技の軌跡をたどってみてはいかがだろう。
