内田有紀と寺西拓人が演じる20歳差の純愛が話題の『ラストノート』。その行方ももちろん気になるが、視聴者の注目を集めているのが、坂井真紀が演じている内田の親友だ。
ロマンス詐欺に陥るも運命の恋
内田と坂井は学生時代からの親友という設定。第1話で坂井は、長年介護していた父親の死後、15年ぶりに彼氏ができたと報告する。だがそれは、寺西に安物の絵を160万円で売りつけられたロマンス詐欺だった。内田は責任を追及しようと寺西に近づくうちに、寺西にも事情があったことを理解し、ふたりは運命の恋を感じるようになっていく…という展開だ。
坂井は内田の指摘で騙されたことを知り、警察や弁護士にも対応してもらえないことがわかると「この歳になっても知らないことっていっぱいあるんだね。私、世間知らずだったな」と自嘲する。ここまでなら“冷静な対応”といえた。
だがそんな目に遭いながらも、隠し撮りした寺西の写真に向かってワインで乾杯していたり、第3話で内田を通して160万を返されると(これは内田が坂井のために自腹で用意してやったお金だったのだが)、寺西を呼び出し、「澄晴君、久しぶり」と満面の笑顔で登場。
「お金を返してくれたってことは、やっぱりあたしのこと騙してたってこと?全部嘘だったってことかな?違うよね、嘘じゃないよね。じゃあ私たち別れる必要ないじゃん」と強引に話を進めようとする。
動揺した寺西がトイレに立つと、その財布から免許証を抜き出してスマホで撮影し、住所を頼りに家まで押しかけるなど、ストーカーチックな動きを本格化させていた。
ふたりの会話を盗み聞きする坂井
寺西から「好きな人がいる」ときっぱり宣言され、それが内田だと気づいた坂井は、第5話では内田と寺西を呼び出し、ふたりの会話を『家政婦は見た!』ばりにふすまを細く開けて盗み聞き。「葵っていい人なの。友達思いでまっすぐで、嘘をつくのがすごくヘタで」などとふたりをじっくり試すような言動を見せる。そして葵が一人になると、内田が寺西との仲を隠していることを逆手にとって「私、澄晴君のことが好き。他の人に取られるなんて、想像しただけで死にたくなる。葵、わかってくれるよね?」とじわじわ追いつめていった。
さて、ここから坂井がどう出るのか?
そもそも、坂井の内田に対する感情は、単純な友情ではなさそうな描写も見られた。
内田はかつて調香師をしていたが、花の匂いが感じられなくなり、他の部署に移った経緯がある。第3話で内田の嗅覚が戻りそうになった話を聞くと、
「忘れなよ。だってほら葵、香りのこと、頑張ってようやく折り合いつけたんじゃない。それなのにまた悩んでるなんて、葵らしくないよ。キッパリ忘れて、前向こう」
と言ったのだ。
これは一見、内田を思いやっているように聞こえるが、内田に調香師の仕事に戻ってほしくないようにも聞こえる。
坂井は介護に追われた自分の人生に不満を抱いていた。そんな坂井には、調香師を諦め、離婚もした内田(元夫は徳井義実)が、同じように不遇だから安心できたところもあったのではないか。だからやりがいのあった調香師に戻ってほしくない気持ちが、無意識のうちにもあったから、けん制する意味で言ったのではないか。
親友だけど、自分より幸せであってほしくはない。
この感情は理解できなくはないし、そういう難しい感情を演じさせたら、坂井は非常に巧い俳優だろう。
しかも、自分を助けるように見せていた親友が、自分を振った男と恋愛関係になっていたとわかったら…?
後半戦、坂井がどんな行動で物語をかき回すのか、期待が高まる。
