『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』チラシ 撮影/編集部

 7月24日に公開された『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の興行収入が公開3日間で22.4億円を突破したことが、配給元の東宝から発表された。

 イラストレーター・ナガノ氏のSNS投稿からスタートし、国民的人気コンテンツとなった『ちいかわ』。

ちいかわファンでないクリエイターが続々絶賛

 今作はナガノ氏の完全監修のもと、シリーズ屈指の人気エピソードを映像化したとあり、初日の上映スケジュールは一部シネコンで『鬼滅の刃』並と公開前から話題になっていた。

 3日間の興収が22.4億円と、135億円を突破した『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』らに次ぐロケットスタートとなっただけに、『映画ちいかわ』も興収100億円を突破するのでは? というメディアやSNSユーザーも多いものの、映画ライターは「その数字は厳しいかもしれません」と指摘する。

通常ファミリー向け作品は土日に興収がアップするのですが、『映画ちいかわ』は公開初日の金曜日をピークに、日を追うごとに興収が下がっているんです。興収推移を見ると、作品そのものではなく入場特典や限定グッズ目当ての人が多い印象を受けます

 オールナイト上映をするシネコンもあったとはいえ公開初日の興収が9.9億円だったものの、土日は2日間で12.5億円という結果に。『鬼滅の刃』や『名探偵コナン』も公開初日の金曜日にオールナイト上映を行ったものの、興収は初日よりも公開2日目と3日の土日の方が多かった。

可愛らしいキャラクターとは裏腹に『映画ちいかわ』は、“後味は湊かなえ”“途中エヴァが始まったんかと思っちゃった”という声が上がるように、バッドエンド系のストーリーになっています。そのため『鬼滅』や『コナン』のようにリピートするファンは多くない上、SNSでの感想を見て鑑賞を迷っているファミリー層がいることも、日を追うごとに興収がダウンしている理由でしょう。100億円どころか、まずは50億円の“壁”を超えられるか……といった状況です」(映画ライター、以下同)

 一方で「ファン層をこれまで以上に拡大できる可能性も」と続ける。

『ヱヴァンゲリヲン』を彷彿

映画の後半、名曲『今日の日はさようなら』が流れて不穏な空気が漂うシーンがあるのですが、同曲は映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の残酷な戦闘シーンで挿入歌として使用されているだけに、『ヱヴァ』を彷彿したという声も少なくありません。そういった感想を見て『ちいかわ』を知らなかった映画ファンの中にも足を運ぶ人も増えているので、盛り返す可能性は十分あります

 映画『カメラを止めるな!』で知られる上田慎一郎監督は自身のXで、

《なにこれ…ちいかわのこと何も知らずに気軽に観に行ったら、とんでもない気持ちにさせられた。こんな可愛い絵柄であんな話を見せられるなんて思わんやん。あんな深淵まで連れて行かれて、こんな割り切れない思いに胸引き裂かれるなんて思わんやん。いやはや素晴らしかった》

 元放送作家の鈴木おさむ氏もXで、

《僕は、ちいかわ、ほぼ見てません。が、映画は見ておこうと、見ましたが。いや、なんだ、これ、すごい! なんも言えない! 100億は余裕 150億は超えるな》

 と絶賛しているだけに、大人向けストーリーで『コナン』級ヒットとなるか?