地震発生からしばらくした後、爆発が起きた『イオンモール熊本』

 7月30日、高市早苗首相は熊本県で震度7を観測した地震で、災害との関連を調査中の人を含め、30人の死亡が確認されたと明らかにした。

“地震報道”の在り方が議論の的に

 地震が発生したのは、7月28日の午後4時27分ごろ。熊本県の宇城市と氷川町で最大震度7が観測され、同県嘉島町の大型商業施設『イオンモール熊本』では地震発生からしばらくした後、爆発が起きた。また、同県八代市の日本製紙八代工場では、煙突が倒壊。各地の二次災害で死傷者が出ており、予断を許さない状況が続いている。

「九州電力や国土交通省の発表によると、30日現在、県内の約3万7010戸で停電が発生し、さらに5県23自治体の約8万4000戸で断水や漏水が発生しているとのこと。県内には465か所の避難所が開設され約1万人が避難していますが、避難所が停電しているケースもあるようです。また、病院の停電や断水も相次いでおり、入院患者らの転院を急ぐ施設も」(全国紙社会部記者、以下同)

 交通機関にも影響があり、29日にはJR九州が九州新幹線の全線で始発から運転を取りやめ。高速道路も一部通行止めとなり、熊本空港では計14便が欠航となった。

 全国から心配の声が集まる中、ネット上では“地震報道”の在り方が議論の的となっている。

「フリーアナウンサーの藤井貴彦さんは、29日に放送された『news zero』などで現地に入って取材を行いました。猛暑の中、室外機の破損により1階のエアコンが使えない住民や、給水車を待つ人などに直接話を聞き、被災地の深刻な状況を中継。そのほか、倒壊した建物や避難所の様子、ガソリン確保への不安を抱える住民の様子などをレポートしました。

 しかし、この様子に対して、“現地局にもアナウンサーいるのに、わざわざ東京から有名なアナウンサーが行く必要ある?”と疑問視する声が多く寄せられているのです。福岡空港から高速道路で現地に向かった藤井アナは、高速道路がさほど混雑していない様子も伝えていましたが、これに対しても“災害派遣チームがスムーズに迎えるように、みんなが熊本行きを控えてるからだろ”などの指摘が。

 あくまでも番組側からの指示で向かっているのでしょうが、世間からは“藤井さんがいかなくても良くね?”“藤井アナが行くことに何があるのだろう”“邪魔でしかない”などのコメントが集まっています」

地震報道の“意義”

 今回の震災については、別の場面でも報道の仕方が物議を醸している。

「イオンモールで発生した爆発事故の現場などでは、報道ヘリコプターによる空撮の中継も行われていました。これに対して、“行方不明者の捜索現場では、ヘリの音によって救急隊が生存者の微かな声や反応を聞き逃してしまう危険性があるのでは?”という意見が寄せられているのです。命に関わる現場だけに、“報道機関へ届け!!ヘリ飛ばすの一旦やめて!”“あんなにマスゴミ取材ヘリ飛ばしてたら要救助者のか細い『助けて』の声聴こえへんやん!”などといった声が上がっています」

 さまざまな意見が飛び交っている地震報道。しかし、そのすべてに問題があるわけではない。

地震発生からしばらくした後、爆発が起きた『イオンモール熊本』には警察や報道陣が集まっていた

「報道のヘリコプターは、救助活動の邪魔にならない高度から望遠で撮影するようになっています。高性能なカメラで撮影された映像では近くに見え、邪魔に思えてしまうかもしれませんが、救助活動が最優先であることは当然です。

 現地の取材活動に関しても、全国から記者やアナウンサーが押し寄せて被災地に負担をかける状況だけは避けなければなりませんが、最新の状況をいち早く伝えることは報道機関としての責務。近年はSNSも発達していますが、被災地の活動を邪魔しないよう配慮しつつ“どんな状況で、何が必要なのか”といった情報を取り上げることには大きな意義があります」

 気象庁によると、最大震度7を観測した後も熊本県では地震が続いているという。被災地の人々のために今できることを、国民全員で考える必要がある。