7月23日未明、作家・東野圭吾さんが大腸がんのため68歳で亡くなった。
東野圭吾さん死去で海外ファンから集まる追悼のコメント
『容疑者Xの献身』『白夜行』など数々のベストセラーを生み、国内累計発行部数はおよそ1億900万部。その著作は41の国と地域で翻訳・出版されたこともあり訃報が世界を駆け巡ると、日本国内のみならず、アジアや英語圏のファンやメディアから、追悼と悲しみとの声が一斉に広がった─。
「東野さん死去の報道で韓国や英語圏のファン、インドネシアの老舗出版社『Gramedia Pustaka Utama 』も追悼と感謝のコメントをXで表明しています。中国のSNS『微博』でも瞬く間にトレンドに上がりました。多数の追悼メッセージが並び、《私の高校時代を丸ごと費やした》《中学時代からずっと見ています》など、中国ファンの青春時代にも色濃く残るほど東野作品が刻まれているようです」(大手出版社編集者)
中国では「中国で最も知られている日本人作家」として評されており、その象徴が『ナミヤ雑貨店の奇蹟』だ。同作は中国国内だけで1000万部を超える大ベストセラーとなり、中国ではジャッキー・チェン主演で映画化されたほどだ。
軍隊という閉ざされた環境で、韓国のトップスターの時間に寄り添っていたのもまた、東野圭吾さんの作品だった。
韓国では「最も親しみやすい日本の小説家」として悲しみが同様に報じら、『ガリレオ』シリーズや、『殺人の門』『白夜行』などのベストセラーを通じて東野作品が広く親しまれてきた。
世界的人気を誇るBTSのV(キム・テヒョン)も東野作品の愛読者であることを公言している。米音楽誌『ローリングストーン』のインタビューで、軍隊で過ごした期間に「東野圭吾の小説をたくさん読んだ」と言い、「小説の中のキャラクターになった自分を想像したりした」と明かして話題になった。
アジアに留まらない東野圭吾さんの影響力
英紙『IBTimes UK』は「日本で最も商業的に成功し、広く読まれた小説家の一人」と称し、40年に及ぶキャリアを振り返った。各紙が強調しているのは、作品がアジア全域に忠実な読者層を築き「人間の本質」と「心温まる感動」を届けている点だ。
「海外ファンからも支持を得る理由は、東野さんが描いた作品中の優しさや切なさなどの普遍的な感情が“翻訳しても失われない”という点かもしれません。
英語圏のファンからも《青春時代に読んだ、あなたの本は私の記憶に本当に刻まれています》と、中国の読者と似た言葉が寄せられています。東野さんが優れた作家という評価だけでなく、国境と言語を超えて『本を読む喜びを教えてくれた人』という存在だったのでしょう」(前出)
東野さんのデビュー作『放課後』から、2026年8月5日に刊行予定だった最新刊『永遠の記憶』(文藝春秋)まで、その著書は共著を除いて106冊に及ぶ。
8月5日に最後の謎が明かされ幕を閉じる。しかし、東野圭吾が遺した物語が読者の人生に刻んだ記憶は、国境を越えて生き続ける─。
