大谷翔平は4年連続、5度目のMVPなるか

 オールスターゲーム明けの後半戦9試合(数字は全て7月27日時点のもの)で38打数7安打、打率.184、ホームランは0本と不振に陥っているロサンゼルス・ドジャース大谷翔平投手(32)。投打“二刀流”の本格復帰を果たした2026年シーズンだが、4年連続MVPの偉業達成を阻む“スター選手”が現れてーー。

 投手として14試合に先発して8勝2敗、防御率1.79、QS(クオリティースタート)率も85%を超える、圧倒的な投球で「サイ・ヤング賞」も狙える位置にいた大谷。しかし今年で32歳を迎えた身体は、投打のハイパフォーマンスに耐えられなくなっているのか、6月中旬に左膝を故障した。

 7月3日(現地時間)のサンディエゴ・パドレス戦を6回3失点で投げて以降、投手としての出場を回避して打者専念。オースルターブレイクで膝関節の潤滑性を高める注射を受けたものの、状態は上がらずに冒頭の成績に至っている。

 現在、打率.282に本塁打22本で、ナショナルリーグのホームランランキング8位と打者として高いレベルを維持するも、33本で1位のカイル・シュワーバー選手(33、フィラデルフィア・フィリーズ)に11本差をつけられている大谷。本塁打王争いから1歩遅れをとった格好だ。

 そして投手としても、ジェイコブ・ミジオロウスキー投手(24、ミルウォーキー・ブルワーズ)が11勝で、防御率トップの1.58、185奪三振でこちらもトップを独走。現時点での「サイ・ヤング賞」最有力候補と目されている。

4年連続、5度目のMVP受賞の可能性

 つまり、大谷は“無冠”で終わる可能性が高まっているわけだ。とはいえ、

「たとえ本塁打王や防御率1位のタイトルに届かずとも、投打にハイレベルな数字をキープしてフィニッシュすれば、MLBレジェンドのバリー・ボンズさん(62)に並ぶ4年連続のMVP受賞する可能性は高い(大谷は現時点で通算4回、ボンズ氏は通算7回)。それだけメジャーで“二刀流”を実現することは“クレイジー”なのです。

 ただ今シーズンばかりは、“二刀流”完走できてもMVPには届かないかもしれません。ここ数年のナ・リーグは“大谷1強”でしたが、その牙城を崩すようなインパクトを残している選手がいるからです」

 MLB事情に精通するスポーツライターが話す「インパクトを残す選手」とはーー。

2025年3月、日本での開幕戦を迎えたカブス・鈴木誠也と“PCA”ことピート・クロウ=アームストロング

【ピート・クロウ=アームストロングが、大谷翔平のMVP候補としての地位を凌駕し始めている】

 7月26日、アメリカのスポーツ・エンターテイメントメディア『ファンサイド』が掲載した記事。打撃不調に陥っているものの、依然としてナ・リーグMVP有力候補に挙げられる大谷に、強力なライバルが出現したことを伝えたのだ。

 シカゴ・カブスに所属する、鈴木誠也選手(31)のチームメイトであるピート・クロウ=アームストロング選手(24)が、大谷の“二刀流”を超える、MVP級の活躍を見せているからだ。

「PCA」ことピート・クロウ=アームストロングは、2025年3月に行われた「ドジャース対カブス」日本開幕戦にも出場。東京ドームでも「PCAコール」が鳴り響き、一躍日本の野球ファンに知れ渡る人気選手になった。

チームの勝利への貢献度は大谷以上

 その勢いのままに同シーズンで31ホームラン、35盗塁を記録して「30-30」を達成するなど、メジャー3年目で才能が開花。2026年シーズンも打率.290、23本塁打、26盗塁とトリプルスリーを狙える位置にあり、強打者を示す指標のOPSも.932と24歳にしてスター選手の仲間入りを果たしている。

「当然ながらPCAは投手ができるわけではありませんが、大谷にはない“守備力”を備えています。メジャーにおける守備力の指標を示すOAA(Outs Above Average)、FRV(Fielding Run Value)はそれぞれナ・リーグ1位、メジャー1位と高い数値。

 つまり現時点で、MLBで最も守備が上手い選手の1人に数えられるPCA。そしてMVP選出の指標にもなる、チーム勝利への貢献度を表すWARも大谷選手を上回り、“二刀流”以上の価値を示しているのです」(前出・スポーツライター)

 先の『ファンサイド』もWARに触れて、【PCAがナ・リーグMVPを受賞しても驚くことではない】としつつ、24歳のスター選手がスーパースター・大谷を乗り越えるための条件も提示している。

 現在ナ・リーグ西地区で2位に12.5ゲーム差をつけて、快調に首位を走るドジャース。片や、ブリュワーズとは6ゲーム差で中地区2位につけているカブスだが、ワイルドカードでのプレーオフ進出も狙える位置にいる。

 PCAがチームをプレーオフ進出に導き、ワールドシリーズ連覇中のドジャース王朝を倒した暁には、その時は“大谷1強”時代に終止符が打たれるのかもしれない。